まぬけな2024年大晦日
29日と30日に大掃除と買い出しを済ませたので、31日はひまだった。
昼前に起きて、ぐーたらしていた。
15時近くになって、毎晩、風呂上がりの乾いた顔面に貼りつけているフェイスマスクを切らしていることに気がついた。
フェイスマスクがなくても、化粧水があるのでお肌を潤すことはできる。
年明けにまた買いに行けばいいか、とも思ったのだが、ずっと家にいてゴロゴロしているのもあれなので、財布とスマホを持って、近くのドラックストアへ出かけた。
無事にフェイスマスクを購入し、まっすぐ家に帰ろうかと思ったが、せっかくなので、散歩がてら少し遠回りをして帰ることにした。
家に帰る道とは違う方向の道を選んだ。
いい天気だった。雲一つなかった。
ミラーレス一眼もってくればよかったなあ、なんて思った。
公園の脇をとおると、お父さんと息子たちがキャッチボールをしている。あ、そうか、冬休みだもんなー、お正月だもんなー、と微笑ましく思いながら眺めた。
まっすぐ、てくてく、歩いていく。
前方に、やたらと車が出入りするなと、見えていたのは、蟹料理屋の駐車場だった。年末に家族で来る人が多いのかなー、と蟹が描かれた看板を眺めた。
再び、てくてくてくてく歩いていく。すっかり葉が落ちた桜並木が続く。
空はどこまでも青いが、若干、さきほどよりも日が傾きかけている。
ずいぶん歩いてきたけれど。
ところで、ここはどこなんだろう。
わたしは、ものすごい方向音痴である。
知らない場所に行くときは、常にGoogle mapで現在地を確認している。
しかし、mapと目の前にある風景の紐づけができないので、自分が方位磁針となってぐるぐるまわらなければ、わたしは正しい道を判断できない。
今日は、Google mapを見ないでも帰れるでしょ、と、てきとうにずんずん歩いてきたが、わたしはどうやって家に戻るのだ。
ごそごそとスマホをダウンのポケットから取り出して、Google mapに家までの経路を示してもらう。今まで歩いてきた道を戻って、徒歩23分。
そう、ただ来た道を戻ればいいのだが、蟹料理屋と桜並木しかない殺風景な道のりを、20分も歩きたくないと思った。
なにか抜け道があるはずだ。
これまた、てきとうに右折して、ずんずん歩いていくと、駅のホームのアナウンスが聞こえてきた。
あれ、駅じゃん、と思ったら、最寄り駅のとなり駅だった。
ここまで来たら、電車に乗って最寄り駅まで行ったほうが家に近いが、田舎なので、電車の本数は多くない。
次の電車は15分後だった。
ホームのベンチに座った。
大晦日だからなのか、これが最寄り駅のとなり駅の普段の姿なのか、駅には、人っ子一人いなかった。
ちょっと買い出しに出ただけなのにな。
フェイスマスクの入ったドラッグストアの袋をぶら下げて、用のない電車に乗る自分が少し面白かった。
電車が来る時間になると、駅のホームにぼちぼち人の姿が見えだした。
電車も到着し、それに乗って最寄り駅まで戻り、無事に家に戻ることができた。
帰りにスーパーによって、おやつを買ったら、なんと大吉が出た。
なんかに応募できるらしい。
よりによって大晦日に、しかも家の近所で迷子になるという珍行動をしてしまったけれども、大吉ひけてよかったです、という話。