日本の誇るべき杜氏文化がここにある
2023年7月22日、但馬杜氏イベントが行われた。
なぜか私は酒飲み枠(?)として、但馬杜氏の皆さんに関わらせてもらっている。
この町にきて1か月もしないうちから、そんな扱いを受けていることが、まったくもって謎でしかない。ありがたいけれど、何だか腑に落ちない。なにが呑んべぇだ、私が飲めるのは日本酒とワインの2種類だけなんですけどー。
残念ながら、この私は少々のお酒の力くらいでは楽しくなれない(※なんだよ強いのかよwwというツッコミが来そう)。人見知りのきらいがあって基本は黙っているが、お酒で楽しくなれる皆さんの、高くなっていくテンションに合わせているに過ぎない。むしろ、雰囲気に合わせてテンションを調整できる、空気を読める才能を褒め称えてほしいくらい。
人を見るのと育てるのは得意だったが、この町では、飲み会以外で生かせていない(笑)
但馬杜氏とは
但馬杜氏とは何か?そもそも杜氏とは、酒造りにおける責任者のことですが、いったい新温泉町と但馬杜氏に何の関係が?
その昔、雪深く農業をするには難しかった但馬地方の人たちは、冬に酒蔵へ酒造りの出稼ぎに行っていたそうです。但馬の人は忍耐力のある辛抱強い性格で、酒造りに真価を発揮したそうです。
その時代に生きていないので聞いた話ですが、ひとことでまとめると、どうやら日本酒を作る上で最強で最高な人たちが但馬にたくさん住んでいたということらしい。ありがとう但馬人。誇りだ。
そんな但馬杜氏の皆さまが、新温泉町を拠点と言ってくださっていると聞いている。嬉しいことだ、新温泉町は この文化を守っていかなければならない。
詳しく知りたい方は、いくつかリンクを貼っておきます。もしくは、新温泉町の湯村温泉にある杜氏館に勉強にいらしてください!!
但馬杜氏 価値向上作戦
新温泉町の残したい文化の一つ、それが但馬杜氏であることはもう述べた。
ここからは、現在、水面下で行われている但馬杜氏価値向上作戦の一環として、湯村温泉で7月に行われた荒湯天狗まつりを乗っ取った(?)話をしていく。
杜氏イベント概要
開催日程 : 7/22.2023.Sat. 16:00~21:00 荒湯天狗まつりの一角
場所 : ステージ(ポケットパーク)& 店舗(Cafe98℃)
内容
鏡割り+振る舞い酒(香住鶴)
但馬杜氏 酒造り唄の披露
ステージ 全4回
参加者 各3名による、利き酒 選手権
杜氏さんによる日本酒のマメ知識トーク
但馬杜氏のお店
杜氏さんと語りながら飲み比べできる試飲Bar
試飲に使用した日本酒銘柄の販売
さて、イベントが終わった今、振り返りをしていこうと思う。
鏡割り + 酒造り唄
利き酒 選手権 + 杜氏さんステージ
ステージに出演される杜氏さんの酒蔵から、それぞれ3種類の日本酒をお持ちいただいた。一般参加者3名と杜氏さんでやり取りを繰り広げながら味わい、利き酒クイズを行った。
16:50 瑞泉
利き酒① 値段の高い順に並べよう!
トーク:精米歩合とは?
17:00 白鷺の城・名刀正宗
利き酒② 辛口順に並べよう!
トーク:お酒の甘口辛口とは?
18:00 三光正宗
利き酒③ 一番アルコール度数の高い日本酒はどれ?
トーク:アルコール添加とは?
19:00 月桂冠 果月
利き酒④ 桃の香りのする日本酒はどれ?
トーク:日本酒の香りや月桂冠『果月』について
但馬杜氏の店
17:00~18:00
全但バスで酒造見学ツアーを組んでくださったため、この1時間は大盛況。
少し席を外していたところ、知らぬ間にベロベロの10人が出来上がっていて、上機嫌でお宿の朝野家さんに帰っていかれた。楽しんでいただけて良かった。
18:00~21:00
一般のお客様に開放。試飲チケット1枚500円。これで杜氏さんとお話したり、日本酒の豆知識を聞いたりしながら、杜氏さんが丹精込めて作った3種類の日本酒の飲み比べができる。今回は4酒蔵にご協力いただいて、4ブース設置させてもらった。
【その他(酒販)】
利き酒・試飲提供には同じ銘柄を使用し、気に入った方には購入いただけるようにした。
協力いただいた酒蔵・杜氏さん・使用した日本酒リスト
今回はステージおよびブースを持ってくださった4氏をはじめとする、多くの杜氏さんにご協力していただきました。また、但馬杜氏イベントを一緒に盛り上げてくださった皆様にも感謝を申し上げます。
高田酒造場(鳥取県岩美町) 池成杜氏
田中酒造場(兵庫県姫路市) 須川杜氏
三光正宗(岡山県新見市) 山上杜氏
月桂冠(京都府京都市) 相川杜氏
香住鶴(兵庫県香美町) 松本杜氏
利守酒造(岡山県赤磐市) 利守杜氏
その他、但馬杜氏 酒造り唄 保存会の皆さま
但馬杜氏組合のみなさま
酒販にご協力いただいた道の駅さま
湯村観光協会さま
全但バスさま
町内のヒガイシャの皆さま
町外のヒガイシャの皆さま
ご来店くださったお客様方
イベントを終えて
但馬杜氏の皆さんは、お話していると本当に面白い!
今回は、来ていただいたお客様には、但馬杜氏の皆さんの魅力を十分に分かっていただけたのではないかと思う。
けれど、まだまだ日本酒も杜氏文化も知られていない。次回またこういったイベントがあることを願う。
また、今回の但馬杜氏イベントは初めての取り組みだったようで、町内外のヒガイシャの方々にたくさんご協力いただいた。けれど、当日の流れや進行、準備物など、たくさんの推測不足があったように思う。
次回のイベント時は改善しよう。
最後にひとこと
では最後に、個人的に驚いた感想を述べて、締めたいと思う。
但馬杜氏の店を営業中のことだ。月桂冠の果月を見るたび、お客様が申し合わせたように『えっ何これ!』『こんなのあるんだ!』『おもしろーい!』と叫ぶ様子が印象的だった。
正直、この前まで関東圏に住んでいた私は、(果月どこでも売ってるのに、なぜそんな反応?)くらいの感覚だった。
お客様にいちいち聞いてみたが、どうやら、この近辺には売っていないらしい。月桂冠は京都発なのに関西圏の皆さまが見たことないと主張するのだ。不思議すぎて私は未だに信じていない(笑)
確かに、私の元いた土浦つくばエリアは、スーパーもショッピングモールも多岐に渡っていたし、ただのスーパーですらお酒のラインナップは充実していた。今考えると、手に入る日本酒の種類もすごい場所だったのだなぁ…と茨城県に想いを馳せる。
よく考えてみると、このあたりでお酒を選ぶなら、鳥取のイオンリカーか、豊岡市に遠征するしかない。
地域差と文化の違いを知った1日だった。