女3人、引き寄せられたように野望を語る

7月、先輩が主催した開運パワースポット巡り日帰りツアーに参加した。
そこで知り合った、
一つ年上のすらっと背の高いスタイル抜群の美魔女と、
「先生」と呼びたくなるような知的で気品ある美人。
2人とも、初対面から感覚的に私に興味を持ってくれた。

ツアーには10人ほどが参加していたが、
お互いのことはよく知らなかった。なのになぜか私たち3人で会うことになった。
美魔女は、シングルマザーで夜の店を経営していたが、病気とコロナで店を閉めて今は会社員をしている。
先生は、本当に教育現場で障がいのある児童や保護者の先生だった。
保育、教員、カウンセラーなど、
いくつも資格を保有し、障がいを持つ家族の世話もしていた。
そのような世間向きのプロフィール紹介は前半に軽く流し、
何がきっかけになったのか、
誰からともなくこれからの人生について語り始めた。

先生は、教育だけにとどまらず、
子供が中心の、
大人も巻き込んだ福祉事業をやりたいと言い出した。
大人が楽しんでいる姿を子供たちに見せたい。
大人が楽しまないで、子供が将来に希望を持てるわけがない。
同じ目線で遊びやゲームをみんなで楽しめる場所を作りたいと。

美魔女の元ママは、
夜の店に限定されず、カフェや子供食堂など、
誰でも好きな時間に安くお腹を満たすことができる、
ママが愚痴や悩みを聞いてくれる店をやりたい。
たらふく食べて、家族や友人には話せない話を聞いてもらい、
今日をリセットしてまた明日から頑張ろうと思える場所を提供したい。

私は、
毎日生きることに必死な人、生きることから逃げたい人、生きることを諦めた人、絶望と孤独に苦しむ人、そんな人たちの声なき声を聴きたい。
誰にも話せないトラウマも傷も、
この人なら聴いてくれる、
と話せるような存在になりたい。
そんな存在を増やしたい。

そんな、くだらなくて遠くて浅はかな目標をすらすらと語り合った。絵空事でも夢物語でもいい。
私たち3人が、いつか叶えられたら、と胸の隅に抱いている夢たちのかけらを、
イメージに乗せて言葉にできていた。
自分のかけらが、他の2人のかけらにくっついて大きな塊になっていく。

自分でこんなに具体的に考えていたのかと驚くほど
やりたいことが多くて止まらなかった。
昔なら交わることのなかった、異色経歴の3人が共通理解を深め、
協力し合って漠然としたモヤを、色濃く形にしていく。

想像しただけでワクワクが止まらない。
時間がかかってもいい。
全て叶わなくてもいい。
誰かの、どれか一つの夢が小さく叶えられたら…

叶えたい。

この胸のあたたかさを忘れないで、
ずっと心の中に置いておこう。

また会おうね!
と別れた後に見上げた空の青さと雲の形も忘れないでおこうと
強く思った。

今日の空が、近い未来に続くように。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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