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脳腫瘍の手術後から退院まで(1)

 手術が終わってICUに入ったのは夜の6-8時くらいではないかと思いますが、その後は長い辛い夜になりました。何かしらの痛みを感じた記憶はなく、ただただ息苦しいだけの時間でした。
 両方の鼻が内視鏡手術の止血のためか完全に塞がれていましたが、看護師からは酸素の濃度は問題ないから安心してと。それなのになぜ息苦しいのだろう。事前に口だけで息をする練習をするよう言われていたので何回かやりましたし、その時は苦しくなく、酸素は入るのになぜ練習をする必要があるのかと不思議に思っていたのに。
 それでも、これから何らかの手術を受ける人もいると思いますので、苦しかったけれど翌日の午後には嘘のように終わったとまずは伝えたいと思います。

 ICUでお世話になった看護師の方々には感謝しかないです。リップクリームとして持って行った小さなパッケージのワセリンを見て、こんなに小さいのもあるんだねと言って夜中に何度も唇にワセリンを塗ってくれた人。数時間すると足のポンプがなぜか辛くなり、時々解放されたくて外さんばかりに足を動かしていましたが、何度も黙って付け直してくれた人。
 手術後は鼻から血が混じったものが垂れていましたが、翌日早朝には少し治まっていました。もう血が出ないなら鼻の中のものを少し取ってもいいのではないかと言った私に、絶対に自分で取ってはいけない、大量出血のリスクがある、ととても強く言ってくれた人。実は小さな通気口ができれば苦しさがなくなるのではないか、時間が経っているのだし少しくらいなら自分で何とかこじ開けても出血は増えないのではないか、と勝手に考えていました。
 そして、手術の翌朝、B先生がICUに診察に来ました。鼻の止血はもう一日そのままにしようと看護師に話していましたが、看護師が患者本人が苦しそうだから本人にも話してと言ってくれました。先生はすぐに私にその話をしましたが、私は、鼻の詰め物を少しだけでも取ってほしい、苦しいから自分で取ってしまうかもしれないと言ってしまいました。先生からはそれでは午後に取りましょうと言われ、少し救われた気持ちになりました。我儘を言ってしまった事、今は申し訳なく思っています。

 2021年6月25日(金)午前、一般病棟に移りました。B先生は午後に病室で片方の鼻の詰め物を取ってくれました。取った後はとても楽になり、すぐに少し眠りました。1時間くらい眠ったでしょうか、起きたら一旦空気が通った鼻は既に酷い鼻づまりのような状態でしたが、全く苦しくはなかったです。その時、息は口でしていたと思いますが、なぜ鼻に詰め物があると苦しいのかまた不思議に思いました。どちらの鼻の詰め物を先に取ったのか、余裕がなかったためか思い出せずにいます。
 その日は、開頭手術をした左側の頭から目にかけてかなり腫れていましたし、一口も何も食べられませんでしたし、多分まだ辛かったのだと思いますが、前日のICUでの苦しさと比べると全く問題なしと、私にとっては幸せな気分の夜になりました。
 読んで頂きありがとうございました。
 
 

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