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偏頭痛と私②

頭痛を抱えながら、人生の一大イベントに臨む。

妊娠中

遡ること約3年前。待望の子供を授かった。

一般的に偏頭痛は女性ホルモンの関係で妊娠中は収まると言われている。出産前に働いていた職場の偏頭痛仲間も妊娠中はピタリと頭痛が収まっていたと言っていた。悪阻に対する恐怖はあったものの、頭が痛くならないの楽だなーと呑気に思っていたのが大間違いだった。

私は大変な頭痛悪阻だった。それも10カ月の妊娠期間ほとんどである。5カ月後半から切迫早産で張り止めの薬を飲んでいたからその副作用もあったのかもしれないが、ズキズキと頭と首が痛くて大変だった。37週頃にあまりに頭が痛くて吐く事を繰り返し脱水になって点滴をしてもらった。

頭が痛すぎて点滴を受けながら、今すぐに帝王切開をして貰えないかとずっと考えていた。ロキソニンを飲んで頭痛から解放されたい!そんな痛みだった。妊娠中のロキソニンの内服は原則禁忌である。妊娠中は医師の指示のもとカロナールを内服していたが全く効かなかった。

出産を終えて

39週で無事に出産を終える。

産中におまたを切ったのでそれに対する痛み止めとしてロキソニンがあらかじめ処方されていた。

ロキソニン慣れしている私は頭痛と同じで「痛くなる前に飲んどこー」と渡しにきてくれた看護師さんが部屋から去ったら即飲んで、2~3日の間6時間おきにロキソニンを内服していた。

産後の体質変化で偏頭痛がなくならないかなんて少し期待していたのだが、そんなことはなかった。

コロナによる位1回目の緊急事態宣言が発令された時、我が子はまだ0歳だった。今でさえ未知のウイルスなのに最初の時なんて子供に感染したらどうなってしまうんだろうと不安でなるべく家ですごしていた。その間も頭痛は頻回だったが子供は良く寝てくれる子で、私もその横でゴロゴロしていられたのであまり深刻には考えていなかった。


きっかけは子の成長

子供は乳児から幼児になった。ミルクを飲んで、ただゴロゴロと布団を中心に生活していた赤ちゃんはいなくなり、いつのまにか自分の足で歩き回るようになった。そうなるとただ家の中でゴロゴロしている訳にはいかない。コロナは怖いが、できる限りの自己防衛をして外へ出る機会を増やしていった。

…増やしていったのだが頭が痛くて仕方がない。今まで以上に薬を飲む量がふえていった。きちんと記録をつけていないから正確な事はわからないがロキソニンを日に4回飲んだりする事もざらじゃなかった。

効かないから薬を飲む。どんどん量は増えていくのに頭の痛みが全くとれない。元気に家の中を動き回る子供の気配に出来るだけ気を配りながらも、布団に横たわっている日が増えてきた。

頭が割れそうなくらいに痛くても子供は勿論お構いなしである。

こんな日々が続いて遂に頭痛外来に行くことを決意する。

頭痛外来

頭痛外来への受診は今までに何度か考えた事はあったが、とりあえずロキソニンをラムネのように飲めば何とかなったし、頭痛Diaryを付けることや初診の混み具合でめんどくさ!と結局行く事はなかった。
母親がいつも横たわって怠そうにしているのでは子は可哀想だ。仕事の合間に主人が子供を連れ出してくれて本当に感謝しかない。
主人はもちろん仕事があるので毎日毎日そうしてる訳にも行かず、いよいよ家庭がまわらなくなってしまうのではと頭痛外来を予約した。

自宅から車で10分程の脳神経外科に予約を入れて初診の日を迎える。
四十代くらいの穏やかそうな男性医師。
何歳頃から頭痛があったか、頭痛が起きるタイミング、頭痛の頻度、痛み方などを丁寧に聞かれて、「偏頭痛」と診断された。
初診のルーチンらしく一応MRIで頭の中も後日診てもらったが異常なし。首のレントゲンも撮って診てもらったが、こちらは素人目でもわかる位の今流行りのストレートネックだった。
首肩凝りからくる緊張性頭痛もあるとは思うが、それだけじゃ日常生活送れない程の痛みは出ないと思うので偏頭痛で間違いないと思いますと医師から話をされた。
最初は「エレトリプタン」という偏頭痛専用の痛み止めを貰った。
……正直、いまいち、というかあまり効かない。(あくまでも私の場合です)
エレトリプタンは1日2回まで2時間以上空けてと説明を受けたのでそれはしっかり守っていた。なんせ一回の診察で10錠しか貰えない。診察は月に1回だから大事に大事に使わねばならない。
そして愚かな私はロキソニンをラムネのように飲む日々を続ける。
もうとっくにロキソニンは全く効かなくなっているにも関わらず……。

2回目の診察で「エレトリプタン」は効かないと伝えると「リザトリプタン」という別の薬を処方された。
医師の話によると作用時間は短いけど「エレトリプタン」よりガツンと効くとのこと。
これは期待できる!とテンションを上げて薬局で貰った。
……効果の程は劇的に効く!という感じではなかった。
エレトリプタンよりは効いているような気はしたが、痛みが完全になくなってスッキリした感じというのはなかった。
そもそもトリプタン系の薬剤は飲むタイミングが非常に重要なので、そのタイミングを私が掴めていなかったのも効きの悪さの一因であると思う。
(内服タイミングの事は興味ある方は検索してみてください)
なんだか私は絶望していた。
専門のお医者さんにかかれば、必ず治して貰えると思っていたから。
子供は可哀想だし、主人にも迷惑を掛けてしまっているし、なんとかこの痛みから解放されたいとある日の偏頭痛発作でリザトリプタンとロキソニンを同じタイミングで飲んでみた。
……これ効くじゃん!!!!
そしてまた間違いを繰り返す。

3ヶ月くらいはリザトリプタンとロキソニンを併せて内服していたと思う。
これも早々に効きが悪くなって、最早頭が痛くない日というのは一ヶ月の中で数日、片手で数えられるくらいだった。
私の場合、強い光が頭痛の一因らしく夏は最悪だった。少し外に出ただけで頭が痛くて仕方がなかった。
主人がサングラスを買ってくれた。嬉しかった。

③に続きます→→→

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