その夜の晩ご飯

　あのゴレムの中にはこ﹅び﹅と﹅がいるんです。人の背丈ほどあるゴレムの中に、タバコの箱くらいなこびとが胸の中にいて、モーニングを食べに早起きして喫茶店に行ったり、仕事したり、笑ったり、国の増税発表にキレたり、嫌いな人間の上司にビンタしたりしています。これはきっと僕が思っている以上にすごいことで、クッキーを食べたらなくなるみたいな、走ったら息が切れるみたいな、そんな当たり前のことじゃないように思うんです。そんなこと思うと僕はもりもり元気が出て、その夜の晩ご飯はいつもより多めに食べてしまいます。

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