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ウクライナ国立民族舞踊団の公演を観て感動

先日ウクライナ民族舞踊団の公演を観る機会があった。
現在、6〜8月の日程で全国公演が行なわれている。

幕が開くと、舞台には色とりどりの民族衣装に身を包んだ約五十名の隊員が並んでいた。
戦争という究極の状況の中で臨む、この舞台にかける気迫がホール全体に広がるようだった。

舞台狭しと踊る躍動感。
カラフルな衣装に身を包み、舞う、
有名なコサックダンスは、コミカルで陽気。タンバリンを使っての演技は熱気あふれていた。
女性たちの優雅なダンス。衣装は、どれもこれも、カラフルで、刺繍の美しさでも私たちを楽しませてくれた。

春の訪れ、収穫の喜び、結婚式の場面など、歴史の中、あらゆる喜びの場で舞ってきたのだろう。
セリフが無くても笑いが伝わるコミカルな演技がたくさんあった。

一転、剣を持った舞には、緊張が走る。この国が戦時下にある事を思い出させた。

彼らの、おそらく全ての人の家族や友人の誰かが、この戦争で命を奪われ、負傷し、あるいは家を破壊され、仕事を失い、畑を無くし、所を追われている事だろう。そんな中で全世界での公演活動をしている。

この舞踊団は、その舞で戦に立ち向かっているのかもしれない。

この公演に先立つインタビューの中で、ヴィクトル・サヴァドスキー団長は語っていた。

「平和であるとか、戦争であるとか、全く関係ないのです。
中略
常にどこかで争いは続いています。
それでも人々は
歌うことをやめない。
踊ることをやめない。
音楽を奏でることをやめない。

芸術の真の目的は人々を幸せにすること。そこにこそ、意味があると思います。」と。

一番印象に残ったのは、女性たちが「糸」の両端を持ち、巨大なあやとりの様に踊るダンスだった。「糸」を交差しながら、もつれる事なく舞って、刺繍をする踊り。それはウクライナの針仕事を表す踊りである。
その仕上げには舞台上に縫い上げた布が広げられ、そこには感謝の思いが刺繍されていた。

そして、ラスト。
バックには、ひまわり畑と青い空が映し出された。
さらに広がるウクライナの旗。

平和を願う心は、ロシアの母も、若者も、どちらの国の人々にも共通だと思う。

戦争の即時停戦を、強く願う。




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