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ティッシュペーパー化する映画
映画がつまらなくなった。いや、つまらんというより、存在が軽くなった。ティッシュペーパーのように大量生産され、消費され、捨てられる。作品一つ一つを味わうように見ていない。昔の映画は、たとえ駄作でも、ある種の濃度があった。今はもうない。二倍速で再生される映像の断片が流れていくだけ。
1. ハリウッドは終わっている
ハリウッド映画を見ればわかる。どれも同じだ。マンネリ化の極み。宇宙人が来た、テロリストから国を守る、CGを多用したスパイアクション系。似たような爆発、似たような銃撃戦、似たような筋肉男。脚本がつまらない。誰が誰で、どこで何が起こっているのか、どうでもよくなってくる。たぶん、作る側も分かっている。だからどんどんCGを派手にする。でも、本質は変わらない。
2. 静かで動きのないシーンが苦痛
映画館に行ってみる。観客の大半がスマホを触っている。ストーリーを追っていない。静かで動きのないシーンが苦痛だから、意識を別のところに飛ばす。画面の向こうでは、登場人物が何かを語っている。しかし、それが何かは関係ない。重要なのは、次の派手なシーンまでの時間をどう潰すかだけだ。
3. 映画館に行くのは子供とその親だけ
実際に映画館で客が一番入るのはアニメ系。つまり、子供が見たいというから仕方なく親が連れて行く。それだけだ。大人は映画館に行かない。行く意味がない。大画面で見るほどの価値がないからだ。テレビで十分、いや、スマホで十分。Netflixで適当に流せばいい。
4. 量産されるゴミかそれ以下の映画
Netflixで映画を見る。リモコンのボタンを押せば、無限に映画が出てくる。でも、どれも同じようなものばかりだ。退屈な展開。中途半端なストーリー。結局、二倍速で見る。飛ばしながら見る。観た気になって終わる。そこに感動はない。残るものもない。
5. 映画はこのまま消費されるだけか
映画はもはや、記憶に残るものではない。ただの時間潰しの道具。ティッシュペーパーと同じだ。鼻をかんだら捨てる。もう一度使うことはない。一本の映画をじっくり味わう、そんな時代は終わったのかもしれない。