#2 Fishmans「空中」サブスク解禁によせて
いつの間にかFishmansのベストアルバム「空中」がサブスクに来ている!
自分の初Fishmansはこのアルバムだったので感慨深い。
※2018年にすべてのオリジナルアルバムがサブスクに入ったけど、このアルバムと兄弟作の「宇宙」だけは配信されていなかった。
高校の頃、複数の友人間で更新が行われていた謎の共同ブログがあって、1人の友人がおすすめの音楽を紹介する記事を書いた。
・「ゲルニカ」中村一義
・「KICK IT OUT」BOOM BOOM SATELLITES
・「いなごが飛んでいる」Fishmans
この3曲を、仲間内でも別に音楽好きのイメージがなかった彼が突然紹介してくれたので、その記事を読んだ時の驚きはとても大きかった。
当時の自分は完全な洋楽かぶれだったので、この中では中村一義を少し知っているぐらい。
早速地元のツタヤに行き、中村一義とブンブンの該当アルバムを借りた。
フィッシュマンズはベスト盤「空中」しか置いてなかったのでそれを借りた。
その日の晩、自室のCDコンポにヘッドフォンを繋げて、「空中」を聴き始めた。
その頃、愛用していたMDウォークマンが壊れていたから、大学に入りiPodをゲットするまで、しばらくポータブル機器で音楽を聴ける環境になかった。
1曲目は「Running Man」、ヘロヘロした曲調なのにやたらと演奏と歌が上手いというのが第一印象だった。レゲエのビート感がしっかりありつつも、ポップで聴きやすい。のんびりした生活をそのまま描いているような歌詞にも好感を持った。ただなんかオシャレな感じで、当時はそこまでグッと来なかった(もちろん今では超好きである)。
そして2曲目、これが運命の「Go Go Round This World!」
ラーラララララララ…ラーラララララララ…
はい、この曲で完全にノックアウトされました。
包み込むようなコーラスが始まった瞬間、肌が粟立つような感覚があって、
どのパートがどうとか、歌詞のここがよかったとか、そういうのではなく音のすべてが素晴らしいというか、立体的な音像の面白さと心地よさにめちゃくちゃくらう感じというか。
結局自分はそれから今に至るまでこのバンドの全音源をヘビロテして、バンドでコピーを何度もするほど彼らの音楽にのめり込むことになるのだけど、この曲を聴いていなかったらそういったことには多分ならなかったわけで、
そういう意味では、はじめて聴いたアルバムが「空中」で多分よかった。
それと、Fishmansを好きになったあと、信じられないくらいたくさんのファンと知りあったけど、彼らからすすめられても、おそらく素直に聴いていなかったと思われる。
バンドの情報をほとんど知らずに、高校の友人のブログをきっかけにいきなり曲を聴いてみたのがよかった。
彼は奇跡的に付き合いが続いている友人なので、今度会ったらお礼を言おうと思う。もうFishmans聴いてないかもしれないけれど。