太陽

この文章は「才能が無いから何だ」リリース時のオタク丸出し感想文に膨大な加筆をしたものとなっております。
私個人の意見でしかないのでご注意下さい。


私は甲斐田晴という人間が好きだし、甲斐田晴の音楽が好き。
甲斐田くんの歌声を聴いた瞬間、堕ちた。逆に言えば、歌声がなかったら私は甲斐田晴という人間を好きにならなかったのではないかと思う。
というのも、私は声を聞いて人を好きになることが多いのだが、好きな声の系統と甲斐田くんの声はかなり違う。
(オリバー・エバンスを推していて、好きな声優さんは櫻井孝宏さんというところから私がどんな声が好きなのかは察してほしい)

元々友人が剣持推しだったのでにじさんじという存在は知っていた。けど人数が多くて何処から入ればいいか分からなかった。
そんな時デビューしたのが「エデン組」。新人さんだし入りやすいかもなと思い初配信をリアタイしたら見事に堕ちた。今では教授最推しのエデン組箱推し。
そこからもっとにじさんじを知りたいなと思って色んなライバーさんを見始めたのが8月頃だった気がする。
その時出会ったのが甲斐田晴の歌ってみただった。最初に聴いたのは「ニア」「Ghost of a smile」のどちらか。ひとつ聴いた瞬間惚れてしまってその時投稿されていた歌ってみたを一気に聴いたので正直何が1番最初だったか明確には覚えていない。そこから弾き語り配信を聴いて、ゲーム配信、雑談、VΔLZ…。
この2ヶ月後にROF-MAOが結成される事など、この時の私は想像もしていなかった。

そんなこんなで前置きがすごく長くなってしまったけれど、私は甲斐田晴の歌声も音楽も好きだ。
今回は「才能が無いから何だ」を中心にして彼について語らせてもらおうと思う。


「才能が無いから何だ」

もし「まだ聴いたことないよ」という方がいらっしゃるなら、まずは一度聴いてみてほしい。
私の大好きな曲。リリースされてから冗談抜きで毎日聴いてるくらいには好きな曲。

この曲は甲斐田さんが活動4周年の時にリリースした楽曲。「透明な心臓が泣いていた」「何色」と同じ堀江晶太さんが作詞作曲を手掛けた一曲。
今までと違うのは音楽の中心が「甲斐田晴」から「リスナー」になったこと。
MVを見たらわかるがこの曲は私たちリスナーに焦点を当てている。
私たちに向けた応援歌だと私は受け取っている。

「才能が無い」は諦めなければならない理由ではない

「才能が無いから何だ」概要欄より

概要欄のこの言葉、待機所が公開された時に1番最初に目に入ってきて、自然と涙が出てきたのを覚えている。
自分に秀でた才能が無いと気付いた時、六角形を大きくしようって考えた彼が言うからこそ響くものがある。

「正直、僕というのはそんなに自分に自信があるほうでは、ない。
が、まぁちょっとだけ諦めは悪かったかなというのが、自分への評価だったのですが。」

「透明な心臓が泣いていた」お披露目前のMCより

3Dお披露目の時に彼が放ったこの言葉が私の胸に残り続けている。
何処までも研究者らしいというか、眩しいというか。芯の強い人だなと思う。

才能が無いから何だ やってやれ、主人公

「才能が無いから何だ」より

再生した瞬間このワードが耳に入ってくるの、あまりにも真っ直ぐで好きだ。
堀江さんの創る甲斐田晴の音楽、全て始まりが甲斐田くんの声なの、好きだ。
甲斐田くんの声って歌声に関わらず凄く真っ直ぐですんなり脳に届く。発声が凄く綺麗な人だなと普段の配信を観ていても感じる。
だから甲斐田晴の歌声スタートの音楽はいつも真っ直ぐ私に届く。引き込まれる。
確かに彼は歌が上手だけど、それ以上に「綺麗」だなと思う。

この後に一瞬映る"空を見上げる甲斐田晴"が物凄く好き。この一瞬しか映らないの勿体無いのでは!?と思うけれど、この一瞬だからこそ凄く綺麗で儚く人の目に映るのかもしれない。
甲斐田"晴"さんは確かにリスナーを照らしてくれるけれど、同時に彼も何かしらに照らされてきた人間なわけで。そんな彼が微笑みながら太陽の光を浴びているのを見るだけで、凄く嬉しくて涙が出てくる。涙腺が終わっている。

貰い物の細胞は 望み通りじゃなかったかい

「才能が無いから何だ」より

この歌詞、凄く重い。けれど曲調や彼の歌声によって胸にすんなり届く。
「望み通りじゃなかったかい」の歌い方が本当に優しくて、何処か現実を見ているようで、とても好き。優しくこちらに問いかけてくれている気がする。内容はすごく重たいけれど。

身に余る憧れ 今となっちゃ苦しいかい

「才能が無いから何だ」より

この「憧れ」の歌い方、凄くはっきり歌っている。「あ・こ・が・れ」の4文字をはっきり発声していて憧れを際立たせているような気がする。
あの人のようになりたい、けど遠い、届かない存在。それを表現している。
甲斐田くんの歌声には感情が乗っていて、魂がこもっているからまさに「物語」なんだなと思う。

色んなことを知ってゆく 脇役を覚えてゆく

「才能が無いから何だ」より

この歌詞凄く人生だし、甲斐田くんらしいなと思った。「月が綺麗だ。」の歌詞に通じるものがあるような気がする。

いつからか解らない事よりも 解ってしまった事が何より苦しくて

「月が綺麗だ。」より

幼い子供にとって世界は知らない事だらけだ。経験を重ねて世界を知っていく。知らなかった事がどんどん解っていく。
自分が主人公ではなく脇役であることに気づいてしまうし、この世界の暗い部分にも気づいてしまう。何かを理解するって人を成長させると共に、凄く残酷な事だ。残酷だと分かりながらも、我々は生きていかなきゃいけない。大人にならなきゃいけない。凄く辛くて苦しい。

意地悪な世界でもこの星は美しい

「率直」より

この歌詞のように、そんな世界でも美しいと思える甲斐田くんって、本当に綺麗な人。
甲斐田くんが発した中で凄く好きな言葉がある。

「僕1番好きな生物は人間だけど、1番嫌いな生物も人間だからな」

雑談1:23:00 辺り」より

なんかすごく、彼らしいなと思う。
彼の優しさと強さが表れている価値観。人間の醜さや、この世界の意地悪なところを知った上で、人間のことが好きだし、この星は美しいと思えてしまえる。
凄く人間らしい。矛盾とも受け取れてしまうかもしれない。だけどそんなもんなんだろうな。矛盾だらけなんだろうな。だから人生って難しくて、美しいんだろうな。

恥ずかしいものさ 本気で生きるってことは

「才能が無いから何だ」より

常に本気で生きている姿を届けてくれる彼が「恥ずかしいものさ」と歌ってしまうの、本当に苦しくて眩しい。これと繋がる歌詞が「率直」にもある。

純情は醒めた人達の標的になるらしい
夢は茶化されるもの

「率直」より

甲斐田さんって夢を追いかけ続ける人でありながら、凄くリアリストな一面を持っているな思う。
ハルシロとかデトロイト見た方なら多分わかってくれると思う、この認識。
夢は茶化されるもの。本気で生きるのは恥ずかしいもの。それを理解していながらも彼は夢を持ち続けるし本気で生き続けてくれる。
何でこの人はこんなにも眩しいんだろうね。

才能が無いから何だのここの歌詞のMV中にこの楽曲を再生しているシーンがある。これを見た時「私と一緒だ!!」となった。
というのも、このMV、楽曲がリリースされてから約4ヶ月後に投稿されている。その4ヶ月間色んな媒体で沢山の人がこの楽曲を聴いていたと思う。私もその1人だ。そしてMVに出てくる2人も同じように再生している。私たちリスナーとMVに出てくる方々が重なった瞬間なのではないか。

才能が無いから何だ やってやれ、主人公

「才能が無いから何だ」より

この部分のMV、甲斐田くんが動画上の人物の背中を押している。
歌詞だけ見ても応援歌だが、ここまでしっかり視覚化されるとは思ってなくて初めて見た時思わず声が出た。
やっぱりこの歌は確かに甲斐田晴が我々の背中を押してくれる歌なんだと再認識させられた。
普段の配信や今までの音楽から感じていることだけれど、甲斐田くんはいつも隣にいてくれるイメージがある。
よく「一緒に甲斐田晴を大きくしていきましょう」と言ってくれる。「一緒に」を大事にしてくれる。
配信では会話を大切にしている印象があるし、音楽ではコーレスが頻繁にある。その時の時間を一緒に楽しんでくれる。

見つめ合って 許し合って 息をして
ここに居るよ 居るよ

「透明な心臓が泣いていた」より

何かを はじめるときは 傍で見ていてほしいよ

「何色」より

つまづき転んで傷だらけで だから僕ら手を繋ぐのだ

「この場所で」より

君だけは素顔のままでいて
僕がそっと 寄り添うから

いつまでも素直な君でいて
僕はずっと 見守るから

「素顔のままでいて」より

風景も記憶も全部 全部抱えて
晴天と風に乗れ 君と連れて行くよ。

「清風」より

こんなふうに甲斐田晴って、いつもそばにいてくれるイメージがある。同じ視点に立って、一緒に歩いてくれる。
でも「才能が無いから何だ」は少し違う。甲斐田くんは少し離れたところで私たちを見てくれている。背中を押してくれている。
なんだかそれが少し新鮮で、だからこそ勇気がもらえる。そんな曲だ。
「そこで見とけ!頑張ってくるわ!!!楽しみにしてて!!」って言いたくなる。

だって君も 君のための主人公でしょう

「才能が無いから何だ」より

ここの歌い方本当に好きなんだ。「主人公でしょう」って当たり前のことのように言うんだね。
自分は主人公じゃ無いんだって諦めかけている人間に向かって当然のように「主人公」と言ってくれるんだね。
最初聴いた時「やられたー!」と思った。そんな当たり前のことのように言われたら「ほなそうか…」ってなっちゃう。私がちょろいだけかもしれないけど。
甲斐田晴って、人を信じる人だなと思う。それは人の善を信じるっていうのもあるけど、その人が持ってる力とか、勇気とかを信じ続けてくれる人。
「君ならできるでしょう?」って言えてしまう人。

何者になれなくても 嘆くな君は君だから
足りなくても届かなくても 諦めないでいてね

「この場所で」より

嘆いてる人間に「嘆くな」って言えて、諦めかけてる人間に「諦めないでいてね」と言える人。
強くて暖かい人だな。多分、本人以上にその人のことを信じてくれている人。
甲斐田くんって時折、私たちの代弁者になってくれることがある。

鍵をあけて本当の言葉を今叫ぶよ 君の分まで

「一瞬と一生」より

どこまでも駆け抜こう 途方のない未来へ
さぁ、行こう、行けるよ。

「清風」より

君が忘れてしまっても、僕がずっと覚えているよ

「水の記憶」より

だから甲斐田くんの音楽を聴くと、心が軽くなる。
私の分まで叫んでくれるから。不安な時「行けるよ」って断言してくれるから。彼がずっと覚えていてくれるから。

相応しくないとか 誰と比べてとか
それ以前の話がしたいだけさ

「才能が無いから何だ」より

ここの歌詞本当に無敵で好きだ。強すぎる。
どうしても人と比べてしまう瞬間がある。あんな風にはなれないなと諦めてしまう時がある。でも、それ以前の話を甲斐田くんは訴えかけているんだ、見せてくれているんだ。
知らない間に人と比べて、落ち込んで、諦めて。そんな自分に気付かさられた歌詞。

この部分のMV、甲斐田くんが胸ぐらを掴んでいて「ロックの男〜〜〜!!!」と大盛り上がりした。
声質や普段の雰囲気から穏やかイメージがある彼だけど、生き方が本当にロックだから最高にかっこいい。

「後悔させるようなライブはしないですから、我々は」

「ROF-MAO 1st LIVE - New street, New world」より

「お前たちの心で、言葉で、僕を呼んでくれ!」

「VΔLZ 1st LIVE - 一唱入魂」より

「お前の人生だろ、胸張って生きろ!」

「いつか僕らがいなくなっちゃうんじゃないかみたいな気持ちになる時があると思うんだけど」
「そんな事にはしてやらねえぞ、と思ったんだよなぁ!俺達は進むぞお前ら!ついてこい!」

「音楽って最高だな!」

「VΔLZ LIVE TOUR - 三華の樂」より

「才能が無いから何だ、なんだってんだ」
「やってやったらいいじゃねぇか、突っ走ったらいいじゃねぇか」
「才能が無かった偽物でも、本物を目指すんだよ」

「4周年記念雑談」より

今思い出せるだけでもこれだけかっこいい言葉があるの、本当に素敵なところだ。
感情を素直に言語化してくれて、「今」を大事にしてくれるからこそ出てくる言葉だと思う。

僕って何なのでしょう 何になりたいんでしょう

「才能が無いから何だ」より

ここの「何になりたいんでしょう」が凄く好き。1番は「何になれるのでしょう」だったのが「なりたいんでしょう」に変わっている。
できること、所謂安全圏の中から選んでいたのが、「できるできない関係なく、今なりたいものはなんだ」に変化しているのが、この曲が人何を伝えたいのかが凄く表れていると思う。

憧れ 諦め 土砂降りのち晴れ

「才能が無いから何だ」より

この流れ、あまりにも甲斐田晴だ

夢→あきらめ→あきらめない

「【脳内地図】頭の中を可視化してみたら
パーソナル情報が丸裸に…」
より

諦めが悪い甲斐田晴だからこそ出てくる言葉だなと思う。
本当に、心底、甲斐田くんが諦めの悪い人で良かったなと思う。だから彼は今もここに立ってくれていると思う、そんな彼だから好きになったんだと思う。

ここの歌詞の「晴れ」のMV、女の子が涙を流していてエモいことやってくれたなぁ!と勝手に盛り上がっていた。
晴れって太陽のイメージが強いけれど、画面に映っているのは涙。その涙は晴れているんだね。晴れたからこそ出てきた涙なんだね。

僕を救うのは そんな物語

「才能が無いから何だ」より

この歌詞、「僕」と「そんな物語」をどう受け取るかによって解釈が違ってくるなと思う。
私は勝手にこの時の「僕」は甲斐田くんを示していると思っていて、「そんな物語」は今までの甲斐田晴の人生と、甲斐田に背中を押された人の人生なんじゃないかな。わからないけれど。

昔の自分はいつか今の自分を助けてくれるし、今の自分はいつか未来の自分を助けてくれる。
甲斐田くんはよく「興味持ったら挑戦してみな、いつか糧になるから」みたいなことを言っているイメージがある。過去の積み重ねはいつか未来に繋がる。そう信じている人だし、実感してきた人なんだなぁと。

「寄り添える音楽とか、誰かの日常をプラスにするっていうのを基軸にしてて」

「VΔLZ音楽談義」より

緑くんとの対談やインタビューとかでもよく言っている「人に寄り添える音楽」が甲斐田晴の音楽だ。人を救う音楽だ。
そして実際、救われた人間がいる。それって甲斐田くんにとって凄く嬉しいことなんじゃないかなと勝手に思っている。
だからきっと、甲斐田くんに救われた人は、甲斐田くんを救える人。
本当に、ただの独り言でしか無いけれど。

待っていたよ、主人公

「才能が無いから何だ」より

甲斐田くんが背中を押し続けてくれて、信じ続けてくれたから、主人公になれたんだろうな。

才能が無いから何だ
行っておいで 遠く遠くへ
才能が無いから何だ
いつかまた、話そう

「才能が無いから何だ」より

最後のここに「好きポイント」がありすぎる。

まず、さっきも述べたが甲斐田くんは「一緒に」を大事にしてくれる人。ここの「才能が無いから何だ」はみんなで一緒に歌えるから好きだ。
最初からずっと言い続けてくれた「才能が無いから何だ」を最終的に私たちも叫ぶことができる。本当に嬉しくて、気持ちがいい。

「行っておいで」が優しくて好き。こんだけ熱い曲なのに「行ってこい」じゃなくて「行っておいで」なのが本当に暖かい陽だまりで好きだ。じんわりと彼の暖かさが伝わってきて思わず涙が零れてしまう。

「いつかまた、話そう」って言葉、居場所はちゃんとあるよ、帰ってくる場所はちゃんとあるよって言ってくれている気がする。安心感がすごくある。
甲斐田くんってリスナーとコミュニケーションが取れる場を凄く大事にしている人だ。
配信だったりライブだったり、リプや視聴覚室だったり。

世界は変わっていくけれど
君と僕は変わらないでいよう
くだらない話で笑い合えるように
また会おうこの場所で

「この場所で」より

この歌詞にも表現されている。
「この場所で」の作詞作曲を担当してくださったPONさんのコメントにもこれに繋がることが書かれている。

甲斐田さん配信の優しい空気感、安心感みたいなものが、ライブハウスの空気に近いなあと思いました。
日々大変な事はあるけど、ここに来れば会える。また明日頑張れる。

PONさんのコメント

これを読んだ時「そう!!それ!!!」と思ってしまったし、そう感じていたのは私だけじゃ無かったんだなと安心もした。PONさん有難う御座います。
甲斐田くんの届けてくれるものって日常が多い気がする。音楽もそうだし、普段の配信やメン限の日記だったり…。だからこそ得られる安心感なんだなと思う。
甲斐田くんだけじゃなく、Vtuberさんやゲーム実況者さんなど、活動者みんなに共通するところだと思っているけれど、活動者って凄く親しみやすいなと思う。
確かにエンタメを届けてくれる人たちで、あくまで活動者とリスナーの関係ではあるけれど、いつも「リアル」を届けてくれるから日常感があって同じ今を生きているんだと感じることができる。
だから私、この界隈を好きになったんだなぁと思う。寂しくないから。

「才能が無いから何だ」のMVのラストは、今まで中心になっていた2人の周りにいた人たちに焦点が当てられてる。「みんながそれぞれの主人公」をちゃんと視覚化してくれている。
そして1番最後、甲斐田くんはこちらを見ている。画面を見ているリスナーと目を合わせてくれている。

そうか、私も、主人公か。

主人公って言葉、私にとっては少し重荷で、受け取るのに勇気がいる言葉でもある。
私は素直に頑張れない人間だし、怠けてしまう人間だから。でも、それでもいいのかなって思う時がある。

たとえ雨が降る日があっても
もし転んで倒れたって大丈夫だよ。良いよ。

「清風」より

転んだら倒れたら そのまま寝転んで
あとでまた追いつけばいいよ そんな日も大事にしよう

曲がり道も寄り道も 全部全部君のものだから

「Shiny Sunny Step」より

頑張れない日も、それでいいよって肯定してくれる。
「終点」でも、それでもいいんだよって言ってくれている。

それに、甲斐田くんはただ明るいだけじゃなくてちゃんと色んな挫折や悔しさを経験した上での前向きさだから説得力がある。

止まない雨なんて存在しなくても
雨が降る日々をきっと誰よりも知っていた

「月が綺麗だ。」より

「この明るさとか真っ直ぐな感じとか、人間が好きな感じとか無邪気なところ」
「これって別に生まれ持ってこうだったわけとかじゃなくて、この人なりに挫折とか、失敗とか後悔とか、そういうネガティブなことを受け止めて苦悩した結果、その中で研ぎ澄まされて残っていった、この人なりのアイデンティティというか」
「甲斐田晴が甲斐田晴であるための信念として頑張って人懐っこさとか無邪気さって残してるんだなぁって」

「堀江晶太と甲斐田晴で対談」堀江さんより

この言葉、凄く嬉しかった記憶がある。音楽制作していくうえで間近で甲斐田晴を見てきた方がこんなふうに言ってくれるの、本当に幸せなことなんじゃないか。

「ポジティブに理由があるべきだと思う」

「年長組恋愛相談室」より

長尾の「ポジティブは薄っぺらい気がする」に対して放ったこの言葉が大好きだ。
ポジティブを音楽にしている人が、薄っぺらいという考えに肯定を示せるだけでも私は驚いたのに、すぐ「理由があるべき」と言えてしまうの、本当に軸がある人だなと思う。

「甲斐田晴」について考えれば考えるほど、眩しさに灼かれる。
挫折して、苦しんできただろうに、悪意に晒されてきただろうに、人の闇も、世界の歪さも知っているのに、なんでこんなにも前向きで優しくて暖かいんだろう。
「人に寄り添える音楽」を届けるために全力で走り続けてくれる彼が、自分の音楽は自己満だと言ってしまえる彼が、好きだ。
私は彼の音楽を一種の彼の独白だと思っている。

「僕は自分が勝手に発信してるだけで、好きだったら受け取って聴いてよっていう瞬間もあるんだよね」
「オーディエンスが一瞬いなくなる」

「VΔLZ音楽談義」より

この言葉を聞いて、だから私は甲斐田晴の音楽が好きなんだなと思った。
少し話が逸れるが私はカンザキイオリという人が好きだ。彼の音楽を心底愛している。
彼の音楽に対して暗いイメージを持っている人が多いと思うし、実際明るいとは言えない。けれど全てを聴き終わった時「あぁ、生きてみようか」と思えてしまうのが彼の音楽だ。本当に不思議。だから好き。
そして、彼の音楽はカンザキイオリの独白だと私は解釈している。彼が伝えたいことを勝手に放出していて、こちらも勝手に受け取っているだけ。
甲斐田晴の音楽にも似たようなことを勝手に感じている。

彼の音楽は彼が勝手に放出しているものだから、何をどれだけどう受け取るかはこちらの勝手だ。
彼がよく「みんなが聴いてくれるから価値が生まれる」もこれに繋がるのだろう。

彼の独白は、こんなにも暖かいんだね。彼が勝手に放出しているものは「人に寄り添える」ものなんだ。
貴方みたいな人になりたかったよ。だけど、無理だから私は私の人生を歩んでいくよ。
貴方のようにはなれないから、貴方から沢山のものを受け取って、私は私なりに歩いて行くよ。
彼の音楽を聴くたび、そう思う。

なんだか凄く長くなってしまった。当初は3000字くらいで終わる予定だった。
私は普段からこうやって感じたことをひたすら並べていく。その度に「私ってこんなにもこの男が好きなんだ…」と実感させられる。
自分が思っている以上に甲斐田くんのことが好きなんだ。


普段から彼の綺麗な文章を読んでいる皆様にとって私の文はとても読みづらいものだったと思います。最後まで目を通して頂き有難う御座います。
最初にも述べましたがあくまで私個人の解釈です。
結局言いたいことは、甲斐田晴は最高の人間だし、彼の音楽は暖かいし、「才能が無いから何だ」が好きすぎるってことです。
またいつかこうやって放出するのもありかもしれませんね。1年に1回くらい。普段は鍵垢で閉じこもって叫んでいるので恥ずかしいですが。

どうか彼の歩く道に幸せが溢れていますように。それだけを願って私は私の人生を歩みながら彼を応援し続けます。
好きだな、ほんとうに。


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