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ミヨちゃんの不思議な日「童話、物語」

☆先日、平成25年12月に作った物語を見つけました。本日はそれをアップしたいと思います。少し手直しあり…。


ジャム作りの得意な女の子がいました。名前は「ミヨちゃん」です。小学校3年生のミヨちゃんは、学校から帰ってくると、ランドセルをおろし、すぐに着替えて今日も山へ野いちごを取りに行きました。

スーパーの袋を1枚手に持って、スキップ!スキップ!13分ほどしたら着きました。
いつもの野いちごは、まだまだたくさんありました。
1個取っては口に放り込み、そしてまた1個…。赤いツブツブのかわいい野いちごです。甘い香りが少しします。
夢中で野いちごを取っていたミヨちゃんでした。

どれくらい経ったのでしょう、目の前に赤いチョウチョが飛んできました。
そしてミヨちゃんの頭にとまった!ミヨちゃんは動けなくなってしまいました。そしてなんだか、とても幸せな気分になったのです。

ミヨちゃんは「ツイテル!ツイテル!」と小声で言いました…。
大声出して嬉しくて叫びたかったのですが、
大声なんて出せません。驚いて赤いチョウチョは逃げてっちゃうかも知れないからです。
瞬き一つできません。

「どうしよう…赤いチョウチョ、捕まえる?」と心の中でつぶやきました。
「でも、つぶしてしまうかも知れないし…」と、またまた心の中でつぶやきました。
じーっと、じーっとがまんしていたミヨちゃんでした…。

しばらくして…、やっぱり野イチゴを食べたくなりました。ミヨちゃんは、我慢出来ずにとうとう…、野イチゴを1個そしてまた1個と手に取りました。すると赤いチョウチョは、空高く飛んで行きました…。

「あぁー、チョウチョさん!また遊びに来てねーー!」とミヨちゃんはチョウチョに向かって大声で叫びました。するとチョウチョさん達は、ミヨちゃんに手を振る様に、軽やかに軽やかに、空高く飛んでゆきました…。

野イチゴを、いっぱい袋に詰め込んだミヨちゃんは、山をおります…。空はもう、少し夕焼け色…。里では白い煙ものぼっています。
お風呂を炊く煙です…。そろそろ夕ご飯の時間です。ミヨちゃんは、少し急ぎ足になりました。

イチゴの入った袋は、ブンブン揺れてます。
そしてミヨちゃんは、その袋をもっともっと振りました。「ブンブン〜それもっと〜!」と大声を張り上げて振りました…。
ミヨちゃんは、なんだか…なんだか…振ってみたく成ったのです。

「ただいまー!」と家に帰り着くと、「ハイ!これ、おかぁさんへプレゼント!」と言って、野イチゴのたっぷり入った袋を差し出しました…。
お母さんは、ニコニコしながら、その袋を覗き込みました…。

すると、その袋の中には赤いチョウチョが、
たくさんたくさん入っていました。
ヒラヒラの赤い羽を休めていました…。
お母さんは、とても驚きました!赤いチョウチョなんて初めて見たから…。
驚いたお母さんを見たミヨちゃんは、なになに、どうしたの?と一緒に袋を覗き込みました!

「あーーーー!」
「やっぱりーー!!」
「戻ってきてくれたのね!」
と嬉しくて飛び跳ねるミヨちゃんでした!

そしてそっと、ミヨちゃんは、チョウチョを頭の上に乗せました…。
赤いチョウチョは、またヒラヒラと飛んで行きました。空っぽに成った袋を、ミヨちゃんは、覗き込みました…。

あらあら不思議、袋の中には取ったばかりの野イチゴがギッシリと詰め込まれていました。

ミヨちゃんは、大喜び!
そして皆で野イチゴを食べました…。
甘酸っぱくて不思議な不思議な一日でした🌸


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