"伝説"で"待望"の初回講義記録 ~驚愕の講義内容が明らかに?!~
横浜国立大学都市社会××学科は、横浜国立大学都市科学部都市社会共生学科の成立過程を批判することを目的としてできた新設の学科。詳しくはこちら。
登場人物紹介
A君
……横浜国立大学都市科学部都市社会共生学科の学生。高校生の頃、「グローバル人材」になろうと志したが、最近はグローバルに活躍できる人材になることの価値を信じられなくなってきた。
都市社会××学科学科長(学科長の頭文字をとって、Gと表記)
……一年前に都市社会××学科を創設した人。グローバル人材にだけは死んでもなりたくない。実は、文理融合や共生社会の建設にマジメにいそしんでいた時期がかつてあった。
この記事の3つのポイント
①初回授業開催の3つの目的とは?
→室井テキストのマジメな勉強、都社破という存在の説明、盛り上がりの共有!!
②『文系学部解体』で提示される都社共設立の3つの問題点は?
→無理矢理押し付けられた競争原理、人文軽視で理工重視、大学のあるべき姿の崩壊!!
③都社破と室井尚の相違点は?
→立派で良い教育者という立場と、落ちこぼれで悪い学生という立場の違い!!
前置き
A:お久しぶりです。
G:お久しぶりです。A君、先週の土曜、6月18日の「"伝説"で"待望"の初回講義~都市社会共生学科と都市社会××学科~」、来てくれると思ってたのに、居なかったよね。
A:そんな恨みがましく言わないでよ。行こうと思っていたんですが、フツーに用事が入って行けなくなっちゃいました。
G:"伝説"で"待望"だったのに……。
A:G君にとってそうだっただけでしょ……。それで、初回授業はどんな様子だったんですか?
G:最初は20人弱くらい来てたよ。
A:そんなに来たんだ。
G:司会の学生と僕がそれぞれテキトーに事務的なことを喋った後、室井尚のブログを5分ほど黙読させて、それを僕が解説するという流れだったんだけど、黙読中に、5,6人は居なくなっちゃった(笑)
A:あらら……。
G:おふざけで来てみたら、何故か大学の授業みたいにテキストを読まされそうになって、慌てて退出したっていう感じなんじゃないかな。全く、「初回講義」って言ってるのに、××学科のことを何だと思っているんだ。
A:ふざけた団体に思われるのは、ふざけた宣伝しかしないG君に責任があるでしょ。
G:……。
A:それはともかく、授業はその後どんな感じで進んだんですか。
G:予定では、横国名誉教授かつ、うちの名誉新入生である室井尚君(67)のテキストを、適当な分量だけ切り抜いてみんなに5分くらい黙読してもらって、終わり次第僕がテキストの中身に出来るだけ忠実に解説する。で、受講生のみなさんに何か質問や意見があれば、できるだけそれを拾って、その場で僕含めたみんなで応えていく。そうして室井君のテキストをある程度読んだら、「都市社会××学科とは何か」と題して、僕が××学科の存在やその目的を、20分くらい、ここだけは一方的にまくしたてて、それが終わり次第自由に交流会。という流れを予定はしていた。
A:わりかし双方向的にやろうとしてたんですね。しかし、"予定"ということは……。
G:うん。案の定僕がいらんことまでペラペラペラペラ喋ってしまうものだから、時間が押しに押して、みんなにコメントを貰う時間は愚か、室井君のテキストを黙読してもらう時間すらも殆ど端折って、室井テキストの解説から××学科の説明まで、2時間半殆ど一人で喋りっぱなしになってしまった。
A:よくもまぁそんなに一人で喋れるな。
G:不毛な情熱なら、横国ではだれにも負けないから(`・ω・´)
A:それは自慢として成立してるのか……?それにしても、そんな一方的でよかったんですか?
G:2時間半こっちが喋って一区切りつけた後に、希望者だけ残って、フリーテーマで"熱く交流レボリューション"、要するに雑談会の時間を用意して、そこで参加してくれた人皆に思う存分喋ってもらったから大丈夫。その雑談会も、10人くらい参加してくれて、1時間くらい皆ほぼノンストップで喋ってて、結構盛り上がったよ。そこで双方向性は担保されたということで許してくれ。
A:へぇ~。良かったですね。当日の様子は取りあえず盛り上がったということが分かったのでその辺にして、そもそもこの"初回講義"、目的やねらいは何だったんですか?
初回授業開催の3つの目的
G:目的ねー。大雑把に言うと3つあるよ。
A:じゃあ1つずつ教えてよ。
G:うん。1つ目は至極マジメで真っ当な目的で、室井君のテキストをそれなりに愚直に誠実に読んで、都市社会共生学科の設立過程にある問題を共有することだよね。
A:室井さんは、再編を押し付けられる渦中で、色々な媒体でその一方的な押し付けを批判していたわけだもんね。
G:うん。それをマジメに読んで、人間文化課程から都市社会共生学科への再編成が、いかにクソったれな政治的要因で決定されてしまったのかを共有したかった。固有名詞は基本横国とか都社共のことしか出てこないけど、でも、大学全体にまつわる普遍的な問題だからね、横国生は勿論、横国じゃない人も来てくれたのはうれしかったよ。
A:なんだかすごいマジメですね。室井さんも、自分のテキストをそんな風に使ってくれる学生が出てきたなんて、喜びますよ。
G:うーん、別に室井君を喜ばすためにやってるんじゃないんだけどなぁ……。
A:そうなんですか?
G:うん。その辺が、目的の2つ目に関わってきます。ということで、初回授業開催の2つ目の目的、それはつまり、室井君と××学科の問題意識の違いを明らかにすることです。
A:室井さんと××学科の問題意識の違い?
G:室井君と我々がズブズブに癒着した関係、というか、どう考えても大学名誉教授でたくさん教え子もいるし本も出してる室井君の方が××学科なんかよりスゴイ偉くて権威があるわけで、要は、我々が退官した室井君の意思を継ぐ団体で、"横国室井派"みたいに思われていそうな気がしたんだよね。
A:××学科を室井さんが面白がって彼のfacebookやtwitterで好意的に言及していたことに変にハシャいで、勝手に名誉新入生呼ばわりしてすり寄ってたんだから、"横国室井派"と思われていたとしても、それはG君の責任だよね。
G:いやー、キレキレの批判ですね。名誉教授に面白がられて、「これは××学科の箔付けになるぞ!!」と、権威にすり寄ってハシャいでしまいました。反逆のパンクロッカー気取ってるけど、フツーに権威に弱いことがバレてしまったね。
A:うん。
G:まぁ、僕が悪いのはもう認めざるを得ないとして、それでも"横国室井派"みたいに誤解され過ぎると、各方面にとってあんま良くない気がしたんだよ。だから、初回授業で違いを強調したかった。
A:室井さんの何にそんなに批判的なんですか?
G:まぁ細かく言うと色々批判したい点はあるけど、ぶっちゃけ最も大きな違いは、立場の違いだよね。
A:「立場の違い」は批判するとかしないとかの話じゃなくない?批判したからといって、「立場の違い」が克服されるわけでもないしね。
G:うん。だから、批判したいというよりかは、単なる事実として、立場が違うということですね。片や67歳の名誉教授、片や学科長を自称する20歳の横国落ちこぼれ学生じゃ、年齢やら立場やらが余りにも違い過ぎる。そうなると、完全に同じ方向を向くことはどうしてもできないよ。
A:ただの「ポジショントーク」ってこと?
G:ま、ぶっちゃけそうです。しかし、たかが「ポジション」と侮れないほどに、立場の違いは大きな問題意識の違いを実際にもたらすこともある。
A:うーん、まだいまいちよくわからないな。
G:そりゃこんな簡単に話しただけでは分からないさ。で、そこで、初回授業開催の3つ目の目的です。
A:最後の目的ですね。
G:室井君のテキストを忠実に読んで都社共への再編成問題をマジメに共有して1つ目の目的を達成し、そこから更に、その室井君と××学科との違いを説明して2つ目の目的を達成する。この2つを、たかが2時間で遂行することは、どれだけ急いでも不可能です。だから、初回授業では、横国周りで色んな奴らがワチャワチャアツくなってる感じだけでも分かってもらえたらいいかなぁ、と思ってました。
A:要は、初回授業は、室井さんのテキストと都市社会××学科という存在のダイジェスト版というか体験版というかshortversionというか、とにかくそういう位置づけなんですね。みんなワチャワチャ勝手に盛り上がってるらしいぞ、ってことだけ分かってもらって、「続きは本編で!!」みたいな。
G:まさにそう。「都市社会共生学科」と「室井尚」と「都市社会××学科」の三者の絶妙な緊張関係によって、横国文系界隈は成立しているということだけ伝わればそれでいいよ。
A:「都市社会××学科」が一項を占めるのは過大評価だろ……。
G:まぁ、当初の予定を押しに押しに押しまくって、僕が2時間半一人で喋りまくっちゃうし、それに加えてその後の自由参加の雑談会でも、参加者がみんなわちゃわちゃ喋り始めて1時間くらい盛り上がったし、とにかくそういう予定にはおさまりきらないワチャワチャ感や白熱感は伝わったんじゃないかな。自ら勝手に立てた予定を勝手に守らないことによって、盛り上がりを演出できたということで。
A:そんな自作自演でいいのか……。とにかく、初回授業を開いた目的は、
①室井さんのテキストのマジメな読解
②××学科と室井さんの問題意識の違いの説明
③盛り上がっている感じを伝える
この3つってことですね。
G:うん。
A:それで、実際の授業内容はどんなことを喋ってたんですか?
G:じゃあ、目的の1つ目と2つ目に沿って、それぞれ話していこうか。
『文系学部解体』の学科長的要約
G:とりあえず、室井君のこのブログを読んでもらった。
G:その後、200ページくらいある『文系学部解体』から僕が抜粋しながらコメントを入れて、13ページにまで超圧縮した、題して『学科長特製!!超速習用テキスト!!』をテキストにした。
A:"超速習"って……。何だか、予備校の夏期講習の宣伝みたいな胡散臭さがありますよ。超速習しないで、じっくりやりなさいよ。
G:そんなこと言っても、2時間でやります!!って宣言しちゃったんだからしょうがないじゃん。『超速習用テキスト』は、テキストを作るのも結構大変だったんだぜ。
A:ハイハイ。
G:この初回授業は予め言ったように相当大雑把ですから、室井君の議論は、3つの類型に集約されると始めに宣言しちゃいました。「この3つの類型さえ分かれば、もう何も怖くない!!」みたいに……。
A:何なのその胡散臭い予備校ノリは。
G:その3つの類型がこれだ!!
a.大学の現場を分かっていない奴がゴリ押しする競争原理
b.人文系軽視、理工系重視の流れはクソ
c.真の大学/〈人文知〉を守れ
G:この3つが室井君の議論の骨子で、それを色々組み合わせたり、或いは具体例を出して捕捉したりしながら、室井君の議論は進むわけです。
A:へぇ~。
G:この3つの類型だけで語れないところは、ブログなり『文系学部解体』なりを、自分で目を通して確認する様に!!
A:結局参考書に丸投げするダメダメ予備校講師だ……。それはともかく、3つの類型ってのは、要約としてはすっきりしていていいですね。
G:うん。この3つの類型に従って、教育人間科学部人間文化課程から都市社会共生学科への再編成を表現すると、こうなります。
【類型a】現場を全く見ていない文科省の官僚が無理くり押し付けたものであり、
【類型b】人文的なものは社会の役に立たないのだから、"文理融合"とかそれっぽいタテマエを掲げておいて地域社会に貢献できそうな雰囲気を醸し出すことで、
【類型c】自由に物事を批判していくという大学の役目、或いは〈知〉の役目が軽視された結果起こってしまった事件。
A:なるほど。それにしても、自分の同僚も勤めている学科のはずなのに、よくこんな攻めた発言を室井さんはできますね。
G:こういう風に切り取ってしまうと、室井君が同僚のことをボロカスに言っている悪い人に勘違いされかねません。僕は同じ立場の学生のことも散々ボロカス言ってる悪い奴ですが、室井君は良い奴です。普段散々茶化している分、授業とは関係ないけど、あとがきのこういう部分も最低限のリスペクトとして引用しておきました。
G:各方面への配慮って奴ですね。
A:出来た人ですね、室井さん。
G:そうね。リスペクトを一応は示しておいたところで、『文系学部解体』の要約は終えます。そして、ここで「立場」について語られています。室井君も大学執行部も官僚もみんな違う「立場」であるように、××学科と室井君の「立場」も違います。今度はその辺に議論を移していきましょう。
名誉新入生vs学科長
A:実は、都市社会××学科のdiscordに流れてきた初回授業のレジュメに、目は通してました。
G:そうなの?じゃあ話が早いじゃん。今までバカ丁寧に説明してた俺の努力は何だったんだ。
A:レジュメの××学科と室井さんの立場の違いを説明しているところで、「教育としての反たこ焼き(=室井)/運動としての反たこ焼き(=都社破)」という怪文があったのですが、これはどういう意味ですか?
G:うーん、どこから言えばいいのかな……。
A:「反たこ焼き」が何なのかということから教えてください。何ですか、「反たこ焼き」って。たこ焼きよりもお好み焼きの方がおいしいだろ、みたいなことですか?
G:そんなわけないでしょ。「反たこ焼き主義」を説明するには、まず、室井君のこの文章の引用から始めましょう。
G:ここで室井君が言いたいことは、要するに「たこ焼きを焼くなバカ学生どもめ」ということですね。
A:えぇ……。別にたこ焼きを焼いてもいいだろ。好きに焼かせてやれよ。
G:いやいや、それはA君が間違っていると断言するよ。キャンパスでたこを焼くのは重罪だぜ。初回授業でも、「もしも、万が一、この中に、キャンパスでたこを焼いた人間がいたとすれば、横国名誉教授と都市社会××学科学科長のどちらからも叱られたということで、この機会に猛省して、これからは間違ってもキャンパスでたこを焼いてしまわないように気を付けてほしい」と、更正を促したんだ。
A:ヤバすぎる……。たこ焼きになんの恨みが……。
G:今、大学に入るということは、もはやたこを焼かざるを得ないということを意味します。何も考えず、たこを焼いて小金を稼いで、打ち上げで酒を飲んでコイバナするしかないんです。There is no alternativeです。たこ焼きリアリズムです。そんな状況への憎悪という点で、室井君と××学科は連帯できる。
A:性格の悪い連帯だ……。好きに飲ませてやれよ……。
G:とにかく、こうした「反たこ焼き主義」として、室井君と××学科は共通します。ですが、その細部は微妙に異なる。その細部の違いこそが、「良い教育者・室井尚」と、「落ちこぼれ学生・学科長」との「立場」の違い、一種のポジショントークなわけです。
A:どういうこと?
G:室井君の考えはこうです。
室井流反たこ焼き主義
①大学教育が崩壊してしまって、大学生を知的な人間として涵養することができなくなってしまった。
→②学生がバカになって、たこを焼くしか能が無くなってしまった。
→③大学教育を再興して、人間の涵養/育成を復活させたい。たこを焼かずに人文知を学び実践する学生を育てたい。
A:そうだね。室井さんの議論の類型abcからも自然に導かれる。特に疑問はないです。なんだか、僕の心にもたこを焼く学生への憎悪が湧いてきました。
G:うん、やっと気付いたか。それはさておき、××学科の立場を示しましょう。①と②は後述するとして、結論となる③だけ話しましょう。
××学科流反たこ焼き主義
→③タコを焼く間も惜しんで、崩壊していく大学教育と、戦うか、或いは逃げるか、何でもいいけどオルタナティブを模索しなければならない。
A:うーん。確かに室井さんとは違いますね。
G:この違いを言い換えれば、室井君は徹頭徹尾、"教育者"という立場でふるまう。だから"育成"とか"涵養"とか言い出しちゃうわけです。
A:うんうん。
G:一方、僕は違う。僕は、学科長なんて自称しているわけだけど、冷静に考えて、ただの横国で成績不良の一大学生に過ぎないわけです。
A:冷静に考えてるな……。
G:だから、人を"育成"とか"涵養"することはできない。そんな立場にはないわけです。
A:まぁ、そりゃそうですよね。いくら「育成してやる!!」と呼びかけたところで、室井さんとG君じゃ、説得力が違い過ぎます。
G:うん。だけどそれでも、僕は、たこを焼いているだけじゃ学生はダメだと思うし、何か他の道を呼びかけたい。「大学教育がゴミなら、なんでそれに気付こうとしないんだ!!抵抗しようとしないんだ!!」と、対等な立場、どころか下の立場から、無理矢理呼びかける。呼びかけに反応してアツくなってくれるような人と、抵抗の道を探したい。
A:室井さんは、学生にたこを焼くのを辞めさせるには、上から教育するしかない、育成するしかないと思ってる。一方G君は、横から、或いは下から呼びかけていくことしかできないけど、それでも誰かは、たこ焼きピックを放り出して、ゴミ化する教育への抵抗を始めてくれると信じているわけですね。
G:別に、本気でそう思えるほど、今のたこしか焼けなくなった学生を僕は信じてはいない。けど、立場上できるのは、それしかないんだ。
A:なるほど。どこまで良い人だとしても、結局名誉教授として"上から"啓蒙的にふるまわざるを得ない室井さんと、どれだけ他の学生を内心バカにしている悪い奴だとしても、結局滑稽な自称学科長として"下から"野蛮にふるまわざるを得ないG君との立場の違いということですね。確かにポジショントークには違いないけど、室井さんとG君の立場の違いというのは、実際に考えに大きな違いをもたらすんですね。
「育成する教育の崩壊」か「抵抗する運動の不在」か
G:これまでの説明を違う言葉で言い換えよう。室井君も僕も、学生がたこを焼くしかなくなった現状を問題視している。だけど、室井君は、キャンパスのタコ化の原因は、「育成する教育の崩壊」であるとして、そこを考えるべき問題として設定するわけ。
A:教育者ですもんね。
G:けど、僕は違う。横国で落ちこぼれちゃった僕としては、キャンパスをタコ化させたのは「抵抗する運動の不在」であり、それこそが真に設定されなければならない問題だと考える。
A:「育成する教育の崩壊」と「抵抗する運動の不在」……。
G:確かに、人間の育成や涵養が失敗して、バカになったからたこを焼くしかなくなったとも言える。しかし、抵抗する運動が不在だからこそ、ヒマすぎて、たこを焼くしかすることがなくなっている。そういう解釈も可能なんじゃないか。
A:うーん。
G:さっき、室井君の議論の「①大学教育が崩壊してしまって、大学生を知的な人間として涵養することができなくなってしまった。→②学生がバカになって、たこを焼くしか能が無くなってしまった。」に対してコメントをしなかった。しかし、ここまで説明した今なら、室井君とは異なる、都市社会××学科の議論の出発点を言うことが出来る。それを加えて改めて××学科流反たこ焼き主義を示すとこうなるんだ。
××学科流反たこ焼き主義
①抵抗する運動が抑圧されて、不可視化されてしまった
→②学生がバカ&ヒマになって、たこを焼くしかすることがなくなった。
→③タコを焼く間も惜しんで、崩壊していく大学教育と、戦うか、或いは逃げるか、何でもいいけどオルタナティブを模索しなければならない。
A:うーん。
G:室井君や他の研究者も言うように、確かに大学教育というのは崩壊しているらしい。しかし、それと同様の厳然たる歴史的事実として、"抵抗する運動"が、抑圧され、潰されていく過程がある。××学科としては、教育の崩壊それ自体よりもむしろ、抵抗の運動とその鎮圧、不可視化の過程にスポットを当てていきたいんだ。
A:「育成する運動の崩壊」ではなく「抵抗する運動の不在」こそが真の問題、か……。分かるようで分からないような……。
G:ま、とにかく、こんな感じのことを初回授業では喋ってました。
A:うーん。どうも駆け足過ぎて、いまいちピンとはこないところもありますね。特に最後の、都市社会××学科と室井さんの問題意識の違いのところは、なんだかG君がアツくなり過ぎて、置いてけぼりになっちゃう感じです。
G:まぁ、別にいいよ。本当はもっと丁寧に説明すべきことだしね。とにかく、都市社会××学科がアツいことは分かったでしょ。初回授業をやった目的の3つ目で言ったように、この記事自体も、そんな9000字ごときで全部を伝えることはできないので、ワチャワチャ盛り上がっているということだけが伝われば、それでいいよ(笑)
A:結局パッションのゴリ押しか……。そんな反知性的でいいのか……。
G:初回授業の内容を聞いて、××学科の意外とマジメな主張が何なのかが気になる君は、当学科に入学するしかない!!待ってます!!
(おわり)
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