主語をつけて考えること
『Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』という本で書かれている方法を実践してから、その効果を実感をしている。
方法は、自分のことについて考えるときに、主語(自分の名前)をつけるというものだ。
自分の名前が「あきら」で、例えば仕事で上司に叱られて嫌な気持ちになったとするなら、
「あきらは上司に叱責された件について腹を立てている。責任は自分だけではなく、その上司にもあると感じていたからだ」
これは、かなりかしこまった言い方になってしまったが、主語をつけることによって、自分が抱えている悩み、問題から少し距離を置くことが出来る。冷静に自分を見ることが出来る。
自分はこれを実践することで、自分の頭のなかの考えごとで混乱したり思い悩むことが少なくなった。自分は、自身の問題や悩みについて、あれこれ考える癖があるのだが、いくら同じ内容について考えても、解決はしないし、考えれば考えるほど憂鬱な気分を味わっていた。
それが、主語をつけて考えるだけで、自分の気持ちに「決着」をつけることが出来た。そのネガティブな感情が完全に消えるわけではないけれど、ずいぶんと楽になった。
そしてこの方法は、いろいろ応用できるのではないかと思う。
自分だけではなく他の人のことについて考えるときも、主語を強く意識するようにする。
他人について考えるときも、「〇〇(人の名前)は~」という視点を持つようにする。これは、仮説を立てて考えるときに非常に有効ではないか。
他人が考えていること、感じていることを推察するとき、または行動の動機、行動の予測をするときに役に立つ。
主語をつけると、自分とは切り離して考えられるので、相手を正確に理解することができる。主語があいまいになると、自分のことなのか、それとも相手のことなのかがあいまいになる。自分のことのように相手を見るようになってしまうと、相手を理解しているつもりが、とんでもない思い違いをすることにもつながる。
自分と相手の関係について考えるときは、それぞれ主語を使い分けて言語化するようにする。
複雑な内容になってくると、すべて頭のなかで完結させることが難しくなるので、紙に書くか、スマホやPCにメモするなどして言語化する。頭のなかの整理にも役立つはずだ。