お客様と揉めない、クレームは少ない、仕事を快適にする本質的な方法
このnoteは、クレーム、お客様とのトラブルについての私の体験や考察を書いています。有料記事ですが、最初の5000文字くらい無料です。具体的な実践部分が有料で、合計で19,000文字くらいになっています。
人と人の関係性のことなので、明日からすぐできるライフハック!みたいな感じではないです。文章は難しくないけれど抽象度の高い内容なので、読んだだけでは実践は難しいと感じるかもしれない。でも商売は長く続けるものだし、その意味でとても大事なことだとは思います。
また、日頃の人間関係も同じことが言えるので、本質的な守備範囲は広いと思います。
SNSを見ていると商売されている方で、お客様と揉めた、困ったお客様がいた、クレームが来た、でメンタルを病んでいる人、凹んでいる人、イライラしている人、多いと感じます。
私はおそらくクレームをもらうのはもともと少ない方ですが、20年もやればそれなりの数はあるし、たまにあるだけでも嫌な気分になったもんです。
家族旅行中などにクレームのメールが入った時とか、ほんとキツイ。長年商売をやっていると慣れてもくるのですが、気分が落ち込むのは完全になくなりはしない。どうにも嫌なものです。
言われのないクレームはもとより、こっちがミスをした場合でも「申し訳ない」と思って落ち込みますし。とにかく、がーん・・・しばらく浮上できなくなる。
車で駐禁の切符切られた時に近い、あの感じです。起こったことは仕方ないし、取り返しがつかない事でもないし、やることも決まっているからやるだけなのに、言葉を失い、どよんとした気持ちが続くあの感じ。
大昔の話になりますが開業届けを出してから3年後くらいの2005年、当店は2ちゃんねるで炎上を経験しております。炎上という言葉もあまり一般的でない時代で、あれは本当に大変でした。脅迫もバンバン来るし、個人情報を晒されるしで、怖い思いもしました。
あの経験で、商売をしているとこちらが悪い場合はもちろん、全く関係のないところから関係のない内容で攻撃が来る事もあるということも学びましたが、かといって長く商売をするのにずっとこれを甘んじて受け入れるだけ、というのも嫌だなと思ったので、ゼロにはできなくてもせめて最小限にするために何ができるのかについて、一時期深く考えたことがあります。
自分の商売を良くするためにコンサルや講座などを受ける人も多いけれど、私が学んで良かった事の一つが、何という名前になるのか忘れましたが、現役のお医者さんに習った「言葉の使い方から、その人の心理状態を深く読む」という内容の講座で、かなり続けて深く学びました。
これは、商売するにあたり極めて有効でした。お客様を怖がらなくて良くなるからです。目の前は怒ってるお客様、けれどその裏にある気持ちは「なるほど、本当の目的は自分の話を聞いて欲しいことであって、必ずしも弁済を求めていないんだな」とか「これは文句を言っているようで、別の悩み事があるんだな」だったりするのでこちらは落ち着いていられるし、どうすれば良いかも見えてくる。
それを身につけることで、お客様を怖いと思わなくなったし、数秘のセッションなどをしていた時は初対面でいろんな人と会いましたが、リラックスできて、どんな人生のドラマを生きている人が来るのかと、毎回ワクワクしました。
私の商売はとても良くなった気がします。
別のnoteのどこかで「とある幼稚園の園長にかかってくるクレームの電話、気がついたら旦那の浮気で悩んでいるという悩み相談に変わっていることがしょっちゅう」と書いたけれど、これもそういう潜在的なその人の深い部分を掘り起こすことになるってことだと思う。
言葉は深くておもしろい。
さて、当店は洋服の型紙のオンラインショップですが、お客様に発送する商品の入れ間違い、入れ忘れなどがあれば、当然問い合わせがきます。
その他、「まだ届かないです!」(HPにはお届けまでの日数が記載されている)や早とちりで仰る「普通◎◎のはずですよね!」(←間違えている)など、自分が思っていたことと違った場合に、お客様はその不満を店に言う、ということは起こり得ます。
当店で過去、一番衝撃だったのは「貴店の型紙を使って洋服を縫って洗濯したら、シワシワになったんですけど」だったかもしれない。
それ、型紙のせいじゃな‥‥‥いや、もしかして型紙を洗濯したのだろうか。
あと「運が悪くなるので、発送はあなたの家から西にある郵便局から出してください」(風水?)という念押し?や
割とあったのが、当店は型紙をデータで販売している(メールのリンクからダウンロードしてもらう)のですが「なかなか届きません。」などですね。
商品が届かないってストレスですから、大抵怒ってらっしゃいます。
洋裁の趣味は年齢層も高めで、機械に疎い女性の方も多く、データ販売自体に馴染みのない方もいらっしゃいますしね。
さて、商売をしていると自分のミスから、時には想像もつかないクレームがあるわけで、それは避けられないのですが、ここで私が言いたいのはお客様への不満ではないし、むしろ不満は人に話さないに越したことはない。
そういうお客様のことをさっさと忘れよう、でもありません。
ましてや「そういう人もいるよねー」と言って心で見切りをつけて、更にはブロックしたり、SNSに「こういうことがありました、私が悪いのでしょうか?」などと聞いてはいけません。絶対に。
なぜ?
商売って、人と人でできているもので、サービスや商品を買ってくれるお客様があって成立する。もちろんみんなわかってるそんな事。
でもモヤモヤした時、どこかで言わなきゃいられない気分になったりとか、ちょっとくらいなら平気かなとか、誰だって愚痴くらいあるよね、とか、そういう感じで、ちょっとSNSで言っちゃうことはあると思う。
あるいは嫌なことは、美味しいものでも食べて忘れちゃおう。
家族や友達も「そんな人もいるよ、嫌なことは忘れちゃうのが良いよ」って言うしね。
それのどこが駄目なんだろう。それは
お客様を味方につけることができなくなる行為だから。
では、あなたが、とりあえずクレームには謝ったものの、お客様の本当の気持ちや問題の本質に向き合わずに時間とともになかったことにしたり、SNSで愚痴を書き込んだりすると、具体的にどんな良くないことが起こるのでしょう。
まず、自己弁護したい人が文章を書く時は、愚痴るときだけでなく、普段お客様に送る文章や、インスタの発信や、告知などでも、文面は変えても同じような印象になる。無意識に自分を悪者にしないようにするからです。
愚痴くらい良いよねと思っている人は、ほかの場面でも「これくらい良いよね」が出る。
そして、嫌なことに向き合わず忘れるクセをつけると、人は成長しない。
人間だけでなくその店の成長もない。
起こったことが単なる偶然やアクシデントだと思っていると問題の根本は放置され、どこも改善されず、お客様の気持ちがわからないままずっと商売を続けることになる。
やっている事が直接お客様にバレていないとしても、見透かされる。
だって家族だって「こりゃ嘘ついてるな」ってわかる時があるじゃないですか。そういうのは透けて見えるって事なんです。
だから、割とバレると思った方がいいです。
行為がバレるんじゃなくて、性格がバレるんです。
影でお客様の悪口を言ってるお店から、物を買いたい人なんていない。
愚痴っぽい人、自己弁護が強い店主もお断りでしょう。
みんな、誰にお金を落とすかシビアです。
商品を売りたい人は、自分の性格を省みるの、大事。
営業妨害になるのでここでは店名を出せませんが、例えば、すごーく有名で人気のとあるお店のHP、一見優しく柔らかく、お店のイメージを損なわないように書かれているのですがよく読むと実に「自分可愛いが過ぎる」文章で、本当の意味ではお客様のためなんか考えてないんだろうなーというのが透けて見える。私はそういうお店の物はどんなに可愛くても美味しくても絶対に買わない。その代わり、誠実だと思うお店に自分のお金を回します。
みんな無意識に、そんな風に財布をコントロールしていると思う。
個人的にはそうでないと業界全体が良くならないと思っています。
買い物は選挙で、自分のお金も、清き一票のようなものだと。
でもそんな偉そうに言ってる当店は、別に完璧でもなくサービスも良いわけでもないんです。商品そのもののクオリティは保証するけれど、梱包も特にお洒落じゃないし、問い合わせ受け付けてないし、親切なお店でもないです。
そんな感じですし、優秀というわけでないのでミスもあるし、当然何か言われる時はあります。それが愚痴にもならないとも限らない。
人間だから愚痴のない人もいないでしょう。
じゃあその愚痴って、言っちゃいけないの?
私も、過去は店内で愚痴を共有することもあった。でもいまは、家族にもパートナーにも言わない。言わないでいられるようになったし言う必要もなくなったというのもあるけれど、一番大きな理由は、
お客様にとって、店に言う不満やクレームは、それもまたお客様にとっての「個人情報だ」ということが理解できたから。
人間って、例え自分が悪かったとしても、だからといって何を言われても仕方ないと納得しているわけでもないんですよね。
よく浮気した側のくせに逆ギレして「そっちも悪い」みたいに意味のわからない反論に出る人の話があるけれど、あれはバツが悪いのもあるけれど、悪いことをしたからと言って、人間は攻撃されるのはそれはそれで嫌だし、受け入れられない。だから逆ギレするだけ。
特定の人に限らず、全ての人間にこういう気持ち、少なからずあると思う。
正論だからその時はとりあえず受け入れたとしても、心は納得していないから結局いつか爆発するか、病んでしまう、というのも含めて。
だとすると、お客様の立場からしたら誰かに文句を言った話なんて、まぁできれば他言しないでほしいと思いますよね。
私は、自分もそれが誰だったのか思い出せないくらいに時間が経ってから「店に起こった事実」として、店を良くしていくための材料として、その事案を取り上げることはあるけれど、まだ感情が乗っている状況で他言するのは自らの意思でやめました。
未熟な私が当時その愚痴をどうしたのか、どうして言わないで済むようになったのかは本文でも書きますが、私はもともと、偉そうなことを言えるだけの性格ではなく、何かに長けてもいない。
ただ、できが悪い分、商売をしていく上で、嫌なお客様に出会ったら、お客様と揉めたら、それは全てその後につなげる肥やしにしてきました。自分がクレームを言われるのが嫌だからだからこそ根本から解決しようとしてたけれど、結果的にクレームの少ない店にできればそれに越したことはないわけで。
事実として当店、クレームは少ないと思います。
良いお店だと思ってもらえなくて去って行った人が多い可能性もありますがその辺は見えないですし、幸いお店も継続できていることですし。わたしの能力的にはそれで充分過ぎるほどです。
もちろん人間は、お客様の気持ちどころか、そもそも家族の気持ちだってわかりっこない。人間なんてみんな考えていること感じていることそれぞれだ。だからなのか商売する人の多くが、とりわけ個人の作家さんなどが、お客様とはいえあまりよく知らない人のことは、商売上にいても「わかろうとしなくても良い」と考えてしまうんですよね。
もちろん心のどこかで、です。
あるいは、わかりたいけど無理だよね、しょうがないよね、いろんな人がいるし、ということなのかもかもしれない。
自分はできる限り尽くしてもクレームはくるし、それは偶然であり、運が悪いことで、嫌だけど避けられないと思っている人が多いように思います。
もちろん「そうきたか!」という、自分が常識だと思っていた範囲を大いに超えるほど困った、驚きのクレームはあります。
あるいは型紙が出るたび即座に購入してくれる方がいて、いつもまず「内容に間違いがないか」チェックして、何か問題があるとすぐ連絡をしてくれる人もいました。これはお客様の方でも自覚されていたと思うのですが、めちゃくちゃありがたかった。そっちの方面での驚愕もあります。
私たちももちろん商品チェックはします。
しかし、型紙という、とにかく細かくてパーツの多い情報量の多い商品を、作った本人たちがそのミスをチェックするにも限界があり、もちろん、よし!となってから販売するのですが、やはりヒューマンエラーが起こりやすい分野だとは思う。それをいち早くお知らせくださるお客様の存在はこちらもすぐに修正ができて、甘えていたと思いますが、本当に助かりました。
まぁそんな「ご指摘」メールもあります。
本当に、いろんな方がいる。
ニーズなども含め、お客様がどんな事で喜ぶのか、怒るのか、その時その瞬間、何を言いたいのか、どんな感情なのか、それをすべて店側で理解することは難しい。
人間っていうのはそもそも固定された存在ではなく、みんな自分の期待値で動いていて、期待通りじゃなかった「時」に不満が出る。もともと怒りっぽいとか、なんでも減点方式の性格の人もいるにはいるけれど、人間は誰でも不満を持つ「時」がある。そしてその不満は、何か起こった時に、どこかにぶつけたくなる。
買い物に関することならそれは当然「店」になる。
じゃあ、お店は、それをどうしたらいい?
どうしたらその場を一番スムーズにおさめられて、より良いお店にしていける?
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