『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編』12.5巻の感想
こんにちは!2024年11月25日発売の『ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編』12.5巻読みました!
本シリーズの読後感は他の作品とはまた違った高揚感があって、本作も最後に頭をハンマーで殴られたような衝撃があり、何だかぼーっとしています。そんな興奮状態のまま感想を書いていきます。内容は12巻までに明確になっていることに留め、なるべく、ネタバレしない方向で頑張ります。(チラ見せぐらいで収まっていると思いたい。)
こちら公式のあらすじ紹介文ですが、読後に読むと、様々なキャラクターのあちこちのセリフを使っていることがわかり、興味深いです!
さて12.5巻の時間軸は2年生最後の学年末特別試験直後から春休みに入り、そして、3年生の新学期1日目まで。
波乱の学年末特別試験を終え、教室に戻った3人の代表者と茶柱先生が他生徒へ情報共有するところから始まる、親切仕様でした。一之瀬クラスに勝利し、Aクラスへ昇格したものの退学者を出してしまった堀北クラスですから、様々な意見がありましたね。(内容は割愛)
そして今までずっと綾小路が語って来た、クラス移動、軽井沢恵との決別、一之瀬帆波とした1年後に会う約束について、完全決着しました。他にも前巻を読んだあとに、ワタシが懸念事項として挙げていたことは全て触れられていて、何等かの進展や結論がありました。以下の記事の最後に書いた部分です。
◇前巻(12巻)を読み終えた時点での懸念事項
坂柳ちゃんと龍園くんの退学問題の決着は?試験は龍園クラス勝利だが、どちらも負けを認めている。
1年生の最後に一之瀬帆波と清隆の二人で会う約束をしていたが、今回の清隆の暴挙の後、二人の約束はどうなるか?
軽井沢恵とのお別れに向けた動きの結末
橋本くんの裏切り(龍園クラスへの寝返り)問題
綾小路清隆がずっと匂わせてきたクラス移動について
お父さんが来校する三者面談
堀北クラスの退学者について、綾小路くんは責められる?
綾小路清隆は、これらすべてを春休みの間に整理整頓して、名言していた目的「4つのクラスの均衡を保ったまま、3年生に進級する」に向けて、綿密な策をもって突き進みました!
では、この後本編にもう少し深く触れていきます。
絶妙なミスリードに隠された移動先クラス
今回のトピックの中でも一番気になるのは綾小路清隆がどのクラスに移動するのか?ですが、本当に衣笠先生の筆力恐るべしですよ。あとから読み返せば、なるほど、そういうことか。と思えるのですが、最後の最後まで絶妙に隠してあって、ワタシは完全に騙された側の人間です。思わず「ぎょえぇぇ~」って叫んでしまい、長女に白い目で見られましたから。。これから読む方は是非楽しんでください。
時間軸通りに進まないストーリー!
よくあることではあるのですが、お話が時間軸通りに描かれていません。クラス移動についても、え?ここでこんな風に宣言してしまって大丈夫?と思ったものの、実際には、あの出来事のあとなので、OK!みたいに、すべてが繋がってはいるのですが‥‥‥。時折でてくる日付と時間で時系列を整理してみれば、3月30日、31日、4月1日の綾小路の行動と言動に納得がいきました。読者としては読み進めるうちに、思考が上書きされていくので、結果的にお話のミスリードにもつながっています。もし時間軸通りに描かれていたらまったく印象が違っただろうなと思い、驚愕しました。
まぁ、ターニングポイントはあの日ですね。綾小路さん、朝から晩まで充実していたご様子。お疲れさまでした。
ヒロインキャラクターの配置換え
以前にも書いたとおり、自分の目的を達成するために、学年問わずリーダー的な人たちと表や裏で交流を持ち、自身の能力をちら見せしつつ、有効なアドバイスをして信頼関係を築いたり、女心を手玉に取ったり、暴力や策略でもって出鼻をへし折って成長を促したりと飴と鞭を使い分けて暗躍しまくっている、綾小路清隆ですが、本巻では、各ヒロインとの位置関係がずいぶんと様変わりしました。
◇軽井沢恵
彼女との決別シーンでは意外な感情を見せてくれた清隆でしたが、目的の為にはブレない男。恵ちゃんも最後まで気丈に振る舞って偉かった。
◇一之瀬帆波
約束の日に清隆が用意していた複数のプラン。結果起こったことは多くを語りませんし、正直受け入れがたい部分もありますが、清隆にとっては一番望んでいた所へ落ち着いた感じでしょうか。結果ワタシ意外はWinWinなんだと思います。
◇坂柳有栖
有栖派のワタシ。退学が覆る淡い期待もしてましたが、そんなことはなく。なぜ清隆が龍園を選んだのかもはっきりしたし、「さよならは別れの言葉じゃなくて再び逢うまでの 遠い約束」ってやつ(古っ)です。
◇堀北鈴音
クラスが変わりますから。関係も変わります。彼女の中にうまれた変化が今後どう転がるかが楽しみです。堀北正ヒロイン説はまだ生きていますか?
◇椎名ひより
表紙を飾ってくれてありがとう!
相変わらずの癒やしキャラ枠。清隆への少々の恋心も前からありそうだし、ポジション的にはさほど変わらないでいて欲しい子です。
今更ながら本作、ハーレムものでしたね。みんな清隆のこと好きすぎるでしょう。困った困った。清隆にとっては手駒でしかない娘たち。お可哀想に。
謎のイケオジ3人衆登場
口絵のイケオジたちはいったいどなた??触れずにはいられません。これは新しい境地か?未来への布石なんでしょうか?もちろん、その中の一人は三者面談に来た綾小路父なのですが。とても優しいお父様でしたね。この親にしてこの子あり。ということでしょう。大人同士の煽り合いの結果、見事な賭けが成立!こちらも今後、何らかの影響があるかもしれませんね
石崎がいい奴だ!
最後に、言いたいことはこれです。ドロドロが渦巻いていた本巻の中で、明るく屈託ない石崎の行動が最高に輝いていました!ありがとう。あなただけはそのままでいてください。
最後に
春休みを終え、綾小路清隆の腹黒さに磨きがかかりました。それも、かなりエグい方向にきましたね。自分の目的を他者に語るようになったのも大きな進化。目的の為には自分の気持ちすら顧みないし、身も心体も提供する男!春休みにやれることはやって、ひとまず目的は果たしたのかな。個人的には、これからも活躍する姿を期待はしているけど、応援はしたくない。みたいな感情になりましたね。それでも?だからこそ?3年生編が楽しみではあります!次巻は1月に続報があるそうなので、正座待機!
以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
おまけの懸念事項(これ以降はネタバレ??)
綾小路清隆がクラス替えしたことに対する堀北クラスの反応はいかに?特に、茶柱先生大丈夫かな?
星之宮先生の「ジョーカーがこちら側の手札に加わったら」発言の意図はなんだったのか?
一之瀬ちゃんの今後のプラン、証明とは?
一之瀬と清隆の間の契約なるものは具体的に?
龍園くんのために有栖ちゃんが作るといった綾小路の弱点とは?また今度お会いしましょうの意味は?
Nさんからのラブレター(卒業後まで塩漬けかな?)大きな布石のはず。回収されるのを楽しみに待ちます。
坂柳ちゃんとの再会はいつぞや?(これも卒業後への布石かな?)