Mr.Children Atomic Heartとシーラカンス
前置き
この記事はどこかのマヌケなオッサンの昔話と下のリンクのMr.Childrenのアルバムmiss youの感想から始まり過去に遡ってAtomic Heartをもう一度聴いてみた感想とで構成されています。
人によっては衝撃的な内容で不快感を感じるかもしれないので予めご了承ください。
何の話か理解せずに気になって見る人がいるのか分かりませんが、もし見るなら下のリンクの優しい驚きの案内から見た方が良いかもしれないです。
出来る事なら深海の底まで行きたかったのですが断念してます。
昔話①当時の日本
Atomic Heartといえばこの曲innocent worldですね。
innocent worldが発売されたのは1994年6月1日です。
まずそれより前の今から30年以上前の昔話をしないといけないんです。
まだ日本にLGBTなんて言葉を聞いた事も見た事も無かった。いえ、世界でもなかった時代の話です。検索すると『公的な文書で初めて使われたのは2006年の「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人権について のモントリオール宣言」である。』と出て来るのでそうなのでしょう。
現在でも未だに理解が日本で進んでいるとも、ちょっと前より後退してるんじゃないかとも思える状況ですが。
あえて言いますが、まだその頃の日本は「おかま」や「おなべ」と言った差別用語が普通に日常で使われていました。ちょっと前なら「コマネチ」とかビートたけしが今ならセクハラその物のギャグをTVで披露して笑いを取っていました。私もそんな言葉を聞いて育った世代です。バラエティー番組で女性の胸を映してエロオヤジの機嫌を取り、まだ青い少年の私をドキドキさせる。TVタックルで田嶋陽子と舛添要一がバトルをして盛り上がっていた。おすぎとピーコが「おかまで何が悪いの?」と言ってたような?DVDも無いし、PHSすら無いし、Windows95も無い一般家庭にインターネットなんて無かったです。まだバブルの残り香がするそんな時代です。
男女雇用機会均等法も施行が1986年ですから、まだまだ高度成長期の『男は仕事、女は家庭』の観念が強く残っていました。1990年頃には私も学校の授業で「将来結婚したら男が働くか共働きにするか挙手しろ」なんて事を先生がしていました。私は一人だけ「その他」に手を上げて、結婚する当人同士が話し合って決める事であって、今ここで決めるのはおかしいと言って先生を困らせましたが。
そんな時代にTVCMで流れる
その爽やかなイメージと歌声には日本中が酔いしれました。
学校から帰ったらブラウン管テレビに映るワイドショーでinnocent worldの歌詞の説明をタレントだったか?のオバチャン(今は私がどこかのオッサン)がしていて
の歌詞が「日常を唄っていて良いんです。あと何と言ってもボーカルの桜井氏の顔と声が良い。天は二物を与えた。」なんて言ってた朧気な記憶があります。
昔話②LGBTの歴史
6月がプライド月間だの虹がLGBTQ+のシンボルだなんて知識は一般人は誰も知らなかったと思います。だって東京でレインボーパレードが初めて行われたのが1994年の8月28日なんですもの。Atomic Heartの発売は9月1日です。
ではその前の80年代に世界、アメリカで何が起きていたのか?北丸雄二さんが詳しいので時間があったら見て欲しいです。が見なくても良いです。
改めて動画を見ると優しい驚きの案内に書いた記憶と違っていて「自分の記憶なんて当てにならない」とこれだけでなくこの記事の後のほうでも思う事になります。
要点を書くと50年代に戦争により黒人と女性の人権運動がおこり確立されていき現在まで運動は続いてます。
1969年6月28日にNYで「ストーンウォールの反乱」という歴史的な出来事が起こります。これに端を発する一連の「権力によるLGBTQ当事者らの迫害に立ち向かう抵抗運動」が始まります。それを記念して6月がプライド月間になります。
その後、1981年から感染症のAIDSが広がります。当初それが男性の同性愛者の人達の間で広がったと思われて人類皆が恐怖する事になります。ちょっと前のコロナ(covid-19)と同じ状況ですね。感染を防いだり病気の研究の為にゲイの人はカミングアウトをしなければいけない状況になる訳です。(現在のエムポックスもその気配がありそうですが、それはまた別の話。ここでするべきではない。)
日本では深田恭子が出演しAIDS(HIV)を扱ったドラマ「神様、もう少しだけ」が1998年7月ですから1993,4年の日本ではAIDSの理解なんて良く分からないけど怖い、不特定多数の人と性交渉するとかかる不治の病くらいの理解だった気がします。
1981年から1989年までアメリカ大統領だったロナルド・レーガンは大統領になる前は俳優でした。レーガンは共和党なので宗教色が強く、支持基盤のキリスト教からすれば同性愛者は"異常"で断罪されるべき対象だった。でも俳優仲間で誰よりも男前だった人もゲイとカミングアウトしてAIDSで亡くなるんですね。そんな風にして同性愛者の人は結構身近にいるんじゃないかって事になる訳です。多くの人がカミングアウトする事でLGBTの人の理解が進み人権として確立していくんですね。
と言っても2000年代に私が渡米して片田舎に行った時に観光で銃でも撃たないかと誘ってくれた人に「私は平和主義者だから銃は触りたくない」とは言わずに断った時には「お前はゲイか?」って言われるくらいには差別と偏見は残ってましたが。
日本では多くの人がカミングアウトするなんて事は当時は起きなかったんです。私が知らないだけかもしれませんが。日本人特有の良く言えば和を以て貴しとなす、奥ゆかしい気質、悪く言えば事なかれ主義が現在まで続いています。(いえ、ホモソーシャルで男色な風俗が元々日本にはあったのでしょう?多分其の事は現代の乙女の方が詳しいのではないでしょうか?ですが確実にオタクによるBL、百合文化として花開いているので、まぁ良いんじゃないか?って気も個人的にはします。)
この国、日本の根幹に家父長制と家制度があるので難しい問題なのも分かりますが。難しいと言って逃げて良い問題でもないって事も分かります。
テレビドラマ 同窓会
そんな時代の1993年10月に日本テレビで同窓会ってドラマが始まります。当時私は見てなかったです。普通に寝てましたね。夜10時からですからお子様は寝る時間です。オープニングの主題歌はMr.ChildrenのCROSS ROADです。できればリンク先のWikipediaをさらっとあらすじだけでも読んでください。気になる方はどうにかして実際にドラマを見る事をお勧めします。
この記事ではドラマのネタバレもしないといけなくなるので自分でドラマを見たい人はこの記事を読むのはここまでで止めておいた方が良いかもしれないです。
一応あらすじを引用しておきます。
概要としては同窓会に集まった27歳の恋愛劇のドラマです。同性愛やバイセクシャルを描いたのはプライムタイムの連続ドラマとしては初めての事でした。同性愛を通して「愛」について考えさせる、今見ても面白いです。現在とは価値観が違いますが。
特に性加害問題でジャニーズ事務所が無くなった今年2023年に、Wikipediaの下の方にあるリンクの脚本の井沢満氏のブログは興味を誘うと思います。
ドラマを見ているとMr.Childrenの音楽に耳を傾けていた人なら気付くであろう事があります。所々どこかで聞いたようなセリフが出てくるんです。全く同じではないですが意味としては聞いた事があるっていう。
実際は逆でこのドラマの影響を受けてAtomic Heartと深海は作られたと推察できます。
もしかしたらと思ってAtomic Heartの前のKIND OF LOVE、versusも聴いてみましたが同性愛を強く匂わせる歌詞は私には確認できませんでした。どちらも1曲目の虹の彼方へとAnother Mindから微かに感じられますが…。断言はできないですね。そう思いたい人にはそう思えるって程度の気がします。あえて言えば
罪な恋くらいでしょうか?
12/28再考しました
感想前置き
なぜこんな話をしているかというとmiss youの衝撃を受け同窓会を見た私がAtomic Heartの感想を語る上で絶対に必要な話だからです。
今回記事を書くにあたってgoogleで検索しても当時の事を語っている物には不幸にも私は出合わなかった。特に昔どこかネットの片隅で見た「深海」がゲイの人達から称賛されていたなんて事は今回の事がなければ私も記憶の底から思い出す事なんて無かったです。当時はそんな感想を見てもそういう解釈もあるのかな?くらいだった。もしかしたら懐かしのiモードの時には書いたブログやサイトがあったかもしれない。そう考えるとネットには記憶装置としての機能はあまり無いのかもしれないですね。当時を知っている人は当然みんな知っている物として語らずネットにも疎いままって事もありそうです。
何をしたいかと言うと男女の境を可能な限り無くしてアルバムを聴いてみるという事です。登場人物がバイセクシャルやゲイになった気になってです。その説明にはドラマ同窓会がどうしても必要になります。
1.printing
Cross Roadの
のticketがここで印刷されて手にします。
2.Dance Dance Dance
前述したように日本におけるゲイやレズビアンの人達の人権状況は世界の先進国から比べるとかなり遅れていました。いえ、2023年の今も。
当時の感想としては鬱屈とした少年の私には同じような思いもしている人もいるんだと共感してたような…。このまま当時の感想も並列して書いた方が良いのかもしれないですが混乱するので今の所はここだけにしておきます。
この時代はマニュアル本って流行ってたらしいです。(私は実際に読んだ事は無いので伝聞形式でしか言えない)デートではここに行け。この服を着ろ。こう口説け。果てはこうSEXしろ。みたいな。そんなマニュアルで上手くいくなら誰も苦労はしないって事なんですけど。異性愛者のマニュアル本は満ち足りていても同性愛者の人にとってのマニュアルなんて無かったはずなのでモガクしかないんです。
鼓動が止まっても気にしないよ は
「I MISS YOU」のLGBTQ+の自殺念慮を彷彿とさせます。
桜井氏もThanksgiving 25で語っていますがノストラダムスの大予言があって本当に世界が滅亡するんじゃないかって、そんな恐怖みたいな希望みたいな雰囲気がありました。ベルリンの壁が壊れて冷戦が終結したのが1989年、ソビエト連邦が崩壊したのが1991年ですからまだその余波も続いていました。いえ、当時も今もいつ核戦争が起きても不思議じゃないですが。
3.ラブコネクション
求愛の歌ですね。
これが女性ではなくSexyな所謂男性を見ての感想の詩とも取れると当時の私からは想像できない位の変換です。
Fifty'smapで
と唄ってましたね。恋愛における自由って何でしょう?SEXにおける自由って?そんな事を考えさせられます。
5.クラスメイト
Innocent Worldは記事の構成上後回しになります。
不倫の詩だと思われている曲ですね。
私の感想はちょっと違ってたんですけど三角関係なのは間違いないですね。
ドラマ同窓会の影響がここから、いいえ、実はDance Dance Danceから出てきてます。説明の為に役名を出します。あらすじにあった通りに同窓会ですから元クラスメイトだったりするわけです。
七月は康介と付き合ってたんです。風馬は康介が好きだった。康介とは男性同士の結ばれない恋ですから代替えとして七月と結婚しようとするんです。プロポーズをして交際し始めるんですけど性交渉はしないまま風馬は七月に対しても恋や愛を感じるんですね。七月の先に康介の面影を感じながら愛するんです。
康介に親友の風馬との結婚の約束を祝福された七月は煮え切らない康介への思いを断ち切れないまま風馬と結婚する事になります。
この曲クラスメイトの一番はその頃の七月と結婚するまでの風馬から見た視点の詩です。そう思えるんです。もちろんドラマと細部は違いますし、そもそもドラマでは結婚を決めた夜から結婚式までは描かれていません。
風馬は女性相手では勃起しないんです。悩める事情がそれです。
笑顔が沈んじゃってるのは七月だけじゃなくて風馬もなんですよ。多分。
この時代は女性は25歳過ぎるとクリスマスの売れ残りのケーキなんて言われて退職するよう催促される酷い扱いを受けていました。ドラマでは唯子がそんな扱いを受けていました。七月は結婚してもそのまま仕事を続けています。
風馬は実家暮らしなのでこれもドラマとは違います。最後の方は唯子と付き合ってる時の康介目線の詩に思えます。
感想と言うよりはドラマとのリンク具合の説明になってしまっていますが元々Atomic Heartの中では1,2を争うくらい好きな曲だったので設定が明かされても今更感想を更新できないです。
6.Cross Road
この曲はドラマの第一話の台本を見て作った曲との事なのでドラマとは必要以上にリンクはしていません。
一応言っておくとタイトルのCross Roadは岐路、交差点や交わる人生を表してますけど、十字路って意味もあります。この記事のどこかで聴く事になります。
ただ歌詞に無い叫びのOh Yesは外国の男の喘ぎ声を元にシテマスヨネ。
それでも良い曲なのは間違いないんです。
この曲も感想を更新する事は無いです。
7.ジェラシー
ドラマでは常識では考えられない夜が描かれています。
風馬が同性愛者である事を受け入れた七月は風馬の交際相手の嵐《あらし》を夫婦の寝室に入れる事を許します。
七月の見ている前で風馬と嵐は見つめ合い愛を囁き情事を始めるんです。
過去に七月は風馬が同性愛者だと知った時に自暴自棄になりお金を払い一度だけ嵐に抱かれています。
七月は風馬を愛しています。
風馬の抑えきれない男性への欲望をかつて自身が一度だけ過ちを犯した相手の嵐相手に発散させる事を七月は許します。
それでいて愛ゆえに嫉妬するんです。
実際にドラマでは月明りの下で情事が始まるんですけど七月って名前もかかってるんです。
魔性の恋を説明する必要はもう無いと思うんですけど。母性の海が何を示しているかというと、このシーンの前に七月は風馬の前で嵐も愛していると告げるんですね。(正直この感情は私には理解できませんでした。)
また七月は海で母親に無理心中未遂をされた過去があります。その為に母の愛がわからず、誰からも愛されず、孤独で寂しがりやなんです。それ故に自身が愛する事で愛されていると感じるみたいです。それを母性と呼んでいるのでしょう。(正直ドラマを見てもらった方が理解できるとは思います。)海に関してはアルバム深海にもイメージを引き摺ります。
9.Rain
Asia(エイジア)も記事の構成上後回しにします。
雨の音。Innocent Worldのジャケットで雨に打たれている桜井氏が思い浮かびます。
10.雨のち晴れ
つぎはぎの歌詞です。どういう事かと言うとドラマの登場人物の設定が盛り沢山で構成されています。
基本的には最終回の一時の康介の設定で実際にはドラマでは描かれていませんが、それを元に詩が書かれています。
この歌詞がInnocent worldに掛かっています。
11.Round About ~孤独の肖像~
この曲で唄われている人物像はゲイバーに屯している人達も入っているとは思うんですけど、ちのっていうあらすじには書かれていない女性がいるんです。性に奔放で誰とでも迫られれば関係を持ってしまう女性です。
12.Over
ドラマでは康介の3つの別れが描かれています。一つは七月との別れ。二つ目は唯子との別れ。
最後はあらすじには書かれていない可愛い女の子との別れです。女の子と書きましたが演じているのは国分太一氏です。名前は潮《うしお》と言います。ラブコネクションに出て来るメロドラマに涙流してる可憐な君です。
七月と別れる時も潮と別れる時も康介は不器用で情けない男なんです。
潮は体は男性なので胸が小さいのも当然で、女声で話そうとするから少し鼻にかかるんです。
七月を演じる斉藤由貴+おっぱいで検索なんてしてませんよ…(見え透いた嘘)。
七月は前述の通りに心に深い傷を負った女性で康介から見ると非常にメンドクサイ女性です。束縛が強く毎晩電話かけてくるような。自分でも異常と自覚しているくらいに。
潮はドラマの中でどの登場人物よりも家庭的な人物として描かれています。
君を形成る全ての要素を がドラマを見た人には凄い脱力感を感じる歌詞になってます。これに関しては説明しません。
4.Innocent World
この歌詞は風馬の詩ともとれますが、
基本的には康介目線の最終回のある結婚式前の詩です。
Overの潮との別れの時期と重なります。
康介はつい軽はずみな言ってはいけない事を言って潮を失います。
別れた後も康介は結婚を諦められずにいます。
・・・。風馬がこの歌詞と同じ意味のセリフを語り康介への愛を独り告白します・・・。それを七月が聞いてしまいます。
日陰を歩いているような性的マイノリティの人々を憂いていると共に、もう一つの意味として結婚式を挙げる教会への坂道を表しています。
今ならCDジャケットで雨に打たれている桜井氏が差別されている性的マイノリティを表現していると理解できますし、6月がプライド月間だとも分かります。虹がレインボーフラッグを表している事も。CD発売時にレインボーパレードが一度も開催されていなかった日本でこれを瞬時に理解できた人がいたのかは私にはわかりません。
ここまで書く間に私はdeja-vuに襲われました。何処かでこの事を誰かに教わらなかったか?自分で過去に発見しなかったか?いや、皆知ってる事だろ?確かな事は分からない位に時が経ちました。30年はそれ程長い長い月日です。
最終回では神父さんが「HAPPY WEDDING」と言います。
下のリンクはつい先日のNHKのニュースです。
ローマ教皇庁 “同性カップルを祝福できる” 新たな見解を発表
一歩ずつ前進しているとはいえ、まだ世界も日本もInnocent worldにはなっていないようです。
結婚の自由を唄ったInnocent worldのメロディーは今日も誰かの、そして私の胸に流れています。
8.Asia(エイジア)
この曲はレインボープライドがASIAで始まる事を唄った狼煙だったんです。実際にこの記事の下で扱っているAAAで活動がアジアに広まっていっているようです。
Atomic Heart全体感想
これを読んでいる人に勘違いしないで欲しいのは決してAtomic Heartの曲を貶したいとか、個人個人それぞれの記憶や経験を否定したいわけじゃないんです。私も自身のどんなに卑屈で陰鬱な青春でも否定したく無いです。ただ別の見方も出来るってだけです。
ここまで書いてきた通りにどう考えてもAtomic Heartは一般の恋愛を唄ったように思えてもドラマ同窓会を元にし性的マイノリティの人(特にゲイの人)を応援したアルバムです。
同窓会の平均視聴率は17%、Atomic Heartが340万枚。性的マイノリティに当たる人が推定で11人に1人、その内男性側に属すると思われるのは半分として22人に1人つまり多くても5%です。
CMでInnocent worldのサビを一度も聞いた事が無い人は体感ですが0人。当時の日本の人口は今とあまり変わらず1億2千万人。
単純計算ですが340万枚のうち同窓会を見てた人は340万×0.17で57.8万人、その内の性的マイノリティ当事者は57.8万×0.05で約3万人。しかも30年近く経ってますから亡くなっている人もいます。まして隠れるのが上手にマジョリティがさせてしまっている人達です。
分かってない人1億2千万 vs 分かっている人3万人以下の構図です。当時は個人が大勢の人の目に触れるSNS等もありません。
歌詞カードの裏やCDケースには白黒写真で明らかにそう見たい人にとってはゲイと思われるだろうMr.Childrenが写っています。またmiss youの歌詞ブックレットほどではないですが青空を思わせる歌詞カードの中をめくると虹を思わせる色使いです。
何が言いたいかと言うとAtomic Heartは知識不足による無理解と無視のマジョリティの圧倒的支持と知識の継承の断絶と知ってる人が話さない事によって当時から30年近く経つ現在のネット社会ではフツーの名盤になってしまっています。
当時のレコード会社やドラマのスタッフの間でどんな戦略があったのか?路線変更したのか?詳細は一般人の私には一切分からない。ここまでの話も私の妄想にすぎないかもしれない。
私にはMr.Childrenのメンバーの性自認も関心は無いので言及しませんし、他の誰もするべきではないでしょう。後に私達はシフクに着替えた彼らを目にする事になりますとだけ書いておきます。
ですが表向き隠しているとはいえ自分達が作った曲の真意が伝わらずに広まっていく現象に苦悩を抱えるのは想像できます。
掛け違えたボタンは直せたのでしょうか?
くるみという楽曲は「来る未来」の事を唄ったとか言われていますが、この時代に桜井氏の心の中にいる女の子が「くるみ」という名前だったらという前提で聴いてみてください。
奇跡の地球
この曲に関しては今回曲は全く聞かずに私の想像を含めて説明だけします。
1993年にAct Against AIDSという啓発運動が始まります。
Wikipediaによるとこの曲のオファーは小林武史氏がCross Road発売前に桑田佳祐氏にしていたようです。Cross Road発売が93年11月10日です。つまりオファーはドラマ同窓会が始まった時期とほぼ同じと思われます。
まだMr.Childrenが世間的にはReplayが多少ヒットしたとは言え無名と言って良い時期です。
意地悪い言い方をすればプロデューサーの小林武史氏からするとドラマの力を借りてMr.Childrenをゲイバンドとして桑田佳祐氏と共演させる事で桑田佳祐氏の名声を汚すことなくAAAに貢献できMr.Childrenの名も売れると目論んでいてもおかしくないと思います。
しかしその目論見はドラマの反響とCross RoadのヒットそしてInnocent worldの大ヒットで予想を遥かに超えた現象になります。
深海
深海が発売されるまでにシングル曲Tomorrow never knows、everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-、シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜がリリースされていますが収録されていません。その全てが次のアルバムBOLEROに入ってます。Atomic HeartからDISCOVERYまでが深海を含めて連作になっているように今の私には思えます。
1.Dive
ドラマ同窓会ではゲイバーの店名はSPLASHになっています。ドラマでは飛び込んだ時の水音を表しているそうです。男色の世界に飛び込む事を表しているんです。
また七月が母親に海で一緒に心中しようとされた時の音もそう解釈できます。
水に飛び込むと同性愛の行為と入水自殺(心中)がドラマでもリンクするように描かれています。
深海の歌詞ブックレットには海の底に椅子が置かれていて死を表現しています。
2.シーラカンス
この曲の歌詞はアルバム深海の最後の曲「深海」と一緒に語らないといけないと思います。
ここまでの解釈からすればシーラカンスが意味する事は世の中には男女しかいないと思っている意識です。別の解釈もあるのは確かだと思いますがこの記事では扱いません。(そこまで頭が回らない)
当時の…今もかもしれませんが男の子向け少年誌などでは露骨に女性への性欲をかき立てる描写が普通にされていました。ドラマ同窓会でも好きな相手ならレイプされても当然のような今では疑問符つきまくりの描写さえあります。
ここの深い海の底は人間の意識の底の事ですね。
七色に光る海は今ならレインボーフラッグに示されるように男女の境なく愛を称える世界だと理解できます。
当時から30年近く経った未来の今はどうなったのでしょうか?
少しはInnocent worldに近づいた気もしますか?
それでも左脳の片隅では男女が子供を作らなければ子孫は無く未来が無い事も理解しているんですね。
それと同時に右脳ではどうにも抑えられない感情を抱えているんだと思います。
性的マイノリティの人が愛する人にカミングアウトする時はお互いに傷つかないように慎重にいろんな角度から観察してるんだと思います。
3.手紙
この曲は「ゆりかごのある丘から」で一度だけ君がくれた手紙の内容が曲になっています。
深海の歌詞カードは一枚の手紙のようになっていて曲の途中でページを捲らなければいけず非常に読み難くなっています。
つまりはアルバム深海そのものがMr.Children、桜井氏から私達への手紙になっています。
タイムマシーンに乗って辿り着いた物語を私はここから先は涙無しには読めません。ゆりかごのある丘からに描かれている僕のような感情に支配されて、どんなに頑張って左脳で書こうとしてもくしゃくしゃに丸めて捨てる事しか出来そうに無いです。
この記事をMr.Childrenへの返信の手紙にします。きっと届く事も無くネットの広大な海の底に静かに佇む事になるでしょう。
miss youから続いた私のMr.Childrenを巡る旅もここで一旦終わります。
今度こそ、もう記事を書く事も無いと思います。私はこういうの本来凄く苦手な性格なので許してください。(追記:結果的に嘘をつきました。)
一瞬悪いイメージが頭をよぎるDISCOVERYの最後の曲Imageの歌詞解釈に言及せず終わる事に心からの謝罪をしつつ、ここまで読んでくれた皆さんに感謝します。
今、彼らが笑顔で音楽を奏でられている事を嬉しく思います。
下のリンクに続きを書きました