語り尽くされてても語りたいこと:ストレイテナー
わたしの人生初LIVEはストレイテナーだった。場所は、福井CHOPというライブハウス。わたしは大学1年生で、当時お付き合いしていた方(以下:しかすけ)と一緒に見に行った。当時、奈良で1人暮らしをしていたので、午前の講義を終えた夕方、しかすけと共に電車で福井まで行った。ライブ後に、終電で奈良に帰れないため、宿も予約した。
ストレイテナーは、高校の時、吹奏楽学部の先輩が教えてくれた。その人は、サックスがうまくて、憧れの先輩だった。ストレイテナーのCDをずいぶん貸していただいた。曲調が激しかったりノリノリな曲があったりと多彩な曲たち、そのすべてに、Vo.ホリエアツシさんのふくらみのあるやさしき声があることが、ストレイテナーをストレイテナーたらしめているような気がする。昼休みに、屋上で、弁当食べ終えてから、ヘッドフォンでストレイテナーを聞いていた。高校のとき、わたしはのたうちまわっていた、心の中で。人生歩めば歩むほど、選択の連続で、間違えないようにしなくちゃとばかり考え、些細なことが気になって、人と話すのが少し怖くなった。特に同じ学年、クラスの人と話すのが苦手だった。流行りの話題とか、人の悪口とかについていけなかった。くだらないとさえ思った。ので、極力クラスでは話さず、屋上に行ったり、吹奏楽の部室で数少ないわかり合える先輩とくだらないことを話して笑い転げていた。そんな感じだから、クラスでのわたしの印象は物静かな人だっただろう。吹奏楽で、トランペット、バリバリ吹いてるとは誰も思わんかっただろう。夜、勉強して、就寝前に"SIX DAY WONDER"をよく聞いた。
しかすけと行った福井CHOPは、わたしの記憶では、でっかい倉庫みたいだった。入ると奥にライブ会場があって、バーもあった。カウンター席は埋まっていた。ワンドリンク制だったから、コーラを飲んだ。旅の疲れに沁みた。しかすけもLIVEが初めてではしゃいでた。ちょっとうざかった。わたしがしかすけにストレイテナーを教えた。影響されやすいしかすけは、まんまとストレイテナーにハマった。しかすけは、何かにハマるとひたすら対象物にこだわる。ストレイテナーを聞きこみ、歴史を調べ、過去の雑誌を読み漁り、わたしに日々ストレイテナーの話題を提供し続けた。わたしは、ストレイテナーが好きなので、ストレイテナーの話題はウェルカムだった。が、歌詞の解釈について、激論となることが時折あった。しかすけは頑固だから、なかなか意見を曲げない。わたしはしかすけより頑固ではないので、意見を曲げることが多かった。あたかも自身の主張こそ正しいと自信満々になるしかすけは、まじでめんどくさかった。クソガキが。今思い出してもムカつく。そのときからわかっていたよ。しかすけとは恋人ってより友達だってね。
ストレイテナーのLIVEは、"ROCKSTEADY"から始まった。生でみるメンバーは輝いていた。ストレイテナーよ、本当に生きてんだんだね、同じ時間に、同じ惑星に。きっと、わたしは、今日、ストレイテナーが生きてることを確認しにきたんだ。隣のしかすけは恍惚の表情。バカみたいな顔してた。楽器を弾くメンバー、重なる音。音源とはまるでちがう。とは予想していたが、予想をはるかに越えた。これがLIVEなのか。音が、蠢いている。演奏してくれた曲をほとんど忘れた。メンバーたちが躍動してたのは強く覚えている。きらめいてた。会場の熱気とか、ライトに照らさたステージとか、とんでもない空間だった。バンドってかっこいいねって1人つぶやいた。
LIVE終了後、しかすけと宿に向かう道では、ストレイテナーの話をたくさんした。宿では、入浴して、コンビニで買った弁当食べて、歯磨きして寝た。翌日の早朝に、電車で奈良に帰って、午後から喫茶店のバイトに向かった。ストレイテナーの音楽は、LIVEが終わってからも脳内で、鳴っていた。ビバ!ストレイテナー。