CEATEC 2024に行って来た
ちょっと先の未来を見る様な感覚を味わえるCEATECに、今年も行って来た。
まずはJapan Mobility Show Bizweek 2024 へ
毎年、この時期に幕張メッセで開催されているCEATECだが、まずは同時に開催されているJapan Mobility Show Bizweek 2024へ行ってみた。
最近ニュースで見て、自分用にこれいいじゃん、と思っていた原付ミニカー、各社出していたんだね。あ、まだコンセプトカーかもしれない。ファミリーカーより、真に個人、一人だけで乗れる燃費の良い車が欲しい人は増えてきているのかな?
自動車要らないと思っていたけれど、最近、実家の方のコミューターバス路線が廃止されて、車がないと生活できないような環境になってしまったので、手軽な車に興味が出てきたところだった。……原付でも良いのか? でも冬は寒いし、雨が降ったらびしょ濡れだ。
自動運転車の実用化は近いのか?
この、地方のバス路線がどんどんなくなっていく話は、どこでも問題になっているのだろう、CEATECでもそれに関係しているものがいくつかあった。
既に今の自動運転だったら、もう充分にルートの決まっている路線バスレベルは行けるんじゃないだろうか。
リゾート施設内で、スマホで呼ぶと迎えに来る構内バス(カート)なんてのもあった。それこそ、10年くらい前に「自動運転の近未来」として、本で読んだレベルの話だ。タクシーが全てそういうスマホで呼んで来る自動運転車になったら、路線バスはおろか、自家用車も要らなくなるっていうヤツ。技術的にはもうそろそろ大丈夫なように思えた。
このバスは、後ろの座席に操縦用のコントローラが置いてあった。当面、運転手が同乗して、万が一の時に備えるそうだ。
インフラ点検系小型ロボットたち
高度経済成長期の建物やらインフラやらが老朽化した事が原因?と考えられる事故が最近よくニュースに出てきているが、その点検のためのロボットが幾つか出ていた。
WAC-A3の「A3」というのは、A3用紙の大きさだからだそうな。足みたいな四つの無限軌道で「よじ登って」かなりの段差も乗り越えられるし、平たいからこの台の下も楽々くぐれる。もっと小さかったら、災害救助等に、防水だったら水道管の点検にも使えそう。
こちらは縦横20cmの小さなドローン。小さければダクトなんかにも入っていけるんだろうな。ひっくり返っても自力で起き上がれるタートルモードというのがあるのがおもしろい。
こういうの、ニーズがあって仕事になれば、どんどん進歩していくんだろうな。現場での経験が一番、有用だろうし。
水中ロボット/水中ドローン
インフラ点検系ロボットといえば、やはり水中ドローンも外せない。
手で持って持ち運べるくらいの小型のROV(remotely operated vehicle)を水中ドローンと呼ぶ。空飛ぶドローンと違い、こちらは有線が普通。水中は電波が通らないので無線(音響通信等)ではリアルタイムで映像を見たり、不測の出来事に人間が操縦しにくいためだが、水中で何かあった場合に引っ張り上げられる、というメリットもある。
今年はブースにプールがあって、水中ドローンの操縦体験もできた。
写真を取り損ねたが、養殖する魚の様子を観察してより効率的なえさやりなどができるよう、市販されている資材で組み立てられる水中ドローンの展示もあった(おさかなだお長崎(DAO))。塩ビのパイプ?のようなホームセンターで見た事あるような部品でできていて、自分がYouTuber だったら、「水中ドローン作ってみた」とかやってたかもしれない。
最新テクノロジーのできることと実際にやりたいこと
その後、セッション「次世代海洋空間利用のポテンシャル ~政策と技術で拓く成長市場への挑戦~」を聴いた。司会者一人とパネラー三人で一時間は、若干駆け足な感じもしたが、全く異なる立場から一つの問題を見てみるというのは、漠然とした問題のピントがギュッと絞られていく感じがしておもしろかった。
水中の作業や点検をするベテラン潜水士はどんどん引退し、このような危険な仕事に就こうという若い人がいない、ということで、水中のインフラ(例えば海底ケーブルや港湾施設)や、今後増えると予想される再生可能エネルギー・海上風力発電の保守点検にと、活躍の場が広まるだろう、とのこと。
あー、それ別の分野でもある話だよねー、と思った話が、いまもしくは近い将来水中ドローンにできることと、実際にやりたいことにギャップがある、というのと、他分野(例えば宇宙)との交流があまりないということ。専門的になりすぎて、他分野との断絶が……っていうのは、他の学問の分野全部に当てはまる話題だなー、と思った。
あれ、なんか似たような話、なかったっけ?と思ったのは、最新テクノロジーがあるとそれを使わなくてはならないような気分になっちゃうけど、それってもっと単純に、今ある技術で簡単にできるじゃん?という話。
例として、水中の対象を触って確認したい時、ユーザーは「マニピュレーターを付けたいな」と思ってたけど、それは数千万円かかる、予算が足りないというのを知って水中ドローンの導入を諦めてしまう、なんてことになってしまっても、よくよくしたいことを聴いてみると「それ、ただの棒で良いよね?そしたら数万円で付くんだけど?そしたら予算内」みたいなギャップの話があった。
持っている情報のギャップというか、これも、他分野との情報交流の不足に起因してるかもしれないから、根は同じなのかな。
こういう産業の話ではないかもしれないが、水中ドローンの話は2024年10月21日のTBS クレイジージャーニーに出るとのこと。ウチにテレビがあったら見たんだけど……って見逃し配信があるなら、見られるかな? ちょっと期待。