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霊は存在するか:素粒子が創りだす世界のかたち

 こんにちは。dreamyです。お盆が明けて、ようやく暑さも落ち着いてきましたね。私は暑い夏になると決まって怖いオカルト系小説を読むのですが、今回は、そんな怖い話巡りをしていてふと思いついたことをまとめます。モンハンどころか、生物学かも怪しいですが、科学からは遠ざからないように気を付けますので、ご一読いただけたら嬉しいです!

 突然だが、皆さんは霊現象(心霊、幽霊、祟りなど)を信じるだろうか?
研究者見習いにもかかわらず、私は霊現象を信じている。幾度か体験した(ような気がする・・・)からだ。皆さんのなかには、霊現象を体験した者もいるかもしれないし、霊を全く信じない者もいるだろう。

 そもそも、「霊」とはいったいなんなのだろうか。また、霊は何でできているのだろうか。霊のことを考えるために、まず、ヒトである我々自身と、ヒトが暮らすこの世界のことを考えてみようではないか。

 我々ヒトは生物であり、その体は50%~75%の水分と約15%のタンパク質、12~20%の脂質で構成されている。これらの成分を構成する元素は6種類(酸素:O、炭素:C、水素:H、窒素:N、リン:P、硫黄:S)が大部分を占め、上記6つのほかにもカルシウムやカリウム、ナトリウム、鉄などさまざまな元素が含まれている。
 小難しい話はさておき、つまるところ生物の体は多くの元素が集まって構成されているのである。これは生物に限った話ではない。我々が認識する世界を構成する物質はすべて、目に見えぬ空気でさえ、元素が集まることによって形作られる
 では、元素は何でできているのだろうか。一昔前までは、元素は原子が集まることで構成され、その原子は
電子
陽子
中性子
 によって構成されるものであると考えられてきた。しかし、近年の量子力学の発展によって、陽子および中性子は、クォークと呼ばれる素粒子が集まることで形作られるものであることが分かってきた。

図1. クォークとレプトン
陽子と中性子は、アップクォークとダウンクォークがあつまって形作られている。図は、「HiggsTan」から引用。参考:「素粒子超入門 (1) クォーク編」。

 この世界に安定的に存在できるクォーク(第一世代)は2種類あり、それぞれアップクォーク、ダウンクォークと呼ばれる。2つのアップクォークと1つのダウンクォークが集まったものが陽子であり、1つのアップクォークと2つのダウンクォークが集まったものが中性子である。電子は、レプトンと呼ばれるグループに含まれる。現時点では、クォークおよびレプトンが物質の最小単位であると考えられている
※クォークが3つ集まったものを「バリオン」と呼ぶらしく、陽子と中性子はバリオンである。私は物理学や量子力学についてはずぶの素人であることを改めて明記しておく。

 またまた小難しい話をしてしまったが、強引に解釈するなら、私たち自身や、私たちが認識しているこの世界のすべては、アップクォーク、ダウンクォーク、電子の3つの素粒子によって創り出されているというわけである。

 話を最初に戻すが、霊は何でできているのだろうか。我々と同じように、アップクォーク、ダウンクォーク、電子でできているのであれば、現代科学で容易に霊を観測可能なはずである。しかし、現時点では、意図的に霊を観測することはできない。このことから、
・霊は存在しない
・霊は、我々とは異なる物質で形作られているため、観測・干渉できない

の二つの可能性があげられる。
 一つ目の可能性について考えても本末転倒なので、二つ目を考えてみた。ずばり、「霊や、霊が暮らす世界は我々を構成する素粒子とは異なる素粒子で構成される」という仮説だ。
この仮説を提唱するきっかけになったのが、私たちの世界を形作っていないと思われる素粒子「陽電子」の存在である。

図2. 電子と陽電子
 詳しいメカニズムについては筆者もわからないが、電子の反粒子である陽電子は、電子と正反対の動きをする。まるでビデオを巻き戻すかのように、陽電子は、電子が移動した空間を、時間をさかのぼりながら移動する。一説では、電子と陽電子は別の時間軸上の同一の素粒子である可能性も指摘されている。

 2020年の映画「TENET」公開後にも話題になったが、陽電子は、プラスの電荷をもつ電子の反粒子であり、理論上、未来から過去へと向かって時間を逆行すると考えられている。我々の認識上、つまり我々が暮らす時間軸の世界線上では、陽電子は我々を形作っていないといえる。
 陽電子以外にも、この世界には、現代科学ではまだ発見されていない、もしくは我々が認識できていない「クォークやレプトンのような素粒子」が存在しているのかもしれない(※裏付けはない)。人類はすでに、陽電子と、陽子の反物質である「反陽子」からなる水素の反物質である「反水素」を合成させている。
 未だ発見されていない素粒子が、もしくは既知と未知の素粒子の組み合わせが、霊や霊の世界を形作っているのであれば、「我々とは全く異なるかたちをもつ霊」を、認識できないのも無理はないだろう。もしかすると、ごく稀に発生する(と思われる・・・?)霊現象との接触は、地球内のエネルギーを媒介にして、私たちの素粒子と、私たちと同一空間上に存在する別世界の者の素粒子が、互いに干渉した際に引き起こされる自然現象なのかもしれない(※もちろん裏付けはない)。

 今まさにこの瞬間も、我々の世界と霊たちの世界は、繋がることなく、関わることなく、常に交わっているのかもしれない。そう考えると、私はとてもワクワクする。

 ここまで、筆者の蒙昧な妄想に付き合ってくれた方がどれほどいてくださったかはわからないが、上記を考えた上であらためて、生命科学の命題を皆さんに問いたい。現時点で用意されている定義を忘れて考えてみてほしい。

生命(いのち)とは何なのだろう
我々は一体なんなのだろう

いつかこの世界に、新たな答えが創り出されることに期待したい。


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