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介護生活の転機 part2

トイレが怖い

トイレでの転倒をきっかけに、母はトイレを怖がるようになってしまった。
リハビリで1週間入院した後に帰宅したが、家のトイレに入ろうとすると、トイレの入り口で足が進まなくなってしまう。
足腰などの問題ではなく、メンタルの問題ゆえ改善は難しい。トラウマというやつである。
病院ではポータブルトイレを使用していたので、本人も抵抗はないようで、その方が良いと言う。
身体的には、トイレ使用はまだ可能だと思われたので、複雑な気持ちだった。
可能であれば、出来ることは自分でしたほうが、身体能力を維持するために有効なことは、確かだろう。
ケアマネも、同様の気持ちがあったらしい。
しかし、メンタル面も勿論、看過は出来ない。
トイレは、待ったなしの問題だといえる。

福祉用具のうち、トイレ、入浴用品等は特定福祉用具といい、介護保険から9割の払い戻しがあり、1割負担で購入できる。
暖房便座、脱臭機能付きのポータブルトイレが確か7、8千円で購入できた。

ベッド横に置いたポータブルトイレは、狭い部屋でかなりの存在感があったが、致し方ない。

夜間だけに使用すれば良いのでは、とケアマネから提案があったが、本人はポータブルトイレの方が安心だと、終日使用していた。
せっかく介護保険で使い勝手の良いトイレに改装し、母にとっては初めての温水洗浄便座も使いこなせていただけに、少し残念な気持ちだった。
トイレの片付けの手間が増えたのも、嘆息ものであった。 

デイサービスの見直し

1人で家にいる時間を極力減らすため、通所サービスをフルに利用することにした。
その時の母の介護度は、要介護2。
福祉用具(外出用の車椅子、床置きタイプの手すり)のレンタル料と通所サービスの利用料で、限度額ほぼいっぱいだった。

当時の私の勤務日数は、週5日。
つまり母も週5日、デイサービスを利用することになる。
私は日曜日も仕事であるが、今まで入浴をお願いしていたデイサービス③は、日曜日はお休みである。
実はデイサービス③の前にデイサービス②に通っていたのだが、経営者の都合で施設は廃止になった。温泉掛け流しのお風呂を、母はいたく気に入っていたのだが。
やはり、スタッフの方や周りの利用者さんなどが、慣れた人たちの方がストレスが少ないのは当然で、特に問題がなければ利用するデイサービスは変えたくはないのだが、仕方なかった。
日曜日は、どうしても仕事を休めない。
日曜利用が出来るデイサービス④に、お願いすることとなった。
デイサービス②から③、④と、短い期間で転々とするような結果になってしまい、可哀想にも思った。
半日利用のデイサービス①を週2回、1日利用のデイサービス④を週3回。
デイサービス①は午前中が1回、午後からの利用が1回、全て私の仕事のシフト通りの利用となった。
ケアマネと相談して、取り敢えずはやってみよう、ということになったのだが。
この辺りから、私の負担は大きくなっていったように思う。
この後、母が入院を経て、老健に入所するまでの2年と8か月。
私の人生、最大に頑張った(と思う)日々が始まる。


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