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【不動産サイト解説】イギリスでの住まい探し:ロンドンから地方都市シェフィールド②

前回の記事では、コロナ前にYMSビザでロンドンに滞在していた時の家探しについてお話しました。実は、私たちはそのイギリス滞在中にコロナに遭遇しちゃったんです。あの時のことを思い出すと、今でも本当に不思議な経験でした。情報が錯綜する中で、イギリスに残るべきか悩みましたが、結局は日本への帰国を決めました。
理由は、夫が目指していた2020年9月入学での大学院の受け入れがストップしてしまったから。ビザの発行や仕事のことも考えて、コロナ渦でイギリスに滞在するのは難しいと判断しました。そして、再びイギリスに戻れたのは、大学が受け入れを再開し、少し落ちついた1年後のことでした。

コロナの終息がまだ見えない中での渡英を考えると、かなり慎重になりましたが、自分たちのキャリアのために進む道を選びました。


ロンドン経験者の家探しの旅!

で、私たち。
たいていの人が日本にいるうちに家を探し始めると思うのですが、私たちはロンドンでの経験があったので、実際に内見しながら家を探すことにしました。夫が大学院生になることもあって、「じゃあ、学生寮(アコモデーション)で広めのカップル用の部屋を借りちゃおう!」なんて軽い気持ちで考えていました。
また、こちらでは物件のフットワークが重要なので、日本から内見だけの予約を取るのが難しかったのも理由の一つです。大家さんとしては、すぐに家を貸し出したいので、すぐに内見に来られない人のために予約を取ったりしないんですよね。
そこで、まずロンドンの友人宅に数日滞在し、その後シェフィールドでキッチン付きのアパートメントスタイルの安いホテルを2週間借りることにしました。これを拠点にして、家を探そうという計画です。

実際に滞在していたホテルからの風景。
近所にめっちゃ美味いフィッシュ&チップスの店がある。

予想外の壁に直面!

ロンドンに住むイギリス人の友人や、前の職場でお世話になった方に家探しにおすすめのサイトをいくつか教えてもらい、早速登録して物件探しを始めました。しかし、これが本当にうまくいかず、シェフィールドで最初にぶち当たった壁でした😿
どれくらい大変だったかというと、良い物件を見つけて何十件もメールを送っても、内見の予約にまでたどり着けず、結局、予約していた2週間のホテル滞在をさらに1週間延泊する羽目になったんです。滞在していたホテルが偶然にも個人経営のアパートメントだったので、ホテルの方に知り合いに良い物件がないかメールで問い合わせするほどなりふり構ってはいられない状態でした。精神的にも疲弊していき、このまま家が見つからなかったらどうしようと絶望するほどでした。(新学期直前だったこと、またコロナの影響で入学を延期していた学生が一斉に家探しを始めたタイミングだったのも大きな理由だったのかなと思います。)

そこで、これからは物件探しに使用したサイトについて、私の個人的な印象を交えながら説明していきたいと思います。

地方の物件探しに役立つサイト紹介

日本人用掲示板MixBはロンドン特化?

前回お話しした日本人用の掲示板サイトMixBは、シェフィールドでの家探ししはあまり役立ちませんでした。MixBはロンドンでの家探しから職探しまで本当にお世話になったのですが、掲載されている情報のほとんどがロンドンに特化しているんですよね。地方都市に住んでいる日本人の方が少ないこともあり、こちらで家を探すのはかなり難しいという状態でした。

シェアハウス専門SpareRoomは若者向け?

SpareRoomでも家探しを多少しましたが、シェアハウス専門のサイトなので社会人カップル向けの物件はそう多くはありませんでした。ロンドンでの経験もありシェアハウスに苦手意識もあったので、残念ながら私たちには合いませんでした。ですが、学生同士で楽しくシェアしてみたいという方や、金額的に安く済ませたいという方は地方都市においてもSpareRoomはおすすめかもしれません。

大手不動産サイトRightmoveとZooplaの特徴

次におすすめされたのが、RightmoveZooplaという大手不動産サイトです。掲載数は充実しており、一軒家タイプからアパートタイプまで豊富に選べ、シェフィールドでも物件の掲載数がとても多かったです。
(日本でいうsuumoに近いかもしれません。)
しかし、エージェントが関与している件数が多いため、倍率も高くすぐに物件がなくなってしまうのが難点でした。20件ほど問い合わせてみましたが、結果として内見には一軒もたどり着けませんでした。
逆に、エージェントが関与していることで、価格が適正に保たれている、管理が行き届いている物件のため、安心して家を借りることができるというメリットもあります。

直接取引できるOpenRentの魅力

最後に紹介するのがOpenRentです。OpenRentはエージェントを介さず、大家さんが物件を掲載できる不動産プラットフォームで、気になる物件については直接大家さんとやり取りが可能です。掲載数も多く、物件の種類も豊富なので、単身者やファミリーなどいろんな条件に対応しています。
倍率は高いですが、大家さんと直接コンタクトをとれるのでメールの返信率はRightmoveやZooplaよりも良く、タイミングがあえば内見まで漕ぎつけることができます。

物件の借り方と注意したいこと

学生寮を断られた理由

Photo by Umair Dingmar on Unsplash

なぜここまで物件を借りるのに苦労したのか振り返ってみます。シェフィールドは留学生を積極的に受け入れているので、学生寮がたくさんあります。学生なら家探しはほとんど苦労しないと思われがちですが、実際には私たちが学生寮を選べなかったんです。理由は、学生寮では夫婦であっても、両者が学生でない限り部屋を貸してもらえないというルールがあったからです。私たちの場合、夫が学生ビザ、私はその夫のパートナーとしてパートナービザを取得していたため、学生でない私には部屋を貸せないと言われてしまいました。部屋数が多いからといって、必ずしも融通が利くわけではありません。このルールについてはHPに記載がなく、電話で直接問い合わせた結果判明したので、こうした予期せぬ条件には注意が必要です。

信用と経歴がカギ

学生寮がダメなら、普通に不動産を借りればいいんですが、学生夫婦に家を貸すのは貸す側にとってリスクが高いんですよね。夫はこれからの2年間フルタイムで働けないし、私はこれから仕事を探す状況です。貸す側からすると、信用が足りないと思われてしまいます。RightmoveやZooplaで物件を問い合わせても返信がなかったのは、こうした理由も影響していたと思います。ロンドンで家を借りた経験や、日本の銀行の残高証明を見せて1年分の家賃の支払い能力があることを証明できると思っていたのですが、地方都市で信用を得るのが意外に難しいことに気づかされました。

不動産屋に直接アタック!

シェフィールドに何店舗かある不動産屋さんでこちらにも足を運びました
Photo by Benjamin Elliott on Unsplash

ネットがダメなら!と、気を取り直して、足で稼ごう作戦に出ました。不動産サイトに掲載されているエージェントを調べ、町中の不動産屋さんに直接行ってみることにしたんです。これも失敗に終わりました。日本では不動産屋さんはオープンで、直接店舗に行けば話を聞いてもらえますよね?でも、シェフィールドの不動産各社を5〜6件を回ってみた結果、どこも門前払い。メールで予約を取ってくれと言われましたが、そもそも返信が来ないし……。少しガードが堅すぎるよ涙。不動産屋さんもだめ、学生寮もだめ、これじゃぁ八方塞がりだよと本当に絶望でした。

物件探しは争奪戦!フットワークを忘れずに

実際に内見したときの様子

こうなると残されるのは個々で大家さんと交渉するのみ。
実際にどうやってOpenRentで物件をゲットしたかというと、四六時中ホームページに張り付いて物件を検索し、見つけ次第すぐにメール(フォーマットを用意済み)を送るという作業を繰り返すことでした。そしてやっと1件、内見までたどり着くことができました。
内見の際は、まるで面接のように丁寧に接し、なるべく良い印象を大家さんに与えられるように心がけるほど。そして、内見したその日のうちにメールで契約を結ぶことにしました。
OpenRentでは大家さんの質は保証されていないため、契約に関してはそれぞれの条件で行うので、入念に確認する必要があります。
私たちの場合、学生に物件を貸すというリスクが大家さん側にあったため、1年分の家賃を先払いする条件でした。この条件を受け入れ、やっと長い家探しに終止符を打つことができました。

最後に

大好きなPeak Districtからの景色。最高なのよ!

いろいろな障害があったものの、無事に家探しが終了した私たちは、かなりラッキーだったと思います。大家さんもとても良い方で、知り合いのいない私たちを教会に誘ってくれるほど超優しいし、物件に問題があればすぐに対応してくれるので、とても満足しています。また、彼は複数の物件を持っているため、契約書も明瞭で安心して契約を結ぶことができました。色々な大家さんがいる中で、こういった良い大家さんに巡り会えたのは、本当にラッキーだと感じています。
住まい探しは海外生活における最初の障害だと思いますが、諦めずに挑戦し続けて、みなさんも良い住まいを見つけてくださいね!

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