自分のペースを取り戻すために自然に触れる 12
私は時々、無性に1人になりたくなる
ぼーっとするのが好きだ
ぼーっと自然を見ていると、雲がゆっくり動いてるなとか
だけどあの曇って凄い量の水蒸気の集まりなんだよなとか
人間には数歩の距離でも、この虫は何歩使っていくんだろうとか
風邪が気持ちがいいとか
風邪が少しひんやりしてるとか
太陽がポカポカ暖かいとか
太陽はどのくらい遠くにあるんだとか
ゆっくり深呼吸すると
そういえば最後に大きく息を吸い込んで、肺をいっぱいに広げたのはいつだったかとか
指先の脈を感じたのはいつぶりだろうかとか
日常のあらゆる刺激にさらされて
いつも時間に追われてる
現代の時間のスピードに追われている
便利な世の中になったはずなのに
ますます追われる
苦しくなる
大変になる
今まで1時間かかっていたことが15分で出来るようになったから
「じゃあ出来るよね?」って
4倍動いて1時間を消費する
春夏秋冬
旬の食材を楽しむ時代から
1年中、どの食材も手に入る時代へ
人が外で働ける気温じゃなくなっても
空調服をつけて働く時代へ
どうしても、テクノロジーの力が必要な時もある
だけど、「じゃあ出来るよね?」のスピードに歯止めがかからない
こちらは生身の人間で
ロボットじゃない
脳の処理能力にも限界はある
体力にも限界はある
1時間で出来る量が増えたから
目に見えてお給料が増えるのか?
猛暑の中、空調服をつけて作業をして
猛暑給の様なものがもらえるのか?
もう無理です、というのは甘えなのか?
まだまだ付いて行ける人がいるから
付いて行けない人は、じわじわと心を病み
フェードアウトしていく
フェードアウトした人は努力が足りない人なのか?
適当に情報を流し、適当に仕事をサボれる人は良い
真面目に、真面目に向き合った人が
「真面目過ぎたね。」と評価され
フェードアウトしていく
日の出があって、日の入りがある
春が過ぎ、夏が来る
夏が終わり秋が来て、冬が来る
引き潮、満ち潮
快晴、曇り、雨
旬の食材
周りが暗くて出来ないのは当たり前
必要以上に人工的に照らさないで
雨が降ってできないのは当たり前
合羽を着れば出来るだろと、無理させないで
寒くて出来ないのは当たり前
電気ヒーターのベストで解決さないで
暑くてできないのは当たり前
空調服があるから出来るだろ?って決めつけないで
時には、困っている人の為に
無理をしてでも動かないといけない時はある
だけど、その家って、そんなに早く建てないといけないんですか?
その工事ってそんなに無理をしてまでペースをあげないといけないんですか?
相手は生身の人間です
納期があっても、その納期、現場の人は納得していますか?
実際に頑張った人に正しい評価がなされていますか?
世の中、イライラと不満に満ちている
余裕がない世の中
折れてしまった心を抱える人
頑張っているけど、周りに怒りをぶつけてしまう人
子供と過ごす時間が短い親
小さな変化に気づけない、せわしない毎日
小さな変化が時に、大きな事件に繋がる
小さな変化が時に、後遺症として心に残る
さみしさ、不安、恐怖、孤独
お金があっても満たされない心
仕事に生きた結果の、成れの果て
年を取っても、人が集まる人というテーマの何かを見た時
「人生の、面白い話が出来る人」
と表現していたのを覚えている
老後が大富豪でなくても
面白い話が出来る人
沢山経験して、沢山冒険して、挑戦してきて
失敗したこと、上手くいったこと、感動したこと
沢山話せる人に人は集まるような気がする
出来ないものは出来ない
だって生身の人間だもの
暗くて何も見えなければ、もう寝る時間
暑くて外に出ると倒れそうなときは、水辺に行って体を冷やす時間
寒くて凍えそうなときは、家の中で暖まりながら本を読んだり、誰かいればゆっくり語り合う時間
雨が降っていれば、部屋の片づけをする時間
自然を見ていると
「だって仕方ないじゃん。日が昇って、日が沈むのはいつものこと。誰にもどうすることも出来ない」って思う
「だって仕方ないじゃん。今日は雨なんだから」
「だって仕方ないじゃん。今日は暑いんだから」
「だって仕方ないじゃん。旬の季節じゃないんだから」
だから、晴れたらしようね。じゃあ今日は部屋の片づけだ
暑さが和らいだら、頑張ろう。今はこっちをしようか
旬の季節になったら、食べよう。楽しみだね。ところで、今の旬の食材はなんだろう?」
そうやって、自然と今を楽しむことが出来るようになるんじゃないか
今を楽しむ
目の前の事を楽しむ
だから時々自然に触れて、本来の人間のペースを取り戻す時間はきっと大切だと思う。