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オーロラ観測の落とし穴 (フィンランド) 「3日の滞在で90%」は嘘!?
みなさん、こんにちは!
2025年2月にフィンランドでオーロラ観測に挑戦したイソラと申します。
旅行前、オーロラに関して調べていた際、複数のサイトで「3日の滞在で90%の確率でオーロラが見える」という情報を目にしました。
結論からいうと「半分本当で半分嘘」です。
私自身、その情報を信じて旅程を立てたのですが、残念ながら現実はそう甘くありませんでした。
本記事では、「3日の滞在で90%」という言葉に隠された本当の意味について解説していこうと思います。
【1. カメラでしか見えないオーロラもカウントしている】
実は、カメラでしかオーロラが見えないケースがあります。
これは、人間の目の感度と、カメラセンサーの感度の違いによるものです。カメラは長時間露光で光を集められるため、肉眼よりも鮮やかにオーロラを捉えることができるのです。
ツアー会社は、肉眼で見えなくともカメラに写れば「オーロラが見えた」とカウントするケースが多いようです。そのため、肉眼でオーロラが見える確率はもっと低いということになります。
ところで、オーロラの強さには「Kp指数」という国際的な基準があることをご存知でしょうか?
0から9までの数値で表され、数字が大きいほど強いオーロラが見られます。
一般に鮮明なオーロラが観測できるとされるKp指数は4以上と言われていますが、1ヶ月でわずか5日程度しかこの値を超えません。
(※Kp指数3程度でも、肉眼で見えるレベルではあります。)
【2. 雲の切れ間から一瞬見えただけのオーロラもカウントしている】
オーロラの観測でもっとも重要なのは天候です。どんなに強いオーロラが出ていても、曇っていたら全く見えません。
フィンランドの冬は曇りや雪の日が多く、3日間連続で快晴になる確率は20%程度といわれています。
私がフィンランドに1週間滞在した際も、夜間に快晴だったのは1日だけでした。
雲の隙間から一瞬だけしかオーロラが見えなかった場合も、「オーロラが見えた」とカウントされている場合が多いようです。
【3. ツアーの時間内にオーロラが見えるとは限らない】
確実にオーロラを観測するために、ツアーに参加される方も多いと思います。しかし、ツアーを過信してはいけません。
ツアーによっては、時間制限や場所の制限があり、オーロラが見える確率をそこまで底上げしてくれない可能性があります。
ツアーには大きく分けて2種類あります。「少人数」のツアーと「多人数」のツアーです。それぞれの特徴をご紹介します。
■少人数ツアー(4~8名程度)
・3~4時間かけてじっくり観測
・機動力が高く、天候を見ながら場所を変更可能
・高い(1人20,000~30,000円程度)
・悪天候の日の振り替え、オーロラが出なかった場合の返金プランあり
■多人数ツアー(20~50名程度)
・2時間程度の観測
・大型バスのため機動力は低く、決められたポイントでの観測がメイン
・比較的安い(1人10,000~20,000円程度)
・振り替えや返金はない
おすすめは少人数ツアーです。一見するとお得な多人数ツアーですが、天候が悪くてもダメ元で決行され、機動力も低く、時間も短いです。
少人数ツアーの方が総合的に考えるとコスパが良いと思います。
【まとめ:実際は40~50%程度と考えられる】
「3日の滞在で90%の確率でオーロラが見える」は、カメラにしか写らないオーロラもカウントするならば本当。しかし、少人数ツアーに課金するなど、時間・お金を費やした上での数字である、ということです。
実際に天気予報などをもとに現実的な数字を提示するならば、ある程度しっかりとしたオーロラが見える確率は、3日間の滞在で約40-50%くらいではないかと考えられます。
特に12月から2月は曇天の日が多く、観測確率はさらに下がる傾向にあります。
【少しでも確率を上げる方法(成功体験を基に)】
ここまで悲観的な内容が続きましたが、安心してください。
ここからは、オーロラ観測の成功率をアップさせる秘訣をお伝えします。
それは、「自力でオーロラ観測する準備をしておくこと」です。
私自身、ツアーは空振りでしたが、自力でオーロラ観測に成功しました。
■必須アプリの準備
My Aurora Forecast & Alerts
URL: https://apps.apple.com/jp/app/my-aurora-forecast-alerts/id1073082439
オーロラ出現確率をリアルタイムで確認可能
Kp指数の予報も表示
雲量の少ない時間帯の予報も教えてくれる
プッシュ通知機能で出現タイミングを逃さない。
注意点としては、Kp指数の予報や雲量の予報が1, 2時間で結構変動する点です。予報が良くなくても、諦めずにチェックしましょう。
■他に準備すること、注意点
市街地から5km以上離れた場所を選ぶ。
観測地点は日没前に下見しておく。
予備の防寒具は必須。携帯を懐中電灯の代わりに使うので、モバイルバッテリーもあると安心。
単独での深夜の観測は避ける
■ロヴァニエミで私が観測したスポット
アルクティクム博物館周辺
市街地から徒歩10分、ケミ川沿いの開けた場所にあります。北向きに視界が良好で、現地では定番の観測スポットとなっています。私が行った際も、20人程度の観光客が集まっていました。
アルクティクム博物館も興味深い展示が数多いおすすめスポットなので、昼間に下見もかねて訪れると良いと思います。
以上、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
皆さんが無事にオーロラを観測できることを祈っています!