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ソープオペラ、インスタレーション
(終演後の衝動をそのまま書き殴りました、つたないしネタバレ全開、ご了承ください)
泡が大量に降り積もりお城のようになる。最後の止まりかけの、ふわふわゆらゆら落ちていくチリの泡。
ノースホール中埋め尽くされるような気になる。私も飲み込まれるんじゃないかと思った。
山が大きくなるにつれて“飛び込みたい”という衝動がじわじわ私の中いっぱいになる。きっとこの気持ち私だけじゃない。でも飛び込んだら多分痛いよな。心なしか綿菓子のような匂い。
白の防護服のような服を着た人が出てくる。山は隆起して落ち着いての繰り返し、巨大タコみたいだと思っていた。鳥に見えた瞬間もあった。もう何ヶ所動いているのか動かしているのかわからず、何人いるのか、どんな様子かも泡をまといよくわからない。よく見ると他に黒の衣装の人が3人。ノースの黒すぎる壁に吸い込まれそう。
泡は持ち上げられ抱かれる、制御できない泡と手を取り合って踊る人間たち。もてあそんでいるような、あそばれているような。泡は完璧にコントロールしようがないから、毎回違うのか。叶うならもう一回見たかった。
分裂結合を繰り返し段々と消えていく泡。泡がなくなるまで踊るんだよと先輩から教えられていたの、本当だった。
ソープオペラ、情動のオペラ。
泡って毎日使うし、毎日手の中で作っては纏っては洗い流してしまうもの。普通のことなのに、放っておくと消えることを忘れていた。泡を眺める時間が、ない!消えゆく泡にこの時間の終わりを感じて、消えないでと小さく願って。
ラストの音楽、消えてった泡の代わりに人を踊らせていた。泡でよく見えなかっただけで、ずっとずうっとこうしてステップを踏んでいたんだろう。無限に続けと願った静かで贅沢な45分間。