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山田君 不動産で世を渡る(プロになる)※宮城県松島のホテルで大失敗VOL3

ひとり出張、観光地である。ホテルにチェックインした俺は一応会社に報告の電話を入れた。今日は特に急ぎの要件は入っていないようだ。
6時まで部屋で待機し、バイキングの食事会場に向かった。バイキングは和、洋、中あり好きなものを腹いっぱい摂れるので大好きである。当然ここでも生だ。
満腹になった俺は、大浴場に向かった。松島湾が広がりなんともいい気分である。日本の和風ホテルは大好きだ。日本人はホテル選びにあたってお風呂が重要な要素であるのは言うまでもない。

翌朝は早く宿を出た。今日中に役所調査と現地調査を済ませたうえで、明日は物件調査報告書を作らなければならない。急に現実に戻った。ホテルの内部にはアポをとっていないため入れない。ただ入れるところまで入ってしまう。
現地のホテルは3方向道路で、敷地面積は2500坪ある。俺は先ずカメラをもって敷地外周の境界杭と道路状況を確認して写真を撮りまくった。性能のよくないデジタルカメラであるが、後日の確認のためこれでもかっていうぐらい写真をとった。

そして敷地内に侵入する。ホテルに近づくとエントランスが見えてきた。外部には残置物がおかれている。金目ものはない。エントランスのガラスから内部が確認できる。残置物の山だ。旅館の備品のほとんどは産業廃棄物で処理費用はダンプ1台いくら、という計算である。またこの古い鉄筋コンクリートはアスベストが混入していないかが心配の種である。

幸いこの建物の管理している人間には会わずに済んだ。見つかったら資料を見せて購入検討していると答えるかそのまま逃げるかである。とにかく不法に侵入しているのは事実だから。

駅までのアプローチ写真も十分にとり、俺はタクシーに乗り込んだ。役場は松島駅にある。俺は役場に向かった。



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