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初めての上司 思い出と偲ぶ会PART2

肌寒い小雨模様のS駅前は、ゴールデンウィークに伴う帰省や旅行の人々で賑わっていた。ようやくコロナウイルス感染者数も減少傾向を示し連休を迎え活気が戻ってきたようだ。
私は、毎年K課長を偲ぶ会が開催される駅前の居酒屋を訪れた。待ち合わせ時間10分前には既に懐かしいメンバー全員が揃った。いつもの個室に案内されて3年ぶりの再会にみな談笑しながら乾杯を迎えた。K課長の奥様も偲ぶ会発足以来、毎年ご参加頂いている。
皆かわりなく元気で再会出来たのは今日ここに集えた方々が余裕あるレベルにいるからかもしれない。今回の参加者は私を含めて7名。来られなかったメンバーも数人おり、聞けば様々な事情があるようだ。

当時、新入社員だった私は、この偲ぶ会でも1番年下。手際よく先輩方の指示をこなしながら注文取りやらお酒を注ぎ足したり少々緊張しながら忙しく気配りに努めた。すっかりあの頃の飲み会のようで懐かしさも感じる。

場も和み落ち着いたところで、それぞれの近況を発表しフロアーからの質疑応答となった。各自のこの3年間に起こったこと、主に今の仕事や健康のこと、家族の話など、実に興味深い話に皆、聞き耳を立てている。コロナ禍でそれぞれが必死に生きてきたのだ。既に退職された方、出向された方など、先輩方もみなそれなりに苦労されている様子だ。
しかし偲ぶ会に毎回出席される先輩方は比較的、仕事や収入面では、とても恵まれていると感じる。参加メンバーで数少ない現役の私からすると良き時代の勝ち組指定券を得て悠々自適に人生を謳歌しているようで大きな世代間格差を感じたからだ。恐らく私よりもっと若い現役MR世代からしたら、この想いは更に強いと思う。
高齢化社会、年金制度問題、社会保障、コロナ禍、DXやIT導入による雇用の不安感など。
先輩達はいく同音に、「資格をとれ!自分の強みを極めろ!」と心配頂くが、皆さん薬剤師の免許を持ち、その国家資格は大きな強みであることは間違いないだろう。
残念ながら私は、薬剤師では無いので、セカンドライフでは、先輩達とは幾分違う選択肢を見つける必要があるようだ。先輩達と酒を酌み交わしつつ自分の課題や備えを想い描いてみた。
言えることは、K課長のもとで新入社員をスタートさせその教えのもと会社員として日々歩んできたこと。そして節目の時期にこうして様々な未来への助言を与えてくれる先輩達に恵まれていること。人に恵まれてここまでこれたことに感謝したい。改めて人生は常に一期一会だと思う。

もう一つ、K課長についての思い出として心に残る言葉。
「明るく・楽しく・仕事は厳しく!」
これは、K課長の営業所スローガンでした。
K課長によると職場感情と言うものがあるそうですが、上司と部下、同僚同士が信頼し合い、明るくいつも楽しく仕事が出来る環境を造ることが大事であり、それが職場感情を良くすることだそうです。馴れ合いでは無く仕事に置いては常に真剣で厳しくもあること。これらのバランスが大切だと言っておられました。
K課長は、お酒が好きで麻雀が大好きで。渓流釣りに命を燃やし、それでいて仕事に置いては熱血感。人情味があって部下を育てて希望の職責を叶えてくれる人でした。部下達も上司であるK課長と酒を飲むことが好きでした。今思えばみんな関わり合う時間がとてもDEEPであったと思います。

コロナ禍の時代になり、人と人が深い関わりを築けない現在、どんな形で「明るく・楽しく・仕事は厳しく!」を具現化出来るでしょうか?
メールやチャット、オンライン会議、オンライン面談など。仮想空間でアバターを通じた世界で疑似体験的アプローチが補っていくでしょうか?

これからのより良い職場感情作りは、とても難しいと思いますが、リアルでもオンラインでも関わり合う時間を持つこと、それを明るく楽しい時間に出来るかが大切だと思いました。

以上、K課長を偲ぶ会で私が感じたことを綴ってみました。

K課長の頃の職場メンバーとの日々は、コーヒーカラーの「人生に乾杯を!」の歌詞や曲と重なり合います。もし良かったら皆さんも検索して聴いてみてください。

「人生に乾杯を!」歌詞
歌:コーヒーカラー
作詞:仲山卯月
作曲:仲山卯月

別れの時は近づいてる
抜け殻みたいな太陽抱き締めて
見飽きたこの街で杯を交わす
勝ち組 負け組
人によっては色々あるけど

つまらない区別や劣等感も
ごちゃまぜにとにかく歩いた月日
俺たちはそうさ トムソーヤじゃないか
無限のネオンに漕ぎ出していく

ああ いつの間に流れ行く毎日が雲のように
風のように鳥のように飛んでいく

あなたに乾杯しよう乾杯しよう乾杯しよう
戸惑いを飲み干して またひとつ酔えばいい
別れの悲しみを寂しさを
切なさを背負うたび人は皆 人生に慣れていく

あの頃のことを覚えているかい
真っ赤ッ赤な目をして朝日を数え
無理だって誰もが言えないような
リベンジ誓った あの顔つきのまま

ああ 広い海 目の前に潮風に立ち尽くす
目を伏せず蜃気楼焼き付けて

みんなで乾杯しよう乾杯しよう乾杯しよう
青春がプカプカと泡になり はじけ飛ぶ
今日の日を忘れない それぞれに抱き締めて
強くなる 俺たちは 人生を手に入れる

最後に乾杯しよう乾杯しよう乾杯しよう
胸の奥 秘めた事 今夜なら言えるかな
時には叫びあいハシャギ合い競いあい
裏切りも少しだけ 人生はチャンポンさ

必ず乾杯しよう乾杯しよう乾杯しよう
この次に会う時は指を差しからかおう
いつの日か夕焼けの帰り道 眩しげに
振り返る我が道に人生に乾杯を!

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