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ナノハとカラシ(#毎週ショートショートnote)

ナノハはカラシと一緒に育った。
素直なナノハと、皮肉屋なカラシは度々ぶつかった。

「なんでそんな、意地悪を言うの!」
カラシの皮肉に苦い思いをしていたナノハが言うと、
「お前がいつもドン臭いんだよ。」
カラシがそう返すのが、常であった。

ある時、ナノハとカラシは大喧嘩をした。
カラシの態度にしびれを切らしたナノハが激怒したのだ。
「あんたなんて、いなくても私は生きていけるんだから!」

カラシは、ちょっと寂しそうに答えた。
「ああ、そうかよ。」

翌日、ナノハは辺りを見回したが、カラシの姿がない。
自分の発言を苦々しく思い出した。

次の日も、次の日も、カラシの姿はなかった。
ナノハは、自分の素直な気持ちに気がついた。

「カラシに、逢いたい…。」



「本日のお通し物語:ナノハとカラシ」
居酒屋の席には、冷水とともに、物語が書かれた紙があった。
結局、彼らは会えたんだろうか?

やがて、店員が襖を開けた。

「お待たせしました。菜の花のからしえでございます。」

(了:410文字)


田原にかさんの「 #毎週ショートショートnote 」に参加しています。今回のお題は「 #逢いたい菜 」でした。

多分彼ら、下記ショートショートのししとう兄弟と同じ世界線にいます。


菜の花(セイヨウアブラナ)とからし菜(セイヨウカラシナ)は群生してるとほとんど見分けがつかないようです。「菜の花」についての詳しいサイトはこちら↓↓

読んでいただきありがとうございました!



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