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おきにいりnote

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なんとなくいいな、の世界 (読ませていただいてる長編小説のしおりにも使用しています🍀)
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#エッセイ

るっくばっく(仮)

るっくばっく(仮)

 高校時代の担任は軍人教官のように厳しい人間だった。特にそのもの言いは遠慮がなく、腑抜けた態度を取る者がいれば、例え女子であろうと容赦はしなかった。
 別名、「能面」
 物怪のような異名を持つ先生と面と向き合うには相応の覚悟と勇気が要った。

 初めて、その姿を目の当たりにしたのは入学してまだ間もない頃のことだ。全校集会の壇上で立ち構えていたのは、柳のような静けさをたずさえた男だった。

「己を知

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かまってちゃんはこまったちゃん

かまってちゃんはこまったちゃん

宝くじ売り場で働いています。
大抵は1人きりで働くのですが、いきなり1人で働くわけではなく、ベテラン先輩との研修を経て、1人で働くようになります。

研修中、先輩が
『あ〜ぁ、あの人あんなになっちゃって』と呟いたので目を向けてみると、枯れ枝のように細いおじいちゃんが、杖をつきながら、小さな歩みで、ゆっくりゆっくり歩いていました。
先輩の話は続いて、
『宝くじを買いに来るお客さんて、お年寄り率が高い

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自分の文章について今一度見つめ直す野良犬

自分の文章について今一度見つめ直す野良犬

 Xでスペースなるものを利用してみた。とはいっても、部屋を作ったっきり何も発言はしない。一人だから。
 どうせ私がやるとき(深夜四時を回ったころ)には誰も起きていないだろうし、あまり話す予定も覚悟も無いのだけれど、いつ聞かれても、いつ話しかけられてもおかしくないという状況下に置かれると、すこぶる作業が捗る。意外といいかもしれない。

 いや、嘘だ。正直に言うと、緊張して気が気でない。全然捗らない。

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すべての季節が出会いと別れの季節だから。

すべての季節が出会いと別れの季節だから。

秋はお別れの季節なのでしょうか。

先日、フォローしていた方が亡くなられました。
とても優しくて、明るくポジティブで、
noteの中でほんの少しお話をさせていただく
そんな程度ではありましたが、とっても素敵な方でした。

たしかその方がフォローしてくださったのは、
わたしがnoteを始めてから、
まだ2ヶ月も経たない頃だったかと思います。
仲良くしてくださっていたその方は
(と言っても人生の大先輩

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【雑談】上手いと思われてはいけない

【雑談】上手いと思われてはいけない

noteで作品を公開していると、ありがたいことにコメント欄等で、次のようなお声をいただくことがございます。

『●●●●の部分が上手いと思いました』。

それが意図したものであるにせよ、そうでないにせよ、小躍りしたくなるほど嬉しい言葉。
そう感じていただけただけでなく、わざわざその思いを届けてくださったことへの歓喜も合わさり、お声の主に深い感謝の念を覚えます。

そのようなコメントをくださる皆様、

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犬も猫も人間と同じ。「動物を飼う」ということ。

犬も猫も人間と同じ。「動物を飼う」ということ。

昨日は、20〜24日の5日間のみ
阪急うめだ本店で開催されていた
このイベントに朝から行ってきました。

「いぬとねこ シニアのそなえ展」という展示会。
写真の下にそなえ展のHPと、
「いぬとねこ シニアのそなえプロジェクト」の
HPへのリンクも記載しておきますので、ぜひ。

東京は9/4〜9/10で開催されていたようで、
東京でこのイベントに行った友人が、事前に
大阪でもあるみたいだよ!と教えて

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「真っ暗な中でキャッチボール」を想像できるか、という話。

「真っ暗な中でキャッチボール」を想像できるか、という話。

先日、とある目的から小学校を訪問した。

入口に立つ警備員に挨拶をして正門を抜けると一年生が校庭でボール投げをしていた。

真上にボールを投げて、ボールが上がっている間に「いちにさんし」と手を叩く。そしてボールをキャッチ……できない(笑) 
頭に受けたり、肩に当たって弾き飛ばしたりしてキャッキャしている。そんな彼らの笑顔は天使のよう。

校舎に入り、各学年のフロアを覗く。

オープンな造りで、教室

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目に虫が入っちゃった日

目に虫が入っちゃった日

あるところに、自他共に認める、と〜ってもコミュ力の高い、宝くじ販売員がいました。
名前はタマミーヌ。いつもニコニコしている販売員。だが、彼女の本性は…とても気分屋で、腹黒い女だったのです…

仕事の日のある朝。いつもどーりタマミーヌは自転車をかっ飛ばし、駅の駐輪場に向かっていたところ、右目に虫が飛び込んできたのです。

イタッ!こんなとき、タマミーヌはいつも思うのでした。
「もーーーっ!なんでよ!

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太陽と蝋燭。

太陽と蝋燭。

太陽の眩しさは文字通り目が眩むほど素敵で、
強く煌めくその光に誰もが元気になる。
太陽のように眩しい人も同じように素敵で、
あんなふうになれたらと思うこともある。

なら、自分はなんだろう。

例えばわたしが、

月だとしたら。
いやいや、もっともっと小さい灯り、

そう、細い蝋燭の炎だとしたら。
小さくて頼りなく僅かな空間しか照らせず、
風が吹けばすぐにかき消えてしまうような
蝋燭の小さな小さな

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【エッセイ】たくさんの人に向けて、隣で話すように

【エッセイ】たくさんの人に向けて、隣で話すように

(1280文字)
今朝は寒かった。
夜中の2時頃に寒くて起きてしまい、開けっぱなしにしていた窓を閉めた。
それから空がうっすら明るくなった頃に、また目が覚めてしまってトイレに行った。
あ、これは寒さのせいじゃなくて加齢か。
初老を実感する秋の朝。

こうやってエッセイのようなものを書いていると、読みやすいと言っていただけることがある。嬉しい限り。
何も考えないで書いているんですけどね、なんて書くと

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分厚い雲の向こうに、ラピュタの幻でも見たんだろう。

分厚い雲の向こうに、ラピュタの幻でも見たんだろう。

心の中に小坊主を住まわせていたい。

突然なんだって思われただろうか、
と思いつつ気にせず書いていく。

イメージするのはもちろん一休さんだ。
一休さんを心に住まわせていたい。

何かにつけて、

「気にしない気にしない」
「ひと休みひと休み」

とふとした時に心の中でつぶやいてもらう。

なぜかって?
自分でつぶやくよりも効果的だからだ。

なんたって相手は一休さんなのだ。
反論する気も起こるま

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ほんのわずかに紛れ込んで。

ほんのわずかに紛れ込んで。

ほんの少し前まで、
夜も明けない、朝とは言えない時間から
蝉たちの大合唱に起こされていたのに、
もう朝は、静かで。

ほんの少し前まで、
どんなに青い印に寄せても、夜になっても、
あたたかい、まるでお湯のような水しか
蛇口からは出てこなかったのに、
ふと手を洗ったと瞬間の水が
ほんの少し、ひんやり。

ほんの少し前まで、
辺りが真っ暗になる程夜に包まれても
しつこく肌にまとわりつくような湿気と熱気

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夏野菜を楽しむ週末。

夏野菜を楽しむ週末。

先週末と今週、残った野菜たちで作ったもの。

ズッキーニや茄子、トマトなどは、
もはや余るように多めに買ってしまっているので
"残った野菜"というよりは、
週末のために"残した野菜"と言う方が正しい。

去年の記事にもきっと同じことを書いている。笑

先週はズッキーニやオクラ、ミニトマト、
ししとうにフルーツパプリカと茄子。
という面々を残して、週末にこのふたつを作った。
ガラスの耐熱容器に保存し

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来年の夏はもうちょっと涼しくなりますように

来年の夏はもうちょっと涼しくなりますように



嗚呼理系

 特に理系進学をし、in vivo なれ in vitro なれ、それ系の研究室所属で卒論をやるとなると、『夏休み』(と『人権』)いう概念を全く失うのですが、人間不思議と慣れるもので、気づけば私も『夏休み』(と『人権』)を手放してから早10数年。
 我ながらよく続けているものです。

 私の記事は基本的に『R25』としておりますが、もしかしたら高校生のみなさんもうっかりご覧になって

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