見出し画像

未婚の母になってわかったこと

「この子は私生児になるんですよね。。。?」市役所で出生届けを出す時に
聞いてみた。すると市役所の職員から
「お母さん、私生児は差別用語です。婚外子と言ってください。」と言われた。『へぇ~、そうなんだ。』そんなこと知らなかった私は暢気に心の中で感心してしまった。
2015年40歳になり、結婚願望が一段と強くなり、可能なら自分で子どもを産んでみたい!!女性なら一度は持つ願望を40になって強く感じた私。
40になってそう強く思ったのは、会社勤めだけの人生に疲れ、虚しく感じたこと。私から始まる家族をつくりたい。そして子どもが欲しいならラストチャンスの年齢であることが私にそんな強い願望を持たせた。

当時付き合ってた彼は全くタイプではなく、『一目でこの人は違う』と感じた。紹介ということもあり、すぐに断りづらいこともあった。そして40歳の私に彼氏を選ぶ権利はないとも思っていた。
そんな彼も最初は私に優しかった。笑顔で私の話に付き合ってくれて、飲めないワインを一緒に飲み、楽しい時間を過ごしたこともあった。
そして結局交際5ヶ月で妊娠した私。妊娠したことに気づかずに、付き合っていた彼に別れを告げてしまった。

別れた原因はお互いに理解できない。価値観の違い。当時付き合っていた彼はお金があってもケチ。45歳で赤ちゃん言葉で話してくる気持ち悪いところがあった。彼なりの甘えなのかもしれないが、初めての経験に戸惑い、そして私はそれを不快に感じた。
しかもSNSを利用してお店や人の悪いところを拡散しているのを見てしまい、とても驚いた。何の悪気も感じてないようで、そこにもショックを受けた。やっぱり嫌悪感を感じる人とはこれ以上つきあえない。
いや。。。。結婚したいという理由だけで彼を選んだ私のバカバカバカ!

そして別れを決意し、さよならした。本当に心底ほっとした瞬間だった。
別れの翌日彼からメールが来た。「やっぱりやり直したい。」というメッセージと共に指輪の写真を送ってきた。「無理」と一言返信すると「バーカ!」と一言メールが来た。本当に別れて良かったー!

そんな別れから4週間後に妊娠に気づいた。
「あいつの子か~・・・」
正直どうしよう?と迷った。当時私は41になっていた。
高齢で中絶??いや、あれはまだ高校生なんかの無責任な子たちがやっちゃうやつでしょ?41で高校生レベルなの??私。。。ガーン!!!

そんな思いと同時に高齢でも妊娠できた喜び。子どもがきてくれた。
母親に「妊娠したみたい」と告白。
「やっとおばあちゃんになれる!」と喜ぶ母親。
なんて単純な家族。
ただ父親だけは「結婚しないなら、おろせ!」と激怒。まぁ、父親としては当たり前の発言ではある。

その後産婦人科できちんと検査して、お腹の中の赤ちゃんをエコーで見た。
「おぉ~、生きる気満々ですね。」と赤ちゃんの元気な心音を聞かせてくれた先生。

妊娠したことを相手(元彼)に報告しないとねと産婦人科で言われた。
でも報告する気になれなかった。
結婚しなくても、妊娠したことは言う義務があると周りに言われ、
気分がドーンと重くなりながら、元彼に報告。
「なんで妊娠してるかちゃんと調べて、別れないの。結婚するしかないでしょ!」と元彼。

「結婚する気はありません。認知もしなくていいです。」と私。
彼からは訴えるだの君は子どもだなど色々責められた私。

すったもんだありながら、私は子どもを無事出産した。ひとりで。
そして未婚の母に対する国の制度が寡婦に比べると圧倒的に少なく、働いても税金で独身単身者と同じ割合で持って行かれることを知った。

最近、若い女性が「離婚したら、一人で子どもを育てられる自信がない」だから結婚もしたくないし、子どもも持ちたくないと地に足のついた発言をよく聞く。とても賢い選択だとおもった。

日本の子持ち世帯に対する現在の制度では少子化は止まらない。
「子育てをちょっと手伝ったことあります」程度のおじさん政治家が
少子化対策を講じている。

それより万一ひとり親になった時には父親から養育費を国が取り立てたり、
父親が亡くなれば、養育費を国が肩代わりするなど、若い女性の万一に
備えて、子どもはみんなで育てよう!くらいの対策が必要。
高校、大学無料とか。

未婚の母は思った以上に大変。
・日本ではまだまだ「可哀想な目」で見られる
・子育てと仕事の両立は難しい
・日本は子育て中の母親に対する理解がまだまだ足りない
もちろん離婚しても一緒。だとするともう少し女性が生きやすい世の中にしなければ、子どもを持ちたい!って思えない。

どちらにしても今の日本では少子化に歯止めがかけられないだろうということが理解できた。



いいなと思ったら応援しよう!