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キロン克服のはなし

阪神大震災のあと肺癌を患い逝ってしまった。
お酒をあおり抑鬱的。気に入らなければ御膳をひっくり返すという昭和の繁栄の礎の周りに散らされた仲間達。よく物を投げてたなぁ。包丁が飛んできたのは子供心に流石にショックだったなぁ。あなたを怒らせない様にそおっとそおっと恐怖の家だった。結核で入院している間、毎晩かかる電話に母や姉は受話器を早々に私に渡すのだ。寂しかったな。だから率先して受話器を持ち電話の声に笑みを演じて届けた。いったい、家族とは何なのだろう。退院後も変わらず、当たり散らす。何故離婚しないんだろう。いつからか別居していてたまに帰って吠えられる高校生女子は家を飛び出したり。母がわたしに信心深い母の実家に逃げてと声を掛けてくれていた気がするな。母の立場を考てか行かなかったけど。
そんなはちゃめちゃから踏み出し歩けたのは、わかっていたから。愛があった事を。
ありがとう。
それから🩵🩵色々ありまして。
あなたが遺した車からレジのレシート白紙巻き数個。ボールペンでびっしりと般若心経がなん度もなん度も書かれていた。
独りで向き合っていたんだね。震災後大人しくなり夫婦で初日の出を見に行った寺で龍🐉の絵を描いてもらい、たいそう気に入ったあなた。
そんな変化を大切に見ていた母。

父は双子座キロンの世代。高度成長の中、何も持たない自分に自己否定を繰り返しどれだけ苦しかった事だろう。大変でも楽しそうにする母の姿が好きだと話していた。母へのギフトとなつた父の写経の巻物は納棺した。
凄い人だなあ…。ふたりとも。




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