トレハロース の真実
1.トレハロースとは
二つのブドウ糖(グルコース)からなる糖です。人口甘味料と勘違いされがちですが天然にも存在し、酵母に多く含まれています。食品ではキノコ類やパン、ビールなどに含まれており、甘さは砂糖の40%です。
食品加工に用いると出来立ての風味・色彩・食感を維持する効果があり、この品質維持効果は、食品だけでなく化粧品、医薬品、農業などにも応用されています。数か月おいた干し椎茸が水分に触れると元の状態に戻るのも、トレハロースの働きによるものです。
トレハロースは発見された当初(1832年)、抽出が難しく1kg当たり3~5万円していました。 が、今ではでんぷんから量産できます。
2.トレハロースの消化吸収
糖質の一種であるため、他の糖質(砂糖や麦芽糖)と消化吸収のされ方は一緒です。腸管にあるトレハラーゼという酵素によってブドウ糖に分解され吸収されます。この吸収過程がうまく働かないと(主に摂取しすぎによる)、トレハロースがブドウ糖に分解されきれず、お腹を壊すこともあります。
3.なぜ「危険」とささやかれるのか
1と2の説明を聞く限りトレハロースに特別な危険性があるようには思えませんよね。
ですが風のうわさで、「トレハロースは危険成分!」など言われています。その理由は、製造元のでんぷんの原料となるトウモロコシが海外輸入なことが多く、(日本のとうもろこしは99.999%輸入品。)海外産トウモロコシの遺伝子組み換え可能性を懸念する声があるからだと考えられます。
つまりトレハロース自体が問題というよりは、トレハロースを含む食品の質が議論対象となります。そこは勘違いせず押さえておきましょう。
4.”怪しい"甘味料
1.スクラロース
砂糖の600倍の甘さを持つ人口甘味料で、消化管などに与える影響については未解明の部分が多い。そのため人体に与える影響は計り知れない。 安全を憂慮するなら大量摂取は控えた方がいいだろう。
摂取基準も設けられており、基本的に1kgにつき0.58gより多く含むものは売出不可。
2.アスパルテーム
砂糖の200倍の甘さを持つ人工甘味料。スクラロースと同様、未解明の部分が多く、大量摂取はお勧めできない。
5.コラム(グルテンについて)
近年、グルテンが腸に悪影響である、といううわさが一部でささやかれています。グルテンフリーなる食品が人気になったりもしています。グルテンは人体に危険なのでしょうか?
グルテンは小麦粉に水を加えてできる成分で、粘り気や弾力があります。パンやパスタ、ピザやスイーツの原料となります。
グルテンは特に、日本人の体質に合いにくく、摂取により免疫細胞がグルテンを攻撃し、アレルギー反応などを引き起こす可能性があります。また腸内トラブルを引き起こす成分も存在します。
しかし結局、グルテンによる悪影響も、大量摂取によるものです。グルテンの取りすぎは危険ですが、全く摂取しないのも栄養素不足をもたらしうるため、逆に危険です。
参考文献
TREHAweb (トレハロースとは | TREHA Web -トレハウェブ-)
2025/01/02
ヘルスケアPOCKET (トレハロースとは?【6つの使い方や危険性も知っておこう!】 | ヘルスケアPOCKET【医師・薬剤師監修 病気の症状・原因・治療法を解説】) 2025/1/02