【骨格筋の種類】

前回は筋線維や収縮について投稿をしたので今回は種類について投稿します。

形状の種類

①平行筋(紡錘筋)
筋束の大部分が筋の長軸方向に対して平行に配列。筋束が付着する腱膜が筋線維より短い。

②羽状筋
筋束が筋の長軸に対して斜めに配列。両羽状筋や多羽状筋がある。腱膜が筋線維長より長い。一般人では羽状角は5~25度。

③多頭筋
筋頭が1つを単頭。2つを二頭、3つを三頭と呼ぶ。

④板状筋
長い腱膜を持つ平たい板状の筋。三角形や四角形が多い。

筋収縮の種類

①等尺性収縮(isometric contraction)
筋の両端が固定され筋長が変化しない。※実際には筋は短縮し腱が伸張する

②短縮性収縮・求心性収縮(concentric contraction)
筋長が短縮し、起始と停止が近づく。

③伸張性収縮・遠心性収縮(eccentric contraction)
筋長が延長し起始と停止が離れる。

※求心性収縮に対抗して他動的に遠心性に力を加えた時の収縮をisolytic contoractionといい等尺性収縮の30~40%強い力を発揮する。

運動様式による種類

①等尺性収縮(isometric contraction)

②等張性収縮(isotonic contraction)
筋の発生する張力が一定であるときの関節運動時の筋収縮。
重力やモーメントアームの影響を受けるので厳密な等張性収縮はない。

③等速性収縮(isokinetic contraction)
筋の収縮速度が一定となるような関節運動時の筋収縮。

筋断面積

筋線維に対して垂直な面、生理学的筋断面(PCSA)は筋力に比例する。
一方で一般的に筋断面積といえば筋の長軸に対して垂直な面、解剖学的断面積を指す(ACSA)。
紡錘筋はACSAとPCSAは等しいが、羽状筋ではACSAよりPCSAの方が大きくなる。よって紡錘筋よりも高い収縮力を発揮することができる。
しかし羽状角が45度以上になると腱への伝達効率が悪くなり張力発生に不利になる。

筋線維長

筋線維長と筋収縮速度は比例する。
紡錘筋は筋長と筋線維長は等しくなる。羽状筋は筋長より筋線維長が短くなる。よって羽状筋よりも紡錘筋の方が筋収縮速度は速い。

紡錘筋と羽状筋の違いまとめ


1つの筋節をエンジンとして、直列エンジンが紡錘筋で並列エンジンが羽状筋で例える。
直列エンジンの紡錘筋は筋線維の数は多く入らないが筋線維長は長くなる。
10mm/sの速さの筋節を直列で3つ並べた場合は30mm/sの収縮速度を発揮することができる。
しかし10mm/sの筋節を3つ並列に並べても1つの収縮速度は変わらず10mm/sしか発揮できない。

筋張力の場合は1つ10㎏の張力を発揮する筋節を3つ直列に並べても全体で発揮できる張力は10㎏しかないが、
並列に並べた場合は30㎏の張力を発揮することができる。

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