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2.【小説】 偏屈こぼれ話

    ◉ 喪中

(前回の続き)

「遠く離れた地域の人なので
 行く事も出来ず
 なぜ死んでしまったのかも
 分からず落ち込んだよ。」

 《無理してでも行けば良かったのに・・・》

「一生懸命に努力をし続けていたのに
 ほんとに残念でしょうがない。

 どうして
 亡くなってしまったんだよ。

 ほんとに悲しいよ。」

《かなり耐えたんだな。》

「それから
 しばらくやる気を
 なくしたんだけど

 でも何週間かして考えなおして
 その人の分まで
 元気にやる事にしたんだよ。」

《なんで亡くなったか
   気には
     ならなかったのかな・・・》

「落ち込んでいても
 何も解決しないからな。」

  《そうだよな!》

「前を向いて進んで行きたいよ。」

話がちょうど終わった時に

「笹野さん 笹野則夫さん。」

と男は看護師さんに呼ばれて
診察室に入って行った。

《あっさりした話だったな。

 まあ 他人事なんだけどね。》

〜つづく〜

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