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QUEENの「おもてなし」

QUEENのライブを盛り上げる曲の一つに、「Let Me Entertain You(レット•ミー•エンターテイン•ユー)という曲があります。


◆Let Me Entertain You(QUEEN)


Let Me Entertain You=あなたを楽しませてさしあげます


フレディが作ったこちらの曲は、一言で言うと「おもてなしソング」でしょうか。

当時、QUEENを"過剰なパフォーマンスで見栄っ張り、ただの目立ちたがり屋"と揶揄していた雑誌社や評論家を嘲笑うかのような、挑発的な歌詞と歌い方が爽快な曲です。

Hey it's a sellout
チケットは完売だぜ〜

というフレディのご機嫌な雄叫びから始まり、

Let me welcome you, ladies and gentlemen
紳士淑女のみなさま、ようこそ

I would like to say hello
まずは歓迎の挨拶をいたします

こんなかしこまった挨拶が入り、


Are you ready for some entertainment
楽しむ準備はできてるかい?

Are you ready for a show
ショーを見る準備はできてるかい?

というワクワクする歌詞が続きます。
以下、終始自信満々のご機嫌ソングです。

I've come here to sell you my body
この体を売りに来たんだ

こんなドキッとする歌詞や

We'll give you a crazy performance
イかれたパフォーマンスをしてみせるよ

We'll give you grounds for divorce
離婚の原因になるくらいのね

こんなドッキュン♡する歌詞や

Hey if you need a fix
もしもクスリが必要なら

If you want a high
ハイになりたいなら

Stickells' see to that
スティッケルズ(マネージャーの名前)に頼めばいい

なんて過激な歌詞が続いたり。と。

でもさすがフレディ、

Just take a look at the menu
こちらのメニューをご覧ください

We give you rock a la carte
お好みのロックをさしあげます

We'll breakfast at Tiffany's
ティファニーの店で朝食を出すし

過激な歌詞の後には、「ティファニーで朝食を」を彷彿とさせる歌詞がフレディらしい。
さりげなく上品さをしのばせているところがフレディ流ですよね。

そして、その後の歌詞がたまらんのです!

We'll sing to you in Japanese
日本語でだって歌うよ

そう、メニューの中には「日本語の曲」もありますよ、と。

みなさん、こんな所にもフレディの日本愛が…!(涙)


ここを聴きたいために何度ライブ映像を見たことか。

この歌詞を見て、にんまりするのは実際にライブで日本語の曲、「手をとりあって」を歌っているからなんですよね。

しかも、日本でだけなんです!

QUEENによる、日本限定の「おもてなし」!

(他の国で日本語の曲を歌ったって誰も意味わからないので当たり前なのだが)

ああ、つくづく日本人で良かった。なんて、一人満足するQUEENオタクなのでした。

◼️QUEENの「おもてなし」とは


ところで、「おもてなし」といえば、QUEEN主催のパーティが桁外れであったことはご存知でしょうか。

この曲が入ったアルバム「ジャズ」のリリース記念に開催されたパーティは、後々QUEENの伝説のパーティと呼ばれるほど悪名高いものだったのです。

歌詞に出てくる内容なんて、かわいいもの。語り継がれているQUEENのパーティの内容は、ファンになった当時の私には刺激的なものでした。清純ぶってるわけではございません。

変に濁してもアレなんで、少々卑猥な表現になりますが、まんま書きます。大人のみなさんはどうぞ大目に見てやってくださいね。

多少は盛ってあるのかも知れませんが、どの書籍にも同じような内容で記載されています。

ニューオーリンズで開催され、"狂乱の宴"と評されたQUEENのパーティは、娯楽と飲食だけで4000万円以上かけられ、400〜500人の招待客が招かれました。ホテルの盛大なパーティ会場までエスコートされた、招待客を待ち受けていたものは…。

フレディが冗談混じりで招待客に伝えていた言葉は、「手ぶらで来ていいけど、避妊具だけは持って来てね」だったという(!)。この言葉でどんなパーティだったのかお察しいただけると思います。

会場では、生の肉片がぷるぷる転がるプールの中で、全裸の女性達がレスリングをしていたり、へびを飲み込む芸人たちが全裸でお酒を提供していたという。また、チップは手渡しではなく、体のあらゆる穴に入れるというルールだったというのが悪趣味なところ…,

女体盛り(男性という説も?)がそこら中にあり、ルームサービスならぬ「リップサービス(フレディ曰く)」を受けられる部屋の前で行列ができていた、というお話も…。まあ要するに会場でおもてなしをしていた人たちは、皆ほぼ全裸ということでした。


↑良い子は読まないでね、という内容ですね。

パーティの様子が一部写真集に載っていますが、フレディがむき出しの女性のヒップにサインをしていました。

しかし、その写真を見ても全くいやらしく感じないのが感覚が麻痺してしまっているからなのだろうか?

なんとも、ロックバンドの規格外の「おもてなし」ですね。

Let Me Entertain You=あなたを楽しませてさしあげます

いやいや、やりすぎです。

こんな盛大で猥雑なパーティは、後々まで語り継がれることになるのでした。

また、こんなモラルの境界線を超えたパーティではあったものの、バンドのメンバーはちょっとした悪ふざけで、アルバムの宣伝ビジネスの一部だと捉えていたというのが驚くところです。

これにより、またしてもQUEENが批評家達の槍玉にあげられたのは言うまでもないのですが、その後も度を超えたQUEENのパーティは懲りずに続いたそうです。

当然、フレディ個人のパーティも相当なものだったそうですが、ただ、どのパーティでも常に招待客の様子に気を配る主催者(QUEEN、フレディ)がいて、注意深く運営していたという。…なんて、なんの擁護にもならないか。


古い時代のお話です。

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