フレディ・マーキュリーと「煙草」
フレディのインタビュー映像を見ていると、ひっきりなしに煙草をふかしている姿があります。口早に話すフレディが、言葉に詰まった時やインタビュアーが質問している時などに、眉間に皺を寄せて、すーっと煙草を吸い込む場面が多々あります。
その表情、仕草が渋くてたまらん…。
また、煙草を手にしたフレディの写真も幾つも見受けられます。フレディといえば煙草、というくらい、ごくナチュラルにフレディには煙草が馴染んでいます。
今の時代、煙草は敬遠されがちで、愛煙家の方々は肩身の狭い思いをされていることと思います。私自身は喫煙経験はないのですが、大学生時代から社会人に至り結婚するまでは愛煙家に囲まれていました。
今では夫は禁煙しているので煙草の匂いのある環境にはありませんが、私にとって煙草は甘酸っぱい思い出の香り…といったところです。
そして煙草の匂いは決して嫌いではない…というと、問題発言でしょうか。
◼️フレディが愛煙家になった理由
さて、ベビースモーカーであったフレディは、どんな煙草を吸っていたのでしょうかね。それは後に述べるとして。
友人の、ピーター・フリーストンの情報によると、フレディが煙草を吸っている姿を初めて見たのは80年代に入った頃だそうです。ということはフレディ34歳くらい。
フレディはもともと煙草を吸っていなかったのでしょうか?
70年代の写真を探ってみると、煙草の箱を持ったり、煙草を咥えたロジャーの写真はありますが、フレディ、ブライアン、ジョンの手元には煙草はありません。
そういえば、70年代の長髪のフレディのインタビューでは、手元に煙草はありませんでした。かわりにティーカップやワイングラス(中身は分かりませんが)を上品に持ち、インタビューに応じていました。
フレディは70年代、煙草を吸っていなかったのか、吸っていたとしても本数は多くなかったのかも知れませんね。
ところが80年代に入ると、相当なベビースモーカーになったのです。シャイなフレディは、インタビューの際、手持ち無沙汰になるのを避けるため、また冷静さを保つため、喫煙家になった、という説もあります。
更には、煙草を吸うことによって、フレディが憧れていた「野太くしゃがれた声」を手に入れることができ、満足していたそうです。
フレディは、デビュー前/当初は「なよなよした声」と批評されていたので、雑誌などにそう書かれることを気にしていたのでしょうか。
いや、フレディが雑誌の論評など気にしていたとは思えないですよね。彼自身の理想の声が、「野太い声」だったのでしょう。
私は初期のフレディの初々しいボーカルが大好きなのですけど。
◼️フレディが吸っていた煙草とは?
1日2箱は軽く吸っていたというフレディが最初に嗜んでいたのが、「マルボロレッド」だそうです。
愛煙家の方なら「ああ、あれか!」と思われる銘柄でしょうか。
その後、すぐに「シルクカット」に切り替えたそうです。
そして、「紫色のパッケージ」のものを吸い始め、時が経つにつれて「淡い黄色のパッケージ」のものを吸い続けたのだとか。
…て、どれかわからーん!
煙草に詳しくないものには、なんのことやら?画像を調べてみるも、コレ!と特定できず。
まあ、知ったところで吸うわけでもなく、どうってことはないのですけどね。
そんなベビースモーカーのフレディでしたが、1989年には、プレッシャーがかかったときにスタジオでたまに吸う以外は、吸うのをやめたそうです。
病気が発覚した際に、医師の助言により、煙草もお酒も控え気味になったということです。
余談ですが、フレディの喫煙ショットで好きな写真があります。スタジオのミキサーの前の椅子に腰掛けた短髪、髭姿のフレディが、煙草を咥えて振り返っている写真です。「ん?仕事中なんだが、何?」という表情にドキッとします。働く男、フレディの姿。ああ、煙草がよく似合う。
◼️ヘビースモーカーになる前のフレディの声
フレディは煙草によって(それだけではないはずですが)憧れの「野太い声」を手に入れたわけですが、デビュー前の爽やかなフレディの声もそれはもう素敵なんですよね。
こちら、「ラリー・ルレックス」という名前で収録したカバー曲です。ブライアンとロジャーが演奏しています。(ジョンはまだ加入していません)
無感情で淡々と歌うボーカルが新鮮な、QUEENデビュー前のフレディの声です。
QUEEN後半のワイルドで男らしいフレディの声も素敵ですが、こんなフレッシュな声もいいと思いませんか。
この頃には煙草を吸っていたのかは不明ですが、この声を聴くと、キュンと淡い思いを抱いてしまう…。
◆「Goin' Back 」Larry Lurex(フレディ・マーキュリー)