元祖QUEEN役のキッズ達
映画「ボヘミアン・ラプソディ」をご覧になった方は、フレディ役のラミ・マレックはフレディに瓜二つ、ブライアン・メイに至っては、どっちがどっち？と混乱するくらい若い頃のブライアンにそっくりだと思われたのではないでしょうか。
フレディのアイコンはヒゲ、若い頃はロングヘアにレオタード、ブライアンはカーリーヘアですぐになれちゃう。その分ロジャー、ジョン役は演技するのに難しかったのかしら？
ところで、映画「ボヘミアン・ラプソディ」よりも前に、QUEEN役を務めた四人のキッズ達がいたのをご存知でしょうか。
「The Miracle(ザ・ミラクル)」のMVに登場しているキッズ達です。
まさにQUEEN役としてQUEENのメンバーから直々に選ばれた四人のキッズ達です。応募者1000人超えの中からの厳選された四人ということで、彼らの演技力には目を見張るものがあります。
このMVを観ていただけるとお分かりの通り、とっても完成度が高いです。
彼らはアドリブで演じていた箇所も多く、演技中QUEENのメンバー、撮影スタッフ達からスタンディングオベーションが起きたほどたったとか。
そのMVがこちらです。
◆「The Miracle(ザ・ミラクル)」
フレディ役はやや美少年すぎるが（笑）、フレディ顔負けの動き(胸毛もつけていたら尚良かったが)。ブライアン役も決めポーズがバッチリ。ロジャーはサングラスとボーダーシャツでなれちゃう？ジョンは難しそうだけど、動きの再現度が高すぎる。みんなよく観察しているなと感心します。
ただファンとして少し残念なのが、フレディのマイクの持ち方でした。フレディは左手でマイクを持つ時には人差し指をマイクに引っ掛けて持つんですよね。
この持ち方は小さな子供の手では難しいでしょうね。
映画ボヘミアン・ラプソディでラミはしっかりと再現していました。
◼️QUEENキッズ達は？
ところで彼らは今どうしているのだろう？
と調べてみると、
フレディ役＝ロス・マッコール氏(当時13歳)は俳優として活躍中。
ブライアン役＝ポール・ハワード氏
ジョン役＝ジェイムズ・カリー氏
ロジャー役＝アダム・グラディッシュ氏
はその後表舞台には出てきていない様子。
俳優、ロス・マッコールには映画「ボヘミアン・ラプソディ」のオファーはなかったのか？笑
このMVの主役は四人のキッズ達ですが、後半にはしっかりと本人達が登場します。
メンバーが登場するシーンで、解説の副音声でブライアンが、「オヤジたちだ…」とボソッとつぶやくのが笑えます。キッズ達と一緒にいるとQUEENは確かにオヤジたちだ…。
◼️「ザ・ミラクル」について
「The Miracle(ザ・ミラクル)」は、QUEENファン以外の方はあまり馴染みのない曲ですよね。こちらは1989年に発表された、フレディが作った曲です。
この頃のフレディは検査により当時不治の病とされていた自身の病名を知り、絶望の中にいながらも大好きな音楽の仕事に没頭することで生きる活力を見出していました。
そんな中で作られた曲です。ブライアンは、「死刑宣告された男が奇跡を歌っているんだ…」としんみりと語っていました。
フレディはメッセージソングを作ることを嫌がっていましたが、この曲は珍しくフレディのメッセージソングです。
We’re having a miracle on earth, mother nature does it all for us,
僕たちのこの地球上には 母なる自然がもたらしてくれた奇跡がある
こんな真面目な歌詞は、少しフレディらしくないなと感じてしまいますが、
Super powers always fighting
Mona Lisa just keeps on smiling
超大国はいつも戦争しているけど
モナ・リザはずっと微笑み続けているんだ
この歌詞は絵画を愛したフレディらしいですよね。
平和を夢見て、「僕たちはみんな友達になれる日がくるよ」と歌っています。
この頃のフレディの背景を考えると、「奇跡」を誰より信じたかったのだろうなと思います。
ブライアンはこの曲をライブで演奏したかったそうですが、このアルバムが完成したあたりからフレディの病状はどんどん悪化していき、ライブで演奏されることはありませんでした。
ちなみにブライアンは、フレディの作った曲の中でこの曲が一番好きだと語っていました。
個人的には、フレディが幼少期に過ごしたインドの「タージマハル」と、彼の憧れの人、「ジミ・ヘンドリックス」を、「奇跡なんだ」と歌う所が好きです。
フレディが願う奇跡に、キッズ達を登場させたのも希望を見出したかったからなのかな…なんて。