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初めてチャートインした「QUEENの曲」

QUEENには数々のヒットソングがありますが、一番初めに売れた曲はご存知でしょうか。

リアルタイムでQUEENを知らない私は、ファンになった当初は、初めて売れたQUEENの曲は、ファーストシングルのKeep Yourself Alive(炎のロックンロール)だろう、と思っていました。

なぜなら、デビュー曲でもあるこの曲はベストアルバムにも含まれており、初期のQUEENを語る書籍や映像には必ず登場し、ファンなら誰もが知るQUEENを象徴する曲だからです。

この曲でQUEENは華々しくデビューし、とんとん拍子にトップへ登り詰めたんだ、と当時は思っていました。

ところが実のところはびっくり。

ファーストシングル(Keep Yourself Alive)は鳴かず飛ばす。ファーストアルバム(Queen)の売れ行きもいまひとつで、続くセカンドシングルLiar(ライアー)もそこまで注目されず、しばらくQUEENはヒット曲に恵まれなかったのです。

そんなQUEENの転機となったのが、これからご紹介する曲です。

きっかけはなんとデヴィッド・ボウイでした。本来はデヴィッド・ボウイが出演予定であったBBCのテレビ番組を彼がキャンセルしたため、急遽QUEENに出演のオファーが舞い込んできたのでした。

そこで演奏された(口パクとはいえ)この曲が、最初のヒット曲になったのです。

QUEENのメンバー、デヴィッド・ボウイに足を向けて眠れないですね。


◆「Seven Seas of Rhye(輝ける7つの海)


ピアノの名手、フレディが奏でるキラキラとしたピアノの音が「輝ける」という邦題を付けさせたのだろうか?

こちら、もともとアルバム用に作られた曲で、BBCの番組に出演した際にはシングルにすらされていませんでした。番組をきっかけにラジオでもかかるようになり、シングルカットされるとついにイギリスで初めてチャートインしたのです。

ここで余談ですが、この頃ほぼ無名であったQUEENの曲をラジオでかけてもらえることだけでも喜ばしいことなのに、フレディはラジオ局に「このバージョンで流すな!」と怒りの電話をかけてきて、新しい音源を送りつけてきたという。

リリースは前後していますが、のちにQUEENの名盤QUEENⅡのラストを飾る曲として収録されました。

私はアルバム「QUEENⅡ」でQUEENの洗礼を受けた人間なので、当然この曲にも熱い思いを持っています。

それにしても、なんと、この曲が初めてQUEENがチャートインした曲なのだな、と後から事実を知って感慨深くなりました。


さて、このキラキラとした曲は何を歌っているのか、とCDの和訳を読んだ時に、「おおっ!」となりました。

Fear me,
君主たち

You lords and lady preachers.
お前が男でも女でも 私に怯えるといい

I descend upon your earth from the skies.
我は 天からこの地上にやって来た

QUEENⅡCD和訳より


この冒頭の歌詞から、王冠を被ったフレディの仰々しい姿が浮かんでくる。当然長髪のフレディである。

「我にひれ伏せよ」

という、王者君臨を高々と謳うフレディ。

"ははー、フレディ様。ひれ伏しますとも〜"と、身をかがめたくなる。

しかし歌詞をよく読んでみると、コミカルな面やダジャレ、皮肉混じりのユーモアも盛り込まれ、まさに、フレディワールドここに極まれり!といった曲なのです。

フレディ曰く、この曲は完全なファンタジーで、自分が作り上げた空想の世界を謳っているという。曲名の「Seven Seas of Rhye」は、直訳すると「Rhye(ライ)の七つの海」。「Rhye(ライ)」とは、フレディが作り上げた空想の国なのである。

「Rhye(ライ)の国の王である我の言いなりになりたまえ!」

という曲なのである。


この「Rhye(ライ)」については、やはりファンの中で様々な説がありますが、正解は知り得ないので、ただただ「フレディの空想の国」なんだ、と私は納得しています。

「QUEENⅡ」には、フレディが創り上げた、人喰い鬼や妖精、女王が出てくる曲が並んでいますが、ついに空想の国「Rhye(ライ)の国」まで登場したというわけです。

そう、意外かも知れませんが、この頃のフレディの歌詞にはファンタジックな世界が満載なのです。

また、ファンならご存知の通り、次のアルバムの「谷間のゆり」にも「Rhye(ライ)」は出て来ます。

当然のように出てくる「Rhye(ライ)の国」。

当時、Rhye(ライ)の国?なんじゃそれ?」と突っ込んだ人はいたのかな?

フレディは後期には「歌詞を書くのが苦手」だと語っていましたが、この頃のフレディの創造力には目を見張るものがあり、きっと次々と歌詞が湧き出ていたんじゃないかな、と想像します。

QUEENファンではない方にも是非聴いていただきたい、「初めてチャートインしたQUEENの曲」です。

ちなみに、MVはなんと日本だらけ。この頃に日本で大歓迎を受けたQUEENから、日本への感謝の気持ちが溢れているような素敵なMVも見どころです。


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