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宇宙軍3(狙われる)

そして、星に着く。そして訪れたのが、この小さな星だ。
でも、小さいワリに設備は凄く整っている。
だから、光輝は給油する星にここを選んだろう。
給油が終わるまで丸1日掛かる。
その間この星にお世話になることになる。
カーゼルは頭首と友達らしく、碇は、秘書の方と、仕事の話があるらしく二人はこの星で降りるらしい。
僕はどうしようと思ってると、艦長に言われた。
「冬眞にも、屋敷の主を紹介しておきたいから、今回は、我々と降りろ」と。
で、その下りる前に何のことか分からないが、光輝に注意されたことがある。
「降りる前に言っとく、この星の主とはまともに会話が出来ると思うな。だから、軽く適当に、あしらっておくに限る」
「はい」
分からないながらも、冬眞は頷いた。
でも、どういうことか直ぐに分かる。
初めてということで、冬眞は緊張していたが出鼻から、くじかれることとなる。
と、いうのも待っていたのは、艦長に対する異常なまでの歓迎ぶりだったからだ。
その歓迎ぶりと来たら、ある意味冬眞は引いた。
と言うのも、男が男に抱きついているのだから。
引くなという方が、無理である。
光輝はもう、慣れているらしく、ポンポンと背を叩いて、答える。
「はいはい、俺は元気だよ。お前は?」
そう聞くと、さらにすり寄る。
「はいはい」
と背中を叩く。
「元気なのな。何もなかったか?」
またすり寄られる。
それに対して艦長は平然と答える。
「何もなくって良かったよ」
どうして、艦長は分かるんだろう?
相手は、何も言っていないのに。
光輝は抱きついてる男を紹介する。
「あっ、冬眞この人が、この星の主;小早川拓也(コバヤカワタクヤ)だ」
「お世話になります。あっ、申し遅れました上原冬眞と言います」
「はい、よろしく」
すぐ冬眞から、興味を失ったらしく艦長に夢中だ。
ここまで夢中になれるのも、ある意味不思議だ。
冬眞が引いているのが分かった光輝は、困ったように言う。
「引くな引くな、冬眞君。別段こいつはホモじゃない」
「はぁ~」
冬眞は抑揚のない声で言う。
それをどこまで信じて良いか分からなかったからだ。
「何か紹介の仕方が、光輝ひどいなぁ」
「そうか、艦長こういうことですね?」
「何がだい?」
小早川が優しく聞く。
それに、冬眞はだまされた?
「えっと、確かあなたとまともに話ができると思うなと、軽く適当にアシラっておけと」
「冬眞」
そう言って、光輝は『あちゃ~』と、頭を抱えた。
「あれ、違いましたっけ?」
「イヤ、有ってるよ。でも……」
と、光輝の顔は曇っていた。
「あっ」
光輝の姿を見て、それがどれだけ小早川に失礼なことか気付く。
「失礼しました」
勢いよく頭を下げる。
「別に良いよ。ただ、光輝が僕に惚れてるって分かって、逆に嬉しいよ」
嬉しそうに、小早川が言い、げんなりした顔で光輝が言う。
「誰が、いつそんなことを言った?」
「だって、そうとしか聞こえないよ」
「はいはい。そうだと、いいな」
そう呆れたように、言った時だった。
光輝が急に動く。
小早川との位置を変える。
小早川と自分の位置を変えたことで、拳銃が光輝に向けられる。
光輝は拳銃を向けている男に、手の平サイズぐらいの小柄なナイフを投げる。
見事腕に刺さり、男は銃を落とす。
落とした銃をすかさず拾い、光輝は男に構える。
そこまでが早かった。
光輝は、主に見えるように、その男の顔を上げさせた。
「お前はこいつを知っているか?」
「あぁ、たぶん、最近入ったSPじゃないかな? 彼は推薦状も持ってきていたし」
「ふ~んじゃあ、殺ったら、不味いか?」
そう言いながらも、光輝が引き金を、引く指に力を込めると、主が慌てて止める。
「待って、彼には聞きたいことがある」
それだけ聞けば、なんて優しいとなるが、続く言葉に優しくなんか、全然ないって思ったのは当然である。
続いた言葉は、「聞いた後なら、処分は光輝に任せるよ」だっだからだ。
こうして、補給の間の短い間が幕を開けた。
それから、丸1日、小早川と光輝は地下にある部屋に男を連れて行ったきっり、上には顔を出さなかった。
冬眞はその間、ヤキモキした。
それに対して、碇も秘書の方もカーゼルも、皆、寛(クツロ)いでいた。
他の艦の艦員達は、皆艦の中で、思い思いに過ごしていた。
「どうして、皆さん、そんなに寛いでいらっしゃるんですか? 心配じゃないんですか?」
3人は目を合わせて、笑う。
碇が笑いながら聞く。
「心配? それは、犯人の?」
碇の問いに、冬眞は怒る。
「犯人じゃありませんよ。隊長達に決まってるじゃないですか?」
冬眞が言うと、本当に可笑しそうに、碇が言う。
「それこそ、何故?」
それに、冬眞がさらに怒ると、ごめんごめんと笑って言う。
秘書の人が優しく言う。
「我らがすべきことは、心配じゃありません。主達を、信じ抜くことです。そして、主達が聞き出した情報を、瞬時に聞き、どうするべきかを判断し、それに動けるようにしておくことです。つまり、今が我々の休息の時です。それ以外はありません」
秘書の言葉に、碇も続く。
「つまり、今は休息を取っておけと、小早川様も艦長も、仰っているんじゃないかな?」
碇の言葉に冬眞は頷いた。

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