青天の霹靂19(廉夏ダウン)
スマホで、廉が電話をしようとしたとき、泣きそうな声で廉を廉夏は呼ぶ。
「廉兄」
「どうした?」
「廉兄いる」
少し目を開けて、廉を探すように、目をキョロキョロする。
それに気づき、廉は廉夏の枕元に座る。
「私達は、ずっと、お前の傍にいるよ。安心しろ」
そして、廉はそう廉夏に声を掛ける。
廉は廉夏の頭を優しく撫でる。
「本当に? お父さんやお母さんもそう言ってていなくなったよ」
その言葉で冬眞は気付く。
廉夏の心の傷になっていることに。
「大丈夫だ。私がお前に嘘ついたことあるか? お前が寝るまでは、ずっと傍にいるよ。だから、安心しろ」
廉が、廉夏の頭を撫でながら言う。
「本当だよ。ずっと、いてね」
「ああ」
「手繋いでいて」
「それは、旦那に頼め」
そう言って、冬眞を見る。
言われた冬眞は驚いたように、廉を見た。
それに、廉は苦笑いして言う。
「何、驚いているんだよ。夫だろ、お前の奥さんが不安がっているんだ不安を取り除いてやれよ 」
廉は枕元からどくと、冬眞が廉夏の枕元に座る。
そして、オズオズと手を伸ばす。
「僕で良いですか?」
冬眞が握ると、廉夏は力強く握り返す。
それは、言葉より雄弁だった。
冬眞はそれに、微笑む。
それに、呆れたように廉は見る。
「面倒臭いやつら」
ボソリと廉は言った。
幸い、二人には聞かれなかった。
しばらくすると、廉夏から、寝息が聞こえてきた。
それが、聞こえると廉は冬眞に隣のリビングを指差した。
冬眞はそれに頷き、廉夏の手を蒲団の中にしまい、電気を消して、隣の部屋へと行く。
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