続・黒澤映画
黒澤明は、僕を映画から遠ざけた。
黒澤映画に魅了されてから、他の作品が安易に思え、映画を観ることが減った。
黒澤映画は、エキストラの一場面でさえ、緻密で美しかった。
アクションの少ない場面でさえその迫力に圧倒された。
馬の躍動は、とても綺麗だ。
三船敏郎の動きは、まるでフレッド・アステアのダンスのように華麗だ。
黒澤の脚本は、万華鏡だ。
黒澤映画のテーマは、力強く生き生きとしている。
当時の映画評論家は、黒澤映画の面白さを正しく評価しなかった。スピルバーグとルーカスから、アカデミーの特別賞を授与される黒澤明が誇らしかった。
日本映画界は、黒澤映画の大切さをわかっていないかもしれない。