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蓬とお肌の形状記憶


6月くらいまでの春の蓬は柔らかく、強い薬効があり、冬の間に溜め込んだ毒素のデトックスをしてくれるそうです。夏にはぐんぐん成長し、背を伸ばし固くなり、葉は細くなっていき、花を咲かせます。秋の蓬は乾燥させてお茶にすると、日々、飲むことができます。

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2021年5月5日、Yataの家で初めて、 蓬の生葉をホワイトリカー(1L)につけた。

私は超虚弱体質で生まれ、しばらくの間、ケースの中で青い光を当てられながら育ち、その後も喘息とアトピーがひどく、幼稚園にはあまり通えておらず、小学校の低学年の間の体育の授業は見学だったらしい。症状に苦しんだ記憶は今の私にはないけれど、周りの大人たちがいろんなことをしてくれたらしいことはたくさん話に聞いている。

母方の祖父は漢方を調合する人で、韓国から持ち帰った生薬を、レシピは不明だが小さな丸薬にしてくれていて、40年ほど経ってからその残りがでてきたのだけれど、いまだ薬効高そうな香りに驚いている。
父方の祖母は、蓬をたくさん摘んできては、お風呂にいれてくれていたそう。
もう、皆、あの世へ行ってしまったが、いまや、すっかり健康体の私に、ほっとしてくれているだろうか。

今、甥っ子が夜中に目を覚ましては、かゆいかゆいと掻きむしる姿をみているととても辛く、きっと、私の子ども時代には、周りの人たちにそのように思わせていたのだろうなということに気がつき、改めて、甥っ子を通して、記憶のない子どもの頃の私が苦しむ姿をみているような気がしている。そして、周りの人たちが注いでくれた完治に向けての情熱にも、40年がすぎて、感謝している。

ある時、母がつくった蓬の焼酎漬けのスプレーを甥っ子が痒がる時に使ってみたら、その後、痒くなると「シュッシュして〜」と言ってくると耳にしたので、大量生産してみることにしたのだった。

2011年の震災をきっかけに界面活性剤が入った洗剤の使用をやめ、その後、徐々にシャンプー、トリートメント、化粧品、化粧水、美容液などなど、ありとあらゆるケミカルなものから卒業した。
ケミカルなシャンプーをやめて、自然派の石鹸シャンプーなどに切り替えていき、最後は湯シャンへ。
湯シャンにしてしばらくは皮脂の分泌が酷く、当時、美容院を営む従兄弟に髪を切ってもらっていたのだが、「シャンプーは使わないで」とお願いし、「頭がくさいよ」と率直な苦情もいただきながらも、途中、何度か挫折してシャンプーでがーっと洗ったりしながら、半年くらい耐えた時期があった。
現在は湯シャンを基本に、月に1回程度の琉球ヘナで頭皮も身体もデトックス。ヘナは気になってきた生え際の白髪染めにも優秀。

そうこうしていると、顔もお肌もお湯で洗ってすぐは少し乾燥するものの、小一時間もするとしっとりお肌に戻り、まさにお肌の形状記憶の力を感じるようになっていた。
都会の日常では、顔の皮膚の形状記憶のパターンが完成し、保水のための化粧水もクリームもまったく必要なくなり、ファンデーションも塗らないので、お化粧といえば、眉を描き足すくらい。

しかし、まだ、大阪と飛鳥とを行ったりきたりしていた頃、GW中の連日の草刈りで顔が酷く荒れ、特に、鼻のまわりの細かい皮膚がめくれ上がり粉が吹くという、緊急事態が起こった。
日焼けしたその日のうちに水分補給をしておけばよかったのだけれど、なにもしないことに慣れすぎて油断しすぎていた。Yataの家での外作業で、たくさん太陽をあびた後には、さすがにスキンケアが必要だった。
見るも無惨な肌荒れが出来上がっていて、さすがに焦り、オイルをつけてみたりしたものの回復せず、ふと思い出して、お茶として保管していた秋物の蓬を煮出してみた。そして、半日もスプレーを続けていたら、ふっくらしたお肌にようやく戻り、一安心。

なにもしないことに慣れすぎると、いざという時、なにをしていいかわからなくなりプチパニックに陥る。
けど、乾燥しきったところにさすがにオイルはダメでしょ。

以下、備忘録。

<蓬>
蓬は葉緑素、酵素の成分が他の野草と比べても突出して多く含まれていて、傷んだ皮膚粘膜を修復して再生させる効果が強い。
乾燥肌や敏感肌、アトピー、湿疹等の肌トラブル対策に好適。
抗菌性と保湿作用。

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