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「まつりごと」は祭政一致で
今週は静岡市本庁で、道の駅に関する打ち合わせがある。10年以上も塩漬け状態だった地元の要望が、いよいよ具体的に動き出す可能性が出てきた。
これに先立つ1月中旬にも一度、窓口となる政策課と予算を執行する道路計画課が顔をそろえ、会見の場を持っている。この際、行政側から初めて、建設候補地と事業内容に関する提示を受けた。
昨年春に市長が交代し、新しいトップの姿勢が示された形だ。
それによれば、市民からの要望をうやむやに放置せず、市として実現可能な具体的計画を示し、しっかり理解してもらうよう努めよとのお達しだったという。
理工系の出身で、情よりも具体的メリットに応じて、事業の可否を判断する人のようだ。
民間なら当たり前の話でも、行政となるとややこしい。まして政令指定都市の長ともなればその権限は絶大であり、その分、しがらみも増える傾向にある。
政令指定都市は、福祉や健康、土木や教育という行政サービスから都市計画まで、まちづくりにおける様々な権限を静岡県から譲渡されている。
これにより、県に準じた権限をふるうことができ、静岡県との間での手続きも不要である。 県を介することなく、国と直接やりとりができる。権限においては知事と同等だ。
実体がどうであるのか、裏まで知らないままの即断はさけるものの、私情を交えず投資とリターンを見極め、有益な成果を生もうとする姿勢に今のところは見える。
一部企業どころか、一部隣の国と癒着ってる噂もあるどこかの県知事(ウチか😅)とは真逆の印象で、個人的には好ましい。
1月の会談にはプロジェクトの代表、幹部、僕と、地元の市会議員4名で臨んだ。
余裕をもって到着し、約束の時間までの調整を「自由民主党静岡市議会議員団」事務所で過ごす。
60年以上生きていると、こんな経験もすることになるんである。
20代は超アッチ系で、職質うけると〇察官を怒鳴り散らしたり、〇安に写真撮られたり、厚〇省行っちゃシュプレヒコールなんかかましたりしてた僕が、自民党の事務所で出されたお茶など啜って歓談しているのだ。
アッチ系の人からしたら許されざる「転向」であり、いつ「総括」されてもおかしくない状況である。っていうか、今だと”コッチ系”の人からも厳しく糾弾されそうで、腰のあたりがムズムズする。
だけどこの事務所、まったりしてるんだよなぁ。看板をみなきゃ普通の会社の応接室なんかより、よっぽど緊張感がない。
書棚に並んだ本の背表紙を見ても、城山三郎の小説とか、あんまり毒にも薬にもならないような、ちょっと古めの系列で占められている(個人的に嫌いじゃないけど)。たぶん現役の議員は、読んでないな。
これがすわ選挙ともなれば、上へ下への大騒ぎになるんだろう。今度の選挙、自民党は大変だと思うぞ。
同行した市議さんも、議員になるまでは道の駅誘致の旗振り役だった人で、「先生」なんて呼ぶ人は一人もいない。さすがに呼び捨てはないものの、「さん」か「くん」づけで、議員だからって誰も上になんか見ちゃいない。
四人乗り合わせで出向いた市役所も、運転するのは市議自身で、この人所有の国産中級車だ。家に帰ればベンツがあるわけでなく、けっこう地味な生活をしている。巷をにぎわす国会議員の面々と、同じ議員でもだいぶギャップを感じるのは確かだ。
個人の巨悪というよりは、せこい自己本位な政治家の固まりによって国が衰退し、おかしな方向へと向かっている。
地方の我々が抱く素朴な希望も実はそこに繋がっていて、下の善意は上に行くほど、邪心の要素が入り込んでいきやすい。
市長には公正な視点から「庵原」を評価いただき、規模は小さくとも実のある施設の具体化に向け、早期の決断を願いたい。
地元の期待を担い、明日2月20日の会談に出向く。
イラスト hanami🛸AI魔術師の弟子