生きづらさの記憶①毎晩がサイレントヒルな幼少期の睡眠
「あなたの生きづらさはどこから?」
「私は幼い頃の睡眠から!」
私は寝ない子だったらしいです。
よくいる夜は寝ないけど細切れに昼寝で回復するタイプではなくて、昼も寝ないタイプ。
夜泣きをよくしていたって、幼い頃から母に苦労話として聞かされていました。
自分も実際子育てしてみて、そこそこ寝てくれる子でも1歳半くらいまでは寝不足でしんどかったので、親の苦労も今更ながら分かる気がします。
毎晩がサイレントヒル
私、何となくその頃のこと結構覚えてるんです。
恐らくは2歳頃。
パパとママは電気を消して、川の字に横になると
あっという間に眠りに落ちてしまう
真っ暗な部屋にだんだん目が慣れて
キョロキョロさせていると
二人とも最初こそ頭を撫でてくれたけれども
やがて反応は無くなり
意識があるのは私だけ
そして左右から大きな異音が聞こえてくる
これがオシマイの合図
小さく声をかけても 腕を揺すっても
何の反応もなく
だらしなく開いた口の
その奥からゴウゴウと音を立てている
ああ今夜も
パパとママは定期的に異音を吐き出すだけの
人型の肉塊になってしまった
真っ暗な部屋の中
さっきまでパパとママだった肉の塊にはさまれ
気味の悪い異音に震えているうちに
ピタリと静寂が襲ってくる
真っ暗闇の中 息遣いさえ聞こえない
ミンナ シンデシマイマシタ トサ
オ シ マ イ
というところで記憶は途切れ、
次の記憶は泣きじゃくる自分と明るい部屋
くたびれた顔をしたパジャマの両親
これを毎晩繰り返していた記憶があります。
ハイ、両親揃って睡眠時無呼吸症候群です
本当にありがとうございました
って話なんですけどね。
なかなか寝付けない寂しさと
幼い私には理解できない親のいびきとの
コンビネーションが生み出す恐ろしい悪夢
でも幼い私には毎晩の就寝時間が
サイレントヒルの異形の世界みたいで
ただただ恐ろしかったんです。
両親のいびきも謎のシンクロするしさぁ…。
ああいう説明しがたい生理的に怖い世界って
今でこそゲームやら映画やらで例えられるけど
そういう引き出しが無い幼い子には
ただただ怖いとしか言いようがなくて。
当時の親は親でオバケや怪物の怖さくらいしか
理解してなかっただろうし。
どうするのが正解だったんでしょうね。
しいていうなら子供の立場的には
夜は少し明るく電気をつけたまま
私がしっかり眠りにつくまで
優しく寝かしつけてほしかったかなぁ…。
全然覚えていない奇行
毎晩寝室を心の中でサイレントヒル化し
親をクリーチャーとして見ていた幼少期の私
一方で私の記憶に全く残っていない
私自身が奇行に走っていたこともあるようです。
それがどうやら「真夜中に玩具の巴太鼓を叩きながら一人で廊下を往復する」ってことらしくて…
声をかけても何も反応しなかったらしいです。
私もう怪異そのものじゃないですか。
怪異じゃなかったら明らかに取り憑かれてます。
この話、私は全くピンとこなかったんですけど
家族一同めちゃくちゃウケていたらしくて
そこそこ大きくなるまで弄られました。
…親たちは何か心配しなかったんでしょうか。
反動で目覚めた私の特技
大人になった私はサイレントヒル的悪夢からは卒業し、夢遊病は起こさなくなりました。
睡眠の質はよく分かりません。酷い鬱の頃は眠剤が無いと眠れなかったので、それに比べたら今は調子が良いです。
そして幼い頃の反動なんでしょうか。
「悪夢から無理やり起きる」ことが出来るようになりました。
夢で怖い目にあっても、即座に認知して覚醒することで(夢の中の)最悪の展開を防げます。
…この技は結構便利なんですけど、いかんせん全く他人に見せられるものじゃないので一人で抱えてるだけなんですよね。
履歴書に書けたら良いのに…。
睡眠も才能
眠るのって才能だと思うんです。
平均したら人生の3分の1〜4分の1くらいは眠ってるわけだから、得意な人は恵まれてると思います。
サッと眠れて深く眠ってサッと起きられるのがきっと理想で、ガチのショートスリーパーとか寝起きがよいとかは生まれ持ったギフト。生きる時間が有効に使えるのはとても羨ましい。
あと3交代勤務出来るのも、あれは特殊技能だと思います。私がやったら間違いなく破綻するので、夜勤の人にはひっそりと敬意を抱いています。
逆に絶対的に苦手な人もいると思うんです。
ちょっとしたことで眠れなくなる人、一回睡眠のリズムズレるとガタガタになる人、何やったって寝るのも寝起きも辛い人…みたいな。
多分私は本質的には睡眠苦手な人なんだろうなと、幼い頃を記憶からふと思ったのでした。
それでは皆さま、今日も眠るの頑張りましょう…!
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