生物分類技能検定2級動物合格に向けて覚えるべき内容をまとめました 2023年

はじめに


2022年度試験で一般財団法人自然環境研究センターが実施している生物分類技能検定2級動物に合格しました
勉強する中で「こういうことを聞きたいんだな」と問われる内容が分かったので、私が感じた出題傾向と対策としておこなったまとめを全て書きたいと思います。
毎年合格率が20%をきっていますが対策の方向さえ理解すればそれほど難しい試験ではないように思います。
公式HPの参考図書の更新が2015年で止まっているなど公式のやる気がないことから勉強方法がわからず不合格になる人が多いのかと思います。私も2回目でやっと合格しました。1回目では傾向・対策がわからず(というか勉強しなくても合格するでしょ、と舐めてました)、2回目で勉強の方向性がわかり合格しました。点数を落とさせることしか考えてないようなクソ問題も複数でますが合格が正答率7割なので(大体65点~70点)、クソ問題を落としてもこの私がまとめた傾向と対策に目を通しておくことで合格に近づけると思います。
私が学びえた情報をすべて書きます。無料公開部分の参考図書だけでも目を通すと対策の方向性がはっきりするかと思いますので是非ご覧ください。


2023年の問題は見ていないため、そのデータは含まれていません。

参考図書(ネット上で無料で確認できるもの)

外来種対策

・特定外来生物の分類と指定日(近年新たに指定されたものは特に注意)
・国内由来外来種(特に哺乳類・カエル・ヘビ・昆虫に注意する。)
・北海道ブルーリスト(北海道の外来種)に目を通しておく(北海道の国内外来種問題は出やすい)

重要種

・環境省レッドリスト2020(新たに追加された種、削除された種に特に注意する。地域指定のものは哺乳類が出やすい)
・特別天然記念物(植物まで覚えること)
・種の保存法(ここからの種が必ず出る。また魚の学名問題は基本的に種の保存法にかかっているものの仲間からしかでていない。)

哺乳類

・国立環境研究所 侵入生物DB
・近年の地域初確認種を集めること(Mammal Study等をチェックする)。

鳥類

・日本全国繁殖分布調査報告 2016-2021
・日本鳥類目録改訂第 7 版
・近年の国内繁殖確認種を集めること(バードリサーチ等チェックする)。

爬虫類・両生類

・国立環境研究所 侵入生物DB
・日本産爬虫両生類標準和名リスト
・近年確認された国内移入、新産地、新種の情報を手に入れること(爬虫両棲類学会報の目次だけでもチェックする)

・特定外来生物同定マニュアル 魚類
・国立環境研究所 侵入生物DB
・日本産魚類全種目録(近年追加されたものに特に注意する)
・近年細分化が多いドジョウ類、トミヨ類、ヨシノボリ類の最新知見をネットで集めること。

昆虫

・特定外来生物同定マニュアル 昆虫
・国立環境研究所 侵入生物DB
・近年確認された新種、重要種の繁殖成功等の情報を集めること(キイロネクイハムシ等の近年の再確認種も集めること)


参考図書(購入したほうがよいもの)

外来種

・「最新 日本の外来生物」 4180円
写真付きで分かりやすい。ざっと覚えておくと外来種問題がかなり楽になる。

哺乳類

・「くらべてわかる哺乳類」 1760円 
初心者用(基礎が分かりやすい)。
 
・「モグラハンドブック」 1430円
「くらべてわかる哺乳類」以上の知識を問われることは少ないが補足的に。 
 
・「リス・ネズミハンドブック」
「くらべてわかる哺乳類」以上の知識を問われることは少ないが補足的に。
 
・「コウモリ識別ハンドブック 改訂版」
「くらべてわかる哺乳類」以上の知識を問われることは少ないが補足的に。
 
・「哺乳類のフィールドサイン観察ガイド」 1980円
「くらべてわかる哺乳類」以上の知識を問われることは少ないが補足的に。

鳥類

・「フィールド図鑑 日本の野鳥 第2版」 4180円

爬虫類・両生類

・「新日本両生爬虫類図鑑」 8800円
現状で最新の図鑑(2021年)
 
・「山溪ハンディ図鑑 増補改訂 日本のカメ・トカゲ・ヘビ」 3080円
分類が最新ではなく未記載種がある。分布が図で示されて覚えやすい
 
・「増補改訂 日本のカエル+サンショウウオ類 山渓ハンディ図鑑」 4350円
分類が最新でなく、未掲載種が多い。
基本種の分布が図で示されているため参考になる。

魚類

・「くらべてわかる 淡水魚」 1760円 
初心者用(基礎が分かりやすい)。
 
・「山溪ハンディ図鑑 増補改訂 日本の淡水魚」 4290円 
種名・学名変更、未記載種あり。
事前に「日本産魚類全種目録」で変更を確認すること。

昆虫

・「増補改訂第2版 昆虫の図鑑 採集と標本の作り方」 3850円 
九州以外産は載っていないので出やすいチョウ・トンボ・水生昆虫については他図鑑が必要
 
・「くらべてわかる昆虫」 1980円
初心者用(一般種の基礎が分かりやすい)
 
・「日本のトンボ 改訂版」 6050円
トンボはこれで十分。
 
・「増補改訂版 日本のチョウ: 日本産全種がフィールド写真で検索可能」 1980円 
チョウはこれで十分。
 
・「日本の水生昆虫 (ネイチャーガイド) 」 5500円 
水生昆虫はゲンゴロウを中心に出やすい。これを読めば水生昆虫の範囲は十分。
 
・「新 カミキリムシハンドブック」 1600円
カミキリムシも出やすいのでその対策に。絶版になったようだが本屋で置いていたら買うくらいでいいと思う。

写真問題対策

哺乳類

【傾向】
次のことを問う写真問題が多いです。
①アナグマ、タヌキ、ハクビシン(違いを理解)
②ムササビとモモンガ(違いを理解)
③アカネズミとヒメネズミ(違いを理解)
④ハタネズミとハツカネズミ(違いを理解)
 

鳥類 ※あまり傾向がみられない

【傾向】
①ミサゴ
②イソヒヨドリ、オオルリ、キビタキ等の色が派手なもの。
③ダイサギ、チュウサギ、コサギ、ゴイサギ、アオサギ等の一般的によくみられるサギ類。
④チュウシャクシギ、ダイシャクシギ等のクチバシの形が独特なシギ類。
⑤重要種に該当する猛禽(クマタカ、オオタカ、ハヤブサ等)
 

爬虫類

【傾向】
次のものがよく出ます
①アオダイショウの幼蛇(マムシに似るのでひっかけか?)
②ジムグリ(幼蛇も含め覚える)
③シマヘビ、ヒバカリ、ハブ、ヤマカガシ等の一般的なヘビ。
 

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