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現場の自衛官を育てた恩師の愛(つづき)

 実は、これらの出来事は、私が成し遂げたものではない。

 高校を卒業して数年後、同窓会があった。

 その時、福原先生は「この次の同窓会は、数十年後にしよう」と言って解散した。

 確かに、卒業して直ぐでは、皆、あまり変わっていないし。それに、社会に出てから成果らしい成果はなかった。

 その後、同窓会は行われたかも知れないが、福原先生と会ったのはそれが最期となった。

 私は、福原先生に褒めて欲しかった。

 しかし、今思えば、私が今まで自衛隊で行ってきた災害派遣など、数々の任務

 地下鉄サリン事件、日本で最初の鳥インフルエンザや福島第1原発事故など。

 実はこれらは、私が成し遂げたものではない。

 もちろん、組織の力は大きいが。

 それは、先生の私たちに対する強い想いが。
 または、天といってもいいのかも知れない何かが、私を突き動かし。私の身体を借りて、成し遂げさせたものなのだ。

 私は、こう思うのだ。

 「私の成長のために、様々な試練や経験を与えてくださり感謝いたします。そして、これらの経験を、多くの人々の役に立つよう伝えていきなさい。それが使命だと。そう言われているような気がしてならないのだ」

著 者  宮澤重夫
 平成30年に陸上自衛隊化学学校
化学教導隊副隊長を最後に退官
 現役時代に体験した、地下鉄サリン事件や福島第1原発事故対処等の経験談を執筆中

主な資格等
 防 災 士(内閣府認定地域防災マネージャー)
 第2種放射線取扱主任者
 JKC愛犬検定最上級

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