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夕焼け小焼け…今もあの子はあの廃墟(自身の不思議な体験)
おはようございます。
柴2猫2ときどき幽霊です(最近保護猫一匹をお世話中の為ほんとは猫3)
夕焼け小焼けの音色が聞こえると小学生の頃お盆におばあちゃんの家の近くで一緒に遊んだあの子を思い出します。
夏は不思議な事が多くうっすら視える私は首をかしげる事ばかりでした。
死んだ人だと分かり始めたのは小学三年の時でしたが、不思議と怖いとは思った事はありませんでした。何もしなければ何もしてこない。
多分視えている事に相手は気付いていないのかもしれません。
人に言えば人気になりたいからでしょと言われるか、怪訝な顔で見られるか。生きている人間の方が怖いと思ったのも小学三年生かもしれません。
生と死といものは隣合わせで、もし死ぬのならば上に行きたいと思ったのもこの頃だと思います。なぜ自分には視える時があるのになぜ視えない人がいるのか。視えるとなぜ人と違うのか…。小学生が抱えるにはとても大きな問題でした。
そんな時に出会った不思議な夏休みの体験です。
おばあちゃんの家は九州の山奥の集落にあり、田んぼや畑、小さい小川に坂を降りれば小さな稲荷神社があったりとあの有名なとなりのトトロみたいな田舎に住んでいます。お盆になっても村の人口は少ない為帰省で帰ってくる子供とおばあちゃんの近所の小さい子供合わせても七人ほどです。いつも子供達は一緒になって遊んでいました。
その中で女の子はわたし一人だけで、いつもほって行かれ夕方は気づけばいつも一人。朝からずっと一人のときもありました。
ある日、一人でチョークでお絵かきをしていると声が聞こえました。
「なんでいつも一人なの?」
あたりを見回しても声の主がわかりません。
「何してるの?」
「お絵かきしてるの…お兄ちゃんいてるけど誰も遊んでくれないんだもん」
ガサガサ音がしたと思うと大人二人分くらいの大きな塀をヒョイと女の子が飛び降りてきました。
「一緒に遊ぶ?」女の子はニコニコと笑うと大きな声で聞いてきました。
昔の服のような格好のおかっぱの女の子がセッタらしき履物で元気に近づいてきます。
「うん!」
誰も遊んでくれない日が4日も続き自分のお家に帰りたいと思っていた為、お絵描きや縄跳び、追いかけっこがほんとに楽しくて、あっという間に辺りがオレンジ色になっていきます。母が坂の下まで迎えにきて私の名前を呼びに来る時間まで遊んでいました。
ほんとに嬉しくて「また明日遊べる?」女の子に聞きました。「いいよ!夕方遊ぼう」大きな声で言ってくれた返事に私はにこやかに「また明日ここでね!」そう言って私はおばあちゃんの家に帰りました。
つぎの日も女の子は高い塀から飛び降りてきました。その次の日も、その次の日も私達は一緒に走り回りケラケラ笑いながら遊びました。
そしてふと気づいた事がありました。あの子は夕方の音がなると高い塀から跳び降りてくる事。兄がいる時は絶対に来ないこと。
「明日は朝から一緒に遊びたい」私は女の子にそう言いました。それでも女の子は帰る時「また明日!この時間にね!」
そうこうしているうちに夕方の音が響くとだんだん暗くなってくる時間が早くなりだした頃、二日後に家に帰るよと母親に言われました。
「明日、帰るんだ…ここから遠いから一緒に遊べないし、次いつ来れるか分からない…」つぎの日の夕方、雲を見ながら何に見えるかゲームをしながら女の子に言いました。
「そっか…あっ!いぬにみえる…」女の子は振り返りながら寂しそうに私に言いました。
帰る日、朝にいつもの場所に行っても女の子は来ませんでした。
あれからずいぶん経ち、そんな事をすっかり忘れていた頃、おばあちゃんが家に泊まりにくることになりました。社会人になっていた私と思い出話しをしていると、ふとあの女の子を思い出しました。
「おばあちゃんの家の近所の女の子って今どうしてる?」
「女の子?」
「小学生の時に遊びに行った時に一緒に遊んだ私と同じくらいの子」
おばあちゃんは首をひねりました。私はメモを引っ張り出し、この家のこの塀からいつも飛び降りてくるおかっぱの女の子だよと説明しました。
「その家は廃墟で女の子はアンタだけで周りに誰もいないよ」
「いやいや…待って…お母さん〜夕方にいっつも遊んでた女の子覚えてる?」
キッチンにいてる母親に確認すると母は言いました。
「アンタいっつも一人で遊んで…お母さん可哀想な事してるなっと思ってたんよ。いっつも暗い時間まで一人で遊んでたよね〜」
「えっ………?迎いに来てくれた時に女の子いたでしょ?」
「あんた一人で走り回ってたよ」
女の子はお家を聞いてもあっちとしか言わず、名前を聞いても歳を聞いても何一つ答えてくれなかった。
遊びにくる服装はいつも一緒…遊び方をあまり知らなかった…そしてなにより小学生が飛び越えれるような高さではなかった。
どうしてだろうか…女の子の顔を思い出そうとしても顔が霧に包まれて思い出せない。兄に聞いても女の子は知らないと言われた。
夕焼け小焼けの音がなるとあの女の子はいまだに一人で遊んでいるか考えてしまう。幽霊や妖怪などは一般では怖いものだと思うのが普通だと思います。飼っていた愛犬とハムスターを黒い影に連れて行かれた事がありました。でも中には普通に電車に乗り仕事に行ってる人や見守っている人。
そして女の子ように会いに来て一緒に遊んでくれる人もいます。
小学生から色々不思議なものをはっきり視えるようになり始めたのは考えればこの出来事がきっかけだったのではと考えてしまいます。今回はお父さんの実家でしたが、母の実家でも不思議な事がありました。
この話しは…また次回…。