銭湯での忘れ物(自身でおきた怖い話)
おはようございます。柴2猫2ときどき幽霊です。
日曜限定不定期に怖い話しさせて頂いてます(笑)っと言っても自分自身の事なのでそんなに怖いとは思っていませんが…さて夏です。ミーンミーンと蝉が五月蠅くなってきましたね。
夏はプールや川遊びの帰りに銭湯に行きたいと思った事はありませんか?
銭湯で働いていた時によく幽霊も入りに来られていました。
ドアが開きお客様が入ってきます。顔をあげて「いらっしゃいませ」っと言い下駄箱にお客さんが行ったきりフロントに来ない…全部閉めたはずの下駄箱が勝手に開いている…はい…幽霊のお客様がご来店です。
何一人で喋ってんの?ともよく言われる銭湯には普通に幽霊さん達も入りにこられます。私が働いていた所の掃除道具入れに男の人が居座っていると有名でした。そんな事を知らない私はいつも「失礼します」「失礼しました」と挨拶をいれ道具入れの部屋に入っていたので「なんでここに男の人がいてるって分かってんの?えっ?知らないよね?言ってないもんね?視える人?」と言われました。はい…視えます…と言いたいですが自分でも分からないのが本音です。そんな漠然としたものでいいと思っています。
ある日お客さんに言われた事があります。怒ったようにお風呂から出てきたお客さんは一言。「ここ幽霊多すぎだから、もう来たくないわ」と。
水が多いですもんね…幽霊たちに注意しておきます。とも言えず申し訳ございませんとなんだか分からない謝罪。
さてそんな場所の銭湯にある日、家族と一緒に女の子が入りに来ました。
わたしは休憩に入っていた為にその事は知らなかったのですが休憩が終わり保管室を通りボイラー室に行く途中に背中を指すような視線が…「ねぇ…ねぇ…」かすかに女の子の声がします。振り向くとそこには綺麗で大きなフランス人形が座っていました。
おおっと…まじか…いやぁ〜人形の声とかも聞こえちゃったわ…っと思いながら事務所に座っている先輩に事情を聞くとお風呂に入りに来た女の子が忘れていったそうです。「連絡先もわからないし取りにくるかなぁ〜可愛い人形なのにね」と…そうですねぇ〜…結構強い感情を持った人形なので、すぐに主人を呼ぶと思いますよ。すぐに連絡が取れるはずですと先輩に伝えました。
仕事を終えデスクに行くと人形を心配していた先輩の膝の上にあの人形が…。
「先輩どうして人形を持っているんですか!次の主を探すかもしれないので極力触らないほうがいいと思いますよ、多分持ち主を呼んでるのですぐ来ると思いますし」と先輩に忠告しましたが…なんだか可愛そうでっ…と人形をずっと撫でていました。
そんなお人形を見ながら小さい頃に遊んでいた人形を思いだしました。
寝かせれば目が閉じて、起き上がると目が開く可愛いお人形で小学生の時 まで髪をといたり、お風呂に入ったり、服を着せて一緒に寝たりしていました。大きくなるにつれだんだん遊ばなくなり、母の部屋に置きっぱなしになった時の事です。自分の部屋に入ると何か空気が違う。誰かに見られている。
後ろを見るとお人形が…目が合った瞬間すぐにその人形を手に取り母の部屋へ。また次の日も…その次の日も…。母に部屋には入れないでと言ったのですが、入れた記憶はないとの一点張りでした。それから人形がどこに居てるか手に取るように分かるようになったある日、母は突然人形を捨ててしまいました。今思えば…きっと寂しかったんだと思います。怖がらないでちゃんと向き合ってあげればと思い出すたび後悔をしています。
銭湯のフランス人形は保管し始めて3日後に人形を必死に探していた持ち主の女の子に引き取られて行きました。嬉しそうな人形を見てこれで良かったんだろうなと思い後ろ姿を見送った記憶があります。銭湯と言う場所は水が集まっているとこなので幽霊が集まりやすい場所なのだろうと思います。
魂を宿ってしまった人形は怖いと思ってしまいますそれが普通だと思います。ですが、きっと寂しいのかもしれません。声が聞こえればきっと寂しいと泣いているのかも知れないですね。銭湯のフランス人形は私を呼び止め何を言いたかったのでしょうか…
さてさて次回は…わたしの夏休みでの不思議な体験。
夕方の音と共にやってくるあの子…存在しない子供と毎日遊んでいた私の実体験です。
柴2猫2ときどき幽霊…また次回…