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今度はRSウイルスワクチン
2023/05/11
RSウイルス感染症が乳幼児の間で流行しています。
中には人工呼吸器に繋がれる場合もある
厄介な呼吸器ウイルスです。
ワクチンがあると良い病気ですが、まだありません。
米食品医薬品局(FDA)は5月3日、
世界初のRSウイルス(RSV)ワクチンを承認した と発表しました。
膜融合前型の遺伝子組み換えRSV F糖蛋白質(RSVPreF3)抗原と
製造元のグラクソ・スミスクライン(GSK)独自のAS01Eアジュバントを
組み合わせて作製された アジュバント添加RSVワクチン
(商品名Arexvy、以下RSVPreF3 OA)です。
RSV関連下気道疾患の予防を目的としており、
60歳以上の高齢者が接種対象となります。
(関連記事「RSVワクチン、第Ⅲ相で80%超の有効性」)。
RSV関連下気道疾患(RSV-LRTD)に対する有効性と安全性を
国際第Ⅲ相試験AReSVi-006で検討し、82.6%と高い有効率が認められたと
N Engl J Med(2023; 388: 595-608)に報告しました。 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2209604
同ワクチンは昨年(2022年)、日本、米国、欧州連合(EU)
をはじめとする 複数の国・地域で承認申請が行われており、
承認されれば 世界初のRSV感染症予防ワクチンとなります。
RSVワクチンの開発をめぐっては国内外で競争が激化しており、
今年(2023年)から来年にかけて新たなワクチンが続々と
登場することが予想されます。
出典:
https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0509556539/ https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0221555725/
世界初のRSウイルスワクチンは、
GSK社が得意とするアジュバント+RSV 融合前 F 蛋白質から出来ており、
mRNAを脂質ナノ粒子でくるんだコロナのワクチンとは作りが異なります。
RSウイルスワクチンも、国内で(結論ありきの)疫学調査をして
やはり予防が必要だということで、導入され、
将来的には公費負担も推進されることになるのでしょう。
乳幼児には効果のあるワクチンがあると望ましい感染症ではあるのですが、
そもそも高齢者がこのウイルスが感染して肺炎や気管支炎になるケースが
多いのかどうか明確には分かっていません。
GSK社のアジュバント(免疫増強剤)は免疫をつける効果は高いですが、
副反応も強いです。 新しいものには慎重に対処していきましょう。