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【中瀬のDID/VC探訪】DID/VCについて

DID/VCを一言で言うと?

DID/VCを一言で言うと、SSI(自己主権型アイデンティティ)という概念を社会に実装する新しい仕組みのことです。

SSIとは

SSIとは「自らのアイデンティティの情報を自分で管理しましょう」というムーブメントです。

なぜSSIというムーブメントが生じているのでしょうか。

そこには個人情報保護や信用プロセスの厳格化など様々な要因が存在すると考えています。

その1つの要素として、信用プロセスがデジタル化の世界から置いていかれていることがあげられます。

私が「〇〇大学を卒業した」ということをどのように証明すればよいでしょうか。

紙の卒業証書を交付し、提出する。提出された側は卒業行書が偽造されていないか確認するために大学に問い合わせる必要があります。

卒業証書だけでなく、年齢確認などあらゆる信用チェックのプロセスが紙・対面での運用になっています。

それにより、人が介在する曖昧さやUXの低下を招き、さらには企業のような第三者が個人関連情報を持つことによるリスクも生じています。

これらをデジタル上で完結させるための新しい仕組みがDID/VCとなります。

DIDとは

DIDとは個人に割り当てられる識別子のことです。

この識別子に対して、「〇〇大学△△学部卒業」というような情報を紐づけていきます。

DIDの規格は以下のようになっています。

did:example:123456789abcdefghi

exampleの部分はDIDメソッドと呼ばれるものです。

DIDメソッドはざっくりいうとDIDに紐づく情報を取得する方法を定めるものになります。

DIDメソッドについてはまた別の機会に記事にしようと思います。

123456…の部分はDIDメソッドによって与えられて識別子(ID)の部分になります。

このDIDを用いて私が〇〇大学を卒業したことを検証するために、exampleという方法を使って、123456…という人の情報を検証する、というイメージです。

すみません、この辺の細かい部分は別の記事で・・・

VCとは

VCとは検証可能なクレデンシャル情報のことを指し、W3Cによって企画が定められます。

VCには、DIDの情報や、資格情報が入っています。

先の卒業証書の例でいうならば、私という人間が持つ、

DID:did:example:123456789abcdefghiに対して、

〇〇大学卒業、という資格を紐づけるためのデータがVCとなります。

この場合のVCの規格は例えば以下のようになります。

出展:https://www.w3.org/TR/vc-data-model-2.0/#core-data-model

VCは大枠の規格は定められていますが、詳細の規格まで定められてはいません。

例えば、名字の情報を入れる項目があったとして、その項目名を、lastNameにするのか、familyNameにするのか、などのルールを決める必要があります。

これは国や業界団体など、誰かが決める必要があります。

これを決めないとVCの良さが出ないのです。なぜならば、名字の情報を検証しようとしたときに、VCを発行した人によって項目名が異なれば、プログラムで処理できないからです。

DID/VCを使うメリット

DID/VCが普及すれば色々なメリットを享受することができます。

・個人情報を渡さなくて済む

VCは個人しか持たず、第三者に渡らないような仕組みにして、必要な時だけVCを提示することで企業がデータを持たずに個人情報の検証ができます。

また、VCから卒業した大学名だけを提出する、というゼロ知識証明も可能になるので、必要最小限のデータのみを提示することができ、個人情報を最大限保護することができます。

・既存プロセスの効率化、新しい価値の創造

先に挙げたように、今までアイデンティティの提示や確認におけるプロセスは紙や対面の運用が残り続けています。

これによってUXが低下していた部分も少なからず存在します。

これらを効率化し、さらには、新しい事業価値を創ることにも発展できると考えています。

・アクセシビリティ

日常ほとんど意識することはありませんが、資格情報を発行してくれる機関がつぶれてしまうと、自分の資格情報にアクセスすることができなくなります。

例えば、自分の出身校がなくなってしまえば、卒業証書の再発行は誰に頼めばよいでしょうか。

VCという形でデータを持っておけば、自分がそのデータを捨てない限りは、第3者(特に情報を発行してくれた人)の事情に関わらず資格情報を持ち続けることができます。

まとめ

DID/VCは特に新しい技術というわけではなく、新しい仕組みです。

鶏と卵問題も存在しますが、DID/VCが普及した世界でSSIに一歩近づくことは間違いないですし、SSIな世界であるべきだとも思います。

SSIな世界に導くプロダクトproovyを社会に実装していきたいです。

proovyについてはこちら
https://proovy.recept.earth/lp

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