Designing my life - よりよい人生のために
2024年8月から新しい職場での仕事開始をひかえ、休みをとっている7月後半、普段は見ない本棚や資料を見返していた。
そのなかで、2021年4月18日に受講したDesign Your Life Japanのオフィシャル・ワークショップで使用した「スタンフォード式人生デザイン講座」ビル・バーネット&デイヴ・エヴァンス 千葉敏生訳(早川書房)を手に取った。
受講したワークショップの資料はおろか、整理ができない症候群の私は、同じ本を購入するということは少ないものの、ある興味のある内容の本を購入しても、その内容を深めることなく、同様の本を購入し続けるといったことをしていたりする。
浅いレベルでの理解に留まったまま、知識の集約を水平的に行い、アウトプットをする等によって理解を深めるということをしないまま薄く広がる知識は、頭の中に残るものもと残らないものとあって、その残ったものの合算が閾値に達した時なのか、時々「あれ?」と、ひらめき、「そういうことだったのかぁ〜」との発見に至るといったことがある。「ああ、これが私のやり方ね。」と受け止めるしかないと思う一方で、ほぼ無意識レベルの活動に頼り切っている自分に「反省」である。
改めて、自分の知識・経験の積み重ねによる恩恵を受けにくい環境を自分で作り出していることを認識し、今後は、時間には限りがあることを念頭に置き、知識習得時には、きちんとアウトプットして理解を深めていこうと(一応)決意するところである。
少し話が外れてしまったが、前述の本を手に取り、ペラペラめくっていると、その中の第5章 “人生プランを描く“の中にあるフォーマットに、自分で書き込みをしているの見つけた。
そこには、人生プラン③として、“海外に住むー自然豊かな環境&美味しい食べ物“と書いているではないか?!
人生プランの設定
「スタンフォード式人生デザイン講座」第5章では、人生設計をするにあたり、今後5年間の三通りの人生プランを描く。また、それぞれのプランを、4つの観点(資源・興奮度・自信・一貫性)で自身で点数づけで評価する。そして、そのプランを誰かに発表する機会をもつ。それらのプロセスを経ることによって、自分にとって良い人生とはどのような人生なのかを考え、それを実現させる可能性が高まるということらしい。
3つの人生プランとは
人生プラン①:現状をベースに
人生プラン②:プラン①が突然ダメになった場合のプラン
人生プラン③:お金や世間体を無視するとした場合の仕事や人生
そして、「各プランを発表した時にどれくらいワクワクしたかを覚えておこう」と記載されている。
確かに、自分自身の頭の中で考えている時に想定していた内容と、誰かにそれをアウトプットした際に自分自身で再度捉え直す時の内容が、全く異なったものになっているということはよくある事である(それは、誰に伝えるかということも影響するのかもしれないが・・・)。
例えば、自分が人生プラン③を書いている時には、絞り出すように書いたと思っていても、誰かに発表したとき、「あれ?なんだか、ワクワクしている自分がいる」と思うといったようなことだろう。あるいは、現状をベースにした人生プラン①を、つまらないと思いながら書いていたとしても、誰かに、今後5年間のプランを話しているうちに、「こういうこともできるかもしれない」といった現状の盲点を見つけて道が見えてくるということもあるかもしれない。
そして、3年前の私は自分の人生プラン③を「海外に住む」と設定したわけだ。
海外移住プランを設定してからの3年間
このプランを書いた時期というのは、現職(2024年7月末まで)のイギリス本拠地とするケータリング・グループの日本法人に勤める3ヶ月ほど前であったことも興味深い。
そのケータリング・グループは世界最大規模のケータリング組織であり、厨房調理といった労働集約型の業務で「人(ひと)」が運用の中心であるということで、私は、それまで研究していた「食品安全文化」の実践がしたいという目的のもと入社した。
このグループでは、セーフティ・ウォーク(セーフティの観点からのWalk Around)やマネジメントが主催する月次のセーフティ・カウンシル(マネジメントレビュー)開催等、食品安全文化を醸成させるための仕組みは構築しやすい環境にあった。また、イギリス式の食品安全+労働安全衛生を合わせたHSE(Health, Safety and Environment)として推進することにより、食品分野より進んだ「安全文化」を持つ労働安全衛生分野との合体により、「安全文化」を浸透させる仕組みは整いやすい状況であった。
これらをベースに、私は、セーフティの長として、仕組み構築を進めていった。
しかし、これらの手法は海外主導で推進された方法であり、日本の現場において効果的な手法であったかというと、それは確信に繋がるまでには至らず、現場での効果の測定にまでは着手できなかった。
これら3年間の経験は、何ものにも変え難く、いろんな意味で学ばせていただいたことを感謝したい。
また、当グループでは、2023年12月から半年以上をかけて、Compass Gender Leadership Programmeと称して、各国からダイレクターレベルの女性が集められ、リーダーシップ・プログラムが開催されたが、私もそのプログラムの一員として、選出された。
その内容は、Clifton Strengthで自分の強みを特定したり、1on1コーチングや、グループセッション、UK本社での3日間のワークショップ、スポンサーシップ制度の導入等、充実したものであった。
そのなかで、今まで仕事中心の生活を20年を送ってきた私に対して、コーチングを担当してくれたSophie Hampelのアドバイスにより、「自分が本当にやりたいことは何か」を改めて考え直すというアプローチで、セッションを続けた。
ヨーロッパでの新しい生活
2024年8月から日本の食品輸出入の会社に所属することになり、8月中にはオランダに赴任することとなった。
職務としては、ヨーロッパの拠点(UK、フランス、ドイツ、イタリア)を食品安全の観点から統合し、日本にレポートするというタスクである。
なかなか手強い仕事のようだが、自然豊かで、歴史も深いオランダ、ヨーロッパでの生活は楽しみであり、より高次レベルの視野を持てるようになれればと思っている。
冒頭の写真は、現職の部下が“はなむけ“に用意してくれたデザートで、“Good Luck”と書かれている。有難いことだ。
3年前に設定した人生プラン“海外に住むー自然豊かな環境&美味しい食べ物“の「美味しい食べ物」も、もちろん新しいヨーロッパでの生活では欠かせない要素だ。昔、ニューヨークに住んでいた頃、Zagatに掲載されたお店に片っ端から行くことをタスク(?)としていたが、やり方は別として、さまざまな食経験もしたいものだ。
Designing my life!!
よりよい人生のために設定した人生プラン。時間は多少かかっているのかな?とは思うが、自分の設計した方向には進んでいるようだ。